みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 045 DrawSlider Organ」と題して、プリセット・プログラム「045 DrawSlider Organ」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
典型的なオルガンの音です。
オペレーターごとにピッチを割り当ててオルガンのスライダーのようにLEVELスライダーを操作することで音の変化が味わえます。
そして、エフェクトにロータリースピーカーを使用していて、モジュレーション・ホイールが回転スピードのスイッチになっています。
FILTERの機能については以下のページから3ページにかけて説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
V.PATCH1でモジュレーション・ホイールを動かすことによってFX2: ROTARY SPEAKERのSPEED SW.のON/OFFを変化するように設定されています。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
測定方法
アルペジエーターのパラメーターをPATTERN: ALT1、OCT: 2に設定する。
アルペジエーターをLATCH ONにする。
適当なコードを弾きます(D5, G4, C6, F6)。
モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。
音データ
バーチャル・パッチでエフェクターのROTARY SPEAKERのSPEED SW.のON/OFFですが、演奏時にリアルタイムに操作することでオルガンらしい弾き方ができるようにしています。
実験2: OP4~OP6、モジュレーション・ホイールを動かす
LEVELが0%のOP4~OP6を順にLEVELスライダーで100%に上げます。
最後にモジュレーション・ホイールを動かして、FX2: ROTARY SPEAKERのSPEED SW.のONにします。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
1フレーズ目はそのまま。
2フレーズ目はOP4のLEVELをLEVELスライダーで0%→100%に上げる。
3フレーズ目はOP5のLEVELをLEVELスライダーで0%→100%に上げる。
4フレーズ目はOP6のLEVELをLEVELスライダーで0%→100%に上げる。
5フレーズ目はモジュレーション・ホイールを0→最大にして、FX2: ROTARY SPEAKERのSPEED SW.のONにします。
音データ
オルガンっぽく聞こえるかな(笑)
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには32番のアルゴリズムが設定されています。
単独のキャリアが6つの構成です。
アルゴリズム32を使って単独のキャリアを6つにした構成を使ってオルガンのドローバーのようにLEVELスライダーを動かして音をリアルタイムに変化させることができるオルガンのプログラムです。
各オペレーターの波形はSINE 12BIT、キー・トラックで基準キーをC2として高いキーになるほどマイナスに設定されています。
各オペレーターの違いはRATIOの設定。
LEVELを変化させることでオルガンのドローバーを動かしたように音が変わる仕組みです。
FILTERはLPF12を使っていますが、CUTOFFが最大。
キー・トラックで基準キーをC4として低いキーになるほどマイナスになるように設定されています。
エフェクターはCHORUSはLEVELが0。お好みでLEVELを上げられるように設定されています。
このプログラムはROTARY SPEAKERが肝です。
SPRING REVERBはうっすらかかっています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでFX2であるROTARY SPEAKERのSPEED SWITCHが変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
初期設定では、OP3~OP6のLEVELが0%です。
各オペレーターには違ったRATIOの値が設定されており、演奏時にオルガンのドローバーのように各オペレーターのLEVELスライダーを調整してリアルタイムに音を作っていくように設定されています。
OP-EG
すべてのオペレーターでSUSTAIN LEVELが100で、鍵盤を押している時はレベルが変わらないように設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACK
すべてのオペレーターで基準キーをC2として高いキーになるほどレベルが下がるように設定されています。
FILTER
FILTERはLPF12が使用されています。
カットオフ周波数が基準キーC4に対して低いキーになるにつれてマイナス、高いキーになるほどプラスになるように設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG
EG1はDECAY/RELEASE TIMEがINITプログラムより少し短く設定されています。
EGはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
LFO
LFO1は、WAVEにTRIANGLEが使用され、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hz、に設定されています。
LFO2は、WAVEにTRIANGLEが使用され、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hz、に設定されています。
LFOはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
EFFECT
FX1はCHORUS、FX2はROTARY SPEAKER、FX3はSPRING REVERBが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、FX2のROTARY SPEAKERのSPEED SWITCHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 045 DrawSlider Organ」と題して、プリセット・プログラム「045 DrawSlider Organ」のパラメーターを分析しました。
スライダーによる変化やROTARY SPEAKERによる変化をオルガンの演奏時のコントロールをシミュレーションして使えるようにパラメーター設定されています。
ここからMODE: FM: WIDTH、FEEDBACKなどのパラメーターを調整して、自分なりの音の質感を求めていくと面白いのではないかと思います。
皆さんも是非チャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 046 Tone Wheel Organ」と題して、プリセット・プログラム「046 Tone Wheel Organ」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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