みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 242 Xover Bright Lead」と題して、プリセット・プログラム「242 Xover Bright Lead」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
波形にSAWを使用したLEADらしく倍音成分がたっぷり、エコーもたっぷりです。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
G#3を境に低いキーをOP6、高いキーをOP1が鳴るようにOP-KEY TRACKで設定しています。
低音側のキーの音をゴリゴリさせるためにMODE: WAVE FOLDERを使ったのかな?
実験2: モジュレーション・ホイールとピッチ・ホイールを動かす
バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールを動かすことによってLFOにより変化するように設定されています。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
測定方法
コードを弾きます(G4, C5, F5)。
モジュレーション・ホイールとピッチ・ホイールを操作します。
音データ
手動で両方のホイールを操作しましたが、なかなか難しいね。
実験3: FILTERを操作してみる
FILTERにLPF MS-20が設定されているのにCUTOFFは最大値で効果がなし。
なので、アルペジエーターを動かしながらCUTOFFをノブを手動で操作してみます。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
設定方法
FILTERのRESONANCEを50.00に設定
測定方法
アルペジエーターをLATCH ONにする(パラメーターは初期設定値を使用)。
コードを弾きます(D4, G4, C5, F5)。
FILTER: CUTOFFを21.10kHz→100Hzあたり→21.10kHzとノブを手動で操作します。
音データ
LPF MS-20のFILTERは面白い。
適度に荒れてくれるから効果が出やすいようです。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには30番のアルゴリズムが設定されています。
OP1, OP2, OP6の3つのオペレーターがキャリアのみ。
OP3~OP5がキャリアーモジュレーターの直列接続といった構成です。
OP1では、MODE: WAVE FOLDERを使用して、波形はSAW、RATIOが1.0000。
倍音の多いSAWを使うことでシンセサイザーの音なのですが、WAVE FOLDERで波形を変化させることで「みょ~」と、アクが強いように感じられます。
キー・トラックで基準キーをG#3として低いキーに対してSLOPE: -100%、CURVE: LINとすることでG#3より低いキーでは音が出ないように設定されています。
OP1のPITCHの値をLFO1で変化するようにバーチャル・パッチで設定され、モジュレーション・ホイールを動かすことで変化量が変わるように設定されています。
OP1のPITCHをピッチ・ホイールで変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP1のPITCHをLFO1で変化するようにバーチャル・パッチで設定され、アフター・タッチにより変化量が変わるように設定されています。
OP1のATTACK TIMEを鍵盤を弾く強弱(VELOCITY)で変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP2では、MODE: FMが使用され、波形はSINE、RATIOが2.0000。
LEVELが0%なので、音が出力されていません。
OP3-OP4-OP5では、MODE: FMが使用され、波形はSINE、RATIO比が2:7:21と離れたピッチで構成されています。
LEVELが0%なので、音が出力されていません。
OP3, OP4ではOP-L MODでベロシティによるレベルのコントロールが設定されています。
OP6ではMODE: WAVE FOLDERが使用され、波形はSAW、RATIOが1.0000。
MODE:WAVE FOLDERの設定はOP1と同じです。
キー・トラックで基準キーをG#3として高いキーに対してSLOPE: -100%、CURVE: EXPとすることでG#3より高いキーでは音が出ないように設定されています。
これはOP1とCURVEの設定の違いはありますがキー・トラックとして逆の設定です。
FILTERはLPF MS-20が使用され、カットオフ周波数に対してLFO2の周期的変化を与えるように設定されています。
エフェクターは、CHORUSで深め揺れで厚みを加え、TAPE ECHO(BPM)で長いTIMEでエコーを加え、REVERBでTYPEにHALLを使用して臨場感のある残響を演出しています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでLFO1のSPEEDをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
また、アフター・タッチでLFO1のSPEEDをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP6のATTACK TIMEを鍵盤を弾く強弱(EXP. VELOCITY)で変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-L MOD
OP3,OP4でベロシティの効果が設定されています。
OPのレベルを上げるとモジュレーターの加減でベルのような音が加わります。
OP-KEY TRACK
OP1とOP6でG#3を境に低い音域をOP6、高い音域をOP1が鳴るように設定されています。
G#3だけOP1とOP6の音が一緒になって他の音より少し強くなります。
気になる方はどちらかをG3やA3に変更すれば良いと思います。
OP6のHIGH CURVEでEXPが設定されていますが、HIGH SLOPEが-100%なのでHIGH CURVEがLINでも効果が変わりませんでした。
OP3の設定はLOW SLOPEが-1%なので、効果が感じられませんでした。
FILTER
FILTERはLPF MS-20を使用しています。
CUTOFF周波数が21.10kHzと最大値となっています。
LFO2 INTを9.50とプラス側に設定しています。
これによりCUTOFF周波数を変化させますが、CUTOFFの値は最大値なので聴感上の効果は感じられませんでした。
MOD(EG、LFO)
EG
EGを設定したパラメーターはありませんでした。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが11.50Hzに設定されています。
LFO1はバーチャル・パッチでPITCHの値を周期的変化するように設定されています。
その効果をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化量が変わる設定です。
LFO1のバーチャル・パッチでPITCHの値を周期的変化するように設定されています。
その効果をアフター・タッチにより変化量が変わる設定です。
LFO1のSPEEDはバーチャル・パッチによりモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
LFO1のSPEEDはバーチャル・パッチによりアフター・タッチで値を変化するように設定されています。
LFO2は、WAVEがGUITAR、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがON、TEMPO SPEEDが1/1、FADE(フェード・イン)を0.646sに設定されています。
LFO2はFILTERのカットオフ周波数に対して周期的変化をするように設定されています。
EFFECT
FX1にCHORUS、FX2にTAPE ECHO(BPM)、FX3にReverbを設定しています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、LFO1のSPEEDパラメーターをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP6のATTACK TIMEを鍵盤を弾く強弱(EXP. VELOCITY)で変化するように設定されています。
G#3より下の鍵盤で弾くとOP6の音が鳴るようにOP-KEY TRACKで設定されています。
強く弾くとATTACK TIMEが伸びる設定です。
EXP. VELOCITYは通常のVELOCITYと比較してより強く弾かないと効果があらわれません。
効果を確認しましたが、あまