※このページではアフィリエイト広告を利用しています。

KORG opsixのプリセット分析: 230 Ven aqui ya

この記事は約8分で読めます。

みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 230 Ven aqui ya」と題して、プリセット・プログラム「230 Ven aqui ya」のパラメーターを分析します。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。

サウンドハウスからのKORG opsix mk IIのご購入はこちらから!

音の特徴

アフリカの木を叩く打楽器のような音です。

同じプログラムの中でキーの高さでいろんな楽器の音が聴こえてくる、不思議なプログラムです。

実験

では、音で確認しましょう。

KAMIN
KAMIN

パラメーターの分析は下に書いています。

詳細はそちらをご覧ください。

実験1: 弾いてみる

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

音データ

KAMIN
KAMIN

生々しいね、木を叩く音。

サイン波から作っているんだから凄いよ。

実験2: バーチャル・パッチの効果を確認する

バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールとアフター・タッチにより音が変化するように設定されています。

どのように変化するのか確認します。

設定方法

バーチャル・パッチに設定したアフター・タッチの効果を確認するために、ピッチ・ホイールに割り当てます。

PROG-PITCHでPITCH BEND UP/DOWNを0にする。

V.PATCH3のSOURCEをPITCH WHEELに変更する。

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

前半モジュレーション・ホイールを操作し、後半ピッチ・ホイールを操作してアフター・タッチの効果を確認します。

音データ

KAMIN
KAMIN

どちらもブーミーになっていきますが場所が違いますね。

実験3: プログラムをエディットする

シーケンサーの音に合うようなものを自分なりにエディットしてみました。

設定方法

プログラムからの変更点は以下の通りです。

OP3のWAVEをADDITIVE 12345、FEEDBACKを40%、RATIOを0.125、LEVELは100%(叩いているごつごつ感を加えてみた)

OP6のWAVEをSINE 12BIT、FEEDBACKを80%、LEVELを26に変更(3拍目の音に雑味を入れました)

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

音データ

KAMIN
KAMIN

分析してどこのパラメーターがどの効果を作っているのかがわかると2つのパラメーターでこのぐらい違った音になります。

パラメーター分析

INITプログラムからの変化を元に分析しています。

INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。

alg-31

アルゴリズムには31番のアルゴリズムが設定されています。

OP5, OP6がキャリアとモジュレーターの直列接続になっていて、OP1~OP4はキャリアの構成です。

OP3, OP5, OP6はレベルが0なので、実際はOP1, OP2, OP4の音のみが鳴っています。

OP1では、MODE: RING MOD.を使用して波形がSINE、RATIOが0.0078。

後段のオペレーターがないのでリング・モジュレーターの機能は効果がありません。

RING MOD.: LEVELが50%なので、50%のオシレーターのレベルが出力されます。

波形がSINE低音域の成分のみのため聴感上ほとんど感じられません。

OP2では、MODE: FMが使用され、波形がSINE、RATIOが1.0000です。

キー・トラックで基準キーをC4として高いキーになるほどレベルがマイナスとなるように設定されています。

OP-EGによりアタック音のみの音となっています。

OP4では、MODE: FMが使用され、波形はSINE、RATIOが0.1250と低い設定となっています。

OP-EGで持続音となっています。

FILTERはLPF12が設定されていますが、INITプログラムのままで効果はありません。

エフェクターは、DELAY(BPM)で深めにエコーをかけ、COMPRESSORではモジュレーション・ホイールを動かすことでアタックと音圧が上がるように設定され、DISTORTIONでサイン波の音に歪みをかけて、空洞の木を叩いたような効果を出しています。

演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでCOMPRESSORのDRY:WET MIX、DISTORTIONのDRIVEをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。

また、アフター・タッチでOP4のMODE: FMのFEEDBACKをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。

