みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixの機能: MISC: USER ALGページ」と題して、機能の説明をします。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
MISC: USER ALGページ
USER ALG ページでは、ユーザー・アルゴリズムの作成パラメーター群で構成されています。
以下の画面でYESボタンをクリックして次の画面に移動します。
他のページに移動することでエディット終了となります。
MISC: USER ALG: FM MATRIXページ
USER ALG ページで[YES]ボタンをクリックすると、FM MATRIXページが表示されます。
FM MATRIXページでは、キャリアとモジュレーターの関係をマトリックス上で示しています。
画面表示左側には6つのオペレーターをあらわすマトリクスが表示されています。
左側からOP1→OP6、上からOP1→OP6となっており、最下段がオペレーターの音声信号の出力の有無を↓で表示しています。
各ノブに割り当てられた表示が「xからyへ送るモジュレーションの信号レベル」となっており、ノブでレベルを設定します。
縦の列で考えると、「そのオペレーターがどのオペレーターにどのくらいの割合で変調するか」を設定します。
横の列で考えると「そのオペレーターがどのオペレーターからどのくらいの割合で変調をかけられるか」を設定することになります。
割合は0~100%で設定できます。
100%だとアルゴリズムと同じレベルになります。
モジュレーションのレベルを調整できるところが今までのアルゴリズムと違うところです。
これは1つのオペレーターが複数のオペレーターのモジュレーターにすることができるので、その割合が調整できるということですね。
信号レベルの大きさの目安は左側のドットで表示されます。
ノブで設定した値はしばらくすると表示されなくなるので、目安としてドット表示されています。
パラメーターの値が見たいときは、SHIFTボタンを押せば値が表示されますよ。
オペレーターが同じ番号のところは[SELF]と表示され、自己フィードバックのレベルとなります。
この設定はMODE:FM以外のモードでも使用することが可能です。
opsix nativeの画面
MISC: USER ALG: DIRECT OUTページ
以下のDIRECT OUT画面では、キャリアとして音声信号を出力するかを選択します。
例: MISC: USER ALGページ
以下の画面は、OP1とOP2を使ってアルゴリズムが作られています。
- OP1は最下段に↓が付いているため、OP1が音声信号を出力するキャリアとして機能しています。
- OP2はOP1に対して100%の割合で変調するモジュレーターとして接続されています。
ここでいう「割合」はオペレーターのレベルに対して何%の割合で変調するといった意味です。
- OP2は最下段に↓が付いていないため、音声信号を出力するキャリアの役割はありません。
OP2をDIRECT OUTをONにすれば、自ら音声信号を出力してキャリアとしての役割もします。
実験: MISC: USER ALG(348 User Filter Ping)
では、テンプレートのカテゴリにあるプリセット・プログラム、「348 User Filter Ping」を使って実験します。
実験のため、OP3のRATIOを0.5000、レベルを70%に変更しています。
基本設定
opsix nativeの画面を見ながら説明します。
- アルゴリズムとしては、OP1のモジュレーターが、OP2~OP6のキャリアに対して100%の割合で変調する設定です。
- 初期設定でOP1、OP2のレベルが100%で、その他のオペレーターのレベルは0%。
- 実験のため、OP3のレベルを0→70%にしました。
OP3はキャリアとしても機能しているため、音声信号が出力されます。
このOP3のRATIOを1.0000→0.5000に変更しています。 - OP3をユーザー・アルゴリズム側でOP1、OP2、OP3への変調の割合を変化させて、音を確認します。
実験1: MISC: USER ALG: キャリアOP3からモジュレーターOP1への接続
では、ユーザー・アルゴリズム側のOP3の変調の割合を変化させて、音を確認します。
今回はキャリアOP3からモジュレーターOP1への変調の割合を変化させます。
設定値
測定方法
- プリセット・プログラム「348 User Filter Ping」を選択
- OP3のレベルを0→70%に変更
- OP3のRATIOを1.0000→0.5000に変更
- A3=220Hzを弾きながら、ユーザー・アルゴリズムのOP3→OP1へ送る信号のレベル(変調の割合)を0→100→0%に変化させる
音データ
実験2: MISC: USER ALG: キャリアOP3からキャリアOP2への接続
キャリアOP3からキャリアOP2へ送る信号のレベル(変調の割合)を変化させます。
キャリアであるOP3がキャリアであるOP2に変調をかけます。
OP3は音声信号も出力しながら、OP2に変調する、アルゴリズムの組み合わせにない組み合わせです。
合唱会で歌いながら隣の人にちょっかい出している感じですね(笑)
設定値
測定方法
- プリセット・プログラム「348 User Filter Ping」を選択
- OP3のレベルを0→70%に変更
- OP3のRATIOを1.0000→0.5000に変更
- A3=220Hzを弾きながら、ユーザー・アルゴリズムのOP3→OP2へ送る信号のレベル(変調の割合)を0→100→0%に変化させる
音データ
実験3: MISC: USER ALG: キャリアOP3のフィードバック
今度はセルフ・フィードバックです。
設定値
測定方法
- プリセット・プログラム「348 User Filter Ping」を選択
- OP3のレベルを0→70%に変更
- OP3のRATIOを1.0000→0.5000に変更
- A3=220Hzを弾きながら、ユーザー・アルゴリズムのOP3→OP3へ送る信号のレベル(自己フィードバックの割合)を0→100→0%に変化させる
音データ
まとめ
今回は「KORG opsix: MISC: USER ALGページ」と題して、機能説明と実験をしました。
うーん、深すぎる(笑)
まだ、分析中です。
ユーザー・アルゴリズムでモジュレーターへの変化の割合を設定出来たり、キャリアがモジュレーターに変調をかけたりすることができます。
これは今までのアルゴリズムではできなかった機能です。
人に説明することで、覚えてしまったりしますね。
今回の記事を書いてよかった(笑)
あとわかったこと。
ユーザー・アルゴリズムのパラメーターはバーチャル・パッチで操作できない。
できると変化量を変えたり、DIRECT OUTのON/OFFができて面白いんだけど...
TYPEのような選択するパラメーターじゃないからできるようになってほしいな。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MISC: OP UTIL ページ」と題して、機能の説明をします。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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