みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 046 Tone Wheel Organ」と題して、プリセット・プログラム「046 Tone Wheel Organ」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
管の音が強く聞こえるオルガンの音です。
アルゴリズム32番を使って6つのオペレーターをドローバーに割り当てています。
サイン波はパワーのある音だと改めて実感します。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
モーション・シーケンスのデータにモジュレーション・ホイールのデータが入っていますので、シーケンスの途中でOP5, OP6のLEVELが上がり、FX1: ROTARY SPEAKERのSPEED SW.がONになっています。
気持ち良いね!
サンプリング音源とは違った心地よさがありますね。
実験2: OPの波形を変更する
設定方法
MODE: FM: WAVEをOP1~OP4はTRIANGE、OP5, OP6はADDITIVE 1+2に変更する。
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
もう少し近くの場所に聞こえてきました。
サイン波というのは強いと改めて実感します。
だからサイン波をうまく使ってモジュレーションして波形を作っていくFM音源の可能性を改めて感じますね。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには32番のアルゴリズムが設定されています。
単独のキャリアが6つの構成です。
オペレーターの設定はプログラム「045 DrawSlider Organ」と似ています。
すべてのオペレーターのLEVELは上がっているのと、RATIOの構成が違うこと、キー・トラックの基準キーが違います。
それよりもバーチャル・パッチで設定されているパラメーター等、幾つかの仕掛けが多く設定されています。
アルゴリズム32を使って単独のキャリアを6つにした構成を使ってオルガンのドローバーのようにLEVELスライダーを動かして音をリアルタイムに変化させることができるオルガンのプログラムです。
各オペレーターの波形はSINE 12BIT、キー・トラックで基準キーをC3として高いキーになるほどマイナスに設定されています。
各オペレーターの違いはRATIOの設定。
LEVELを変化させることでオルガンのドローバーを動かしたように音が変わる仕組みです。
FILTERはLPF12を使っていますが、CUTOFFが最大で効果がありません。
エフェクターは、ROTARY SPEAKERを使用してオルガンの気持ちよさを演出、3-BAND EQで各ポイントでプラス設定、REVERBではTYPEにHALLを選択して、広がりのある室内空間を演出しています。
演奏表現の手段として、FX1のROTARY SPEAKERのSPEED SWITCH、OP5, OP6をモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
また、FX3のREVERBのREVERB LEVELとピッチのLFO1の周期的変化をアフター・タッチでコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
WAVEにSINE 8BITを使用して、オルガンのスライダーのようにRATIOが割り当てられています。
opsixのLEVELスライダーやモジュレーション・ホイールでの操作で音の変化をコントロールできるように設定されています。
OP-EG
すべてのオペレーターでSUSTAIN LEVELが100で、鍵盤を押している時はレベルが変わらないように設定、RELEASE TIMEはほとんどなしに設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACK
すべてのオペレーターで基準キーをC3として高いキーになるほどレベルが下がるように設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
INITプログラムから変更はありませんでした。
EFFECT
FX1はROTARY SPEAKER、FX2は3-BAND EQ、FX3はREVERBが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、FX1のROTARY SPEAKERのSPEED SWITCHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、FX3のREVERBのREVERB LEVELをアフター・タッチでで変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、OP5のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、OP6のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 046 Tone Wheel Organ」と題して、プリセット・プログラム「046 Tone Wheel Organ」のパラメーターを分析しました。
FM音源の強さを感じますね。
サイン波というのは基音であり、強い音なんだということを改めて時間できた実験でした。
DX-7時代のFEEDBACKモジュレーションからWIDTH、WAVE FOLDERがサイン波を元に違った波形を生み出す機能が加わった。
サイン波をモジュレーションする新たな機能にも期待しちゃう。
波形を増やしてもキャラクターが増えるけれどサイン波の強さは揺るがない部分があるんだ。
いろいろと試すほど「サイン波は強い」と感じる。
加算合成も処理スピードが上がった今の時代に出しても面白いかもね。
FM音源をお持ちの方はいろいろ試してほしいです。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 063 Membrane Pluck」と題して、を使用したプリセット・プログラム「063 Membrane Pluck」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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