230 Ven aqui ya alg-31 param
230 Ven aqui ya alg-31 param etc

MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE

230 Ven aqui ya mode

OP1にMODE: RING MOD.が設定されていますが、モジュレーターがないのでリング・モジュレーターは機能していません。

そして、RING DEPTHが50%ですから、オシレーターの信号が50%となっています。

ということで、RATIOの違ったサイン波3つの組み合わせの音です。

そして、OP1のRATIOが0.0078はRATIO 1.0000の7オクターブ下で、OP1だけで聴いてみると音程より音圧が感じられるレベルです。

OP3もレベルは0%ですが、RATIOが0.0312はRATIO 1.0000の5オクターブ下。

サイン波ですし、知らぬうちに耳にこたえる音なので、気を付けてください。

よって、普通に弾くと、OP2のRATIO 1.0000とOP4のRATIO 0.1250の音が聴感上で感じられます。

OP-EG

OP LEVELが0でないオペレーターのうち、OP4がキャリアでSUSTAIN LEVELが60となっており、柱となっている音です。

OP1, OP2は減衰が速く、アタック音として機能しています。

OP1は音圧を感じるような音で、弾いた時の「こつんっ」とした音はOP2の音です。

OP5, OP6はレベルを上げることでFMのゴリゴリしたアタック音を加えることができます。

230 Ven aqui ya op-eg native alg-31-1
230 Ven aqui ya op-eg native alg-31-2
230 Ven aqui ya op-eg alg-31-1
230 Ven aqui ya op-eg alg-31-2
230 Ven aqui ya op-eg

OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK

OP-KEY TRACK

230 Ven aqui ya op-key-track

高音域を弾いた時にOP2, OP6のレベルが下がるようにマイナスの値が設定されています。

FILTER

230 Ven aqui ya filter

FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。

FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。

MOD(EG、LFO)

INITプログラムから変更はありませんでした。

EFFECT

230 Ven aqui ya fx

FX1にDELAY(BPM)が設定されています。

FX2にCOMPRESSORが設定されていますが、パラメーターのDRY:WET MIXは0ですが、バーチャルパッチでモジュレーション・ホイールを動かすことで値が変化するように設定されています。

FX3にDISTORTIONが設定されています。

このDISTORTIONで音が作成されています。

FX3のDISTORTIONをOFFにするとサイン波の集まりの音がするだけです。

順番がDELAY(BPM)⇒COMPRESSOR⇒DISTORTIONなので、ディレイ音を含めてコンプレッサーをかけて、その音にディストーションをかける、といった順番です。

VIRTUAL PATCH

230 Ven aqui ya v-patch

バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。

  1. V.PATCH1, 2は、COMPRESSORのDRY:WET MIX、DISTORTIONのDRIVEをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
    ※FX2のCOMPRESSORのパラメーター1は、Dry:Wet MIX、FX3のDISTORTIONのパラメーター1は、DRIVEです。
  2. V.PATCH3は、OP4のMODE: FMのFEEDBACKの値をアフタータッチで変化するように設定されています。

MISC

PROG PITCHでOCTAVEが-1octと、1オクターブ下の音にしています。

230 Ven aqui ya prog-pitch

VOICE

INITプログラムから変更はありませんでした。

まとめ

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 230 Ven aqui ya」と題して、プリセット・プログラム「230 Ven aqui ya」のパラメーターを分析しました。

このプログラムはサイン波をエフェクターのDISTORTIONで打楽器っぽい音にしている。

木を叩いた音はエグイです。

エコーは深めなので...夜かな(笑)

皆さんも音作りにチャレンジしてみてください。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

次回は「KORG opsixのプリセット分析: 199 Simple PWM」と題して、プリセット・プログラム「199 Simple PWM」のパラメーターを分析します。

では。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザーopsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。

サウンドハウスからのKORG opsix mk IIのご購入はこちらから! イケベ楽器店からのKORG opsix mk IIのご購入はこちら!

コメント

タイトルとURLをコピーしました