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KORG opsixのプリセット分析: 200 Feel The Warmth

この記事は約8分で読めます。

みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 200 Feel The Warmth」と題して、プリセット・プログラム「200 Feel The Warmth」のパラメーターを分析します。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。

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音の特徴

暖かみのあるPAD音です。

実験

では、音で確認しましょう。

KAMIN
KAMIN

パラメーターの分析は下に書いています。

詳細はそちらをご覧ください。

実験1: 弾いてみる

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

音データ

実験2: モジュレーション・ホイール、アフター・タッチの効果

バーチャル・パッチの設定で、モジュレーション・ホイールを動かすことによってOP3のMODE: FILTERのCUTOFF、OP1のMODE: FM: FEEDBACKが変化するように設定されています。

また、アフター・タッチでOP1のLEVEL、MODE: FM: WIDTHを変化するように設定されています。

これにより音がどのように変化するのか確認します。

設定方法

バーチャル・パッチに設定したアフター・タッチの効果を確認するために、ピッチ・ホイールに割り当てます。

PROG-PITCHでPITCH BEND UP/DOWNを0にする。

V.PATCH11、V.PATCH12のSOURCEをPITCH WHEEL、CNTROL SOURCEをOFFに変更する。

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

1回目: モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。

2回目: ピッチ・ホイールを最大にしながら、モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。

音データ

KAMIN
KAMIN

モジュレーション・ホイールを動かすとざらざら感が増え、ピッチ・ホイールを動かすと高域の倍音が抑えられた感じがします。

パラメーター分析

INITプログラムからの変化を元に分析しています。

INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。

alg-13

アルゴリズムには13番のアルゴリズムが設定されています。

OP1, OP2のキャリア-モジュレーターの直列接続とOP3をキャリア、OP4~OP6をモジュレーターとしたY字接続の構成です。

OP1-OP2では、MODE: FMを使用して、波形はOP1がSINE 12BIT、OP2がADDITIVE 1+2、RATIO比が1:20.8とピッチが非常に離れた構成です。

初期値ではOP1, OP2のLEVELが0%ですが、レベルを上げるとモジュレーターの調整でアタック時の「ピーンッ」といった高音域の成分が特徴の音がします。

では、OP3~OP6のY字接続です。

キャリアのOP3はMODE: FILTERを使用して、OSC MIXが0%なので、後段のオペレーターからの入力信号にフィルターをかけます。

LPFですので、高音域の成分がカットされます。

OP3~OP6のOP-EGが鍵盤を弾いている間はLEVELが変わらず、RELEASE TIMEが長めの設定です。

OP3のピッチ(RATIO: 1.0000)に同期しますので、鍵盤の位置によって音の質感がほぼ同じため、キー・トラックでの調整が楽になります。

OP3-OP4では、OP4の波形がSAW HD、RATIO比が1:1。

OP3-OP5では、OP5の波形がSQUARE、RATIO比が1:1。

OP3-OP6では、OP6の波形がSAW HD、RATIO比が1:1。

OP4とOP6はパラメーターが同じ値ですが、OP-PITCHのDETUNEで値を±を逆にして音に厚みを出しています。

OP5の波形はFM: WAVE: WIDTHの値を上げることでPWM(矩形波の比率を変える)で波形を変化させています。

これにより重厚な音が作成されています。

キャリアのOP3にはOP-P MODとOP-L MODのVELOCITY SENSで鍵盤を弾く強さによりピッチと音のレベルをコントロールするように設定されています。

FILTERはLPF POLY6が使用され、CUTOFFが設定されています。

カットオフ周波数に対してEG2による時間的変化をベロシティでコントロールするように設定されています。

同じくカットオフ周波数に対して、キー・トラックで基準キーをC4として低いキーになるほどマイナス、高いキーになるほどプラスになるように設定されています。

エフェクターは、CHORUSでうねりを加味し、REVERBで遠いところまで届くようなすっきりした残響を加え、AUTOPAN DLYで深い広がりのあるエコー感を演出しています。

演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP1のFM: FEEDBACK、OP3のFILTER: CUTOFFをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。

また、アフター・タッチでOP1のLEVEL、OP1のFM: WAVE: WIDTHをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。

200 Feel The Warmth alg-13 param1
200 Feel The Warmth alg-13 param2
200 Feel The Warmth alg-13 param etc

MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE

200 Feel The Warmth mode

いろいろな波形が使用されています。

OP2のRATIOが高く設定され、キャリアのOP3にFILTERが使用されていることが特徴です。

OP-EG

200 Feel The Warmth op-eg alg-13-1
200 Feel The Warmth op-eg alg-13-2
200 Feel The Warmth op-eg

キャリアであるOP1はDECAY TIMEが最大の90sが設定されています。

モジュレーターOP2はDECAY TIMEを短くしてSUSTAIN LEVELが0と、アタック音の成分用として設定されています。

OP3~OP6のオペレーターは鍵盤を弾いている時はレベルが最大、RELEASE TIMEが長く設定されています。

OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK

OP-PITCH

200 Feel The Warmth op-pitch

OP4, OP6は、DETUNEでピッチの小さなずれを与えるように設定されています。

OP-P MOD

200 Feel The Warmth op-p-mod

OP3に対してピッチに対して鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)による効果が設定されています。

OP-L MOD

200 Feel The Warmth op-l-mod

OP1~OP3に対して鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)による効果が設定されています。

FILTER

200 Feel The Warmth filter
200 Feel The Warmth filter-mod

FILTERはLPF POLY6が使用され、カットオフ周波数に対してEG2の時間的変化をベロシティでコントロールするように設定されています。

MOD(EG、LFO)

EG

200 Feel The Warmth eg

EG1はDECAY/RELEASE TIMEが少し短め、CURVEも急峻に減衰するように10が設定されています。

EG2はFILTERのカットオフ周波数に対して時間的変化をベロシティでコントロールするように設定されています。

LFO

200 Feel The Warmth lfo

LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが1.40Hzに設定されています。

LFO2, 3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。

EFFECT

200 Feel The Warmth fx

FX1はCHORUS、FX2はREVERB、FX3はAUTOPAN DLYが設定されています。

VIRTUAL PATCH

200 Feel The Warmth v-patch

バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。

  1. V.PATCH1は、OP3のFILTER: CUTOFFをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
  2. V.PATCH3は、OP1のFM: FEEDBACKをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
  3. V.PATCH11は、OP1のFM: WAVE: WIDTHをアフター・タッチでコントロールするように設定されています。
  4. V.PATCH12は、OP1のLEVELをアフター・タッチでコントロールするように設定されています。

MISC

200 Feel The Warmth prog-pitch

OCTAVEが-1oct(1オクターブ下)に設定されています。

VOICE

INITプログラムから変更はありませんでした。

まとめ

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 200 Feel The Warmth」と題して、プリセット・プログラム「200 Feel The Warmth」のパラメーターを分析しました。

結構仕上がっている音ですよね。

このまま使うとバレてしまいそう(笑)

エディットするならオペレーターのMODEのパラメーターから初めてみるか、ガラッとアルゴリズムを変えてしまうとか...

アルゴリズムを変えるとオペレーターの役割が変わるので音がガラッと変わりますが、データ分析していると、「ここが変わったから音が変化したんだ」とわかります。

分析した後であれば結構有効な手段ですよ。

皆さんも音作りにチャレンジしてみてください。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

次回は「KORG opsixのプリセット分析: 262 Hard Synkronicity」と題して、プリセット・プログラム「262 Hard Synkronicity」のパラメーターを分析します。

では。

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このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。

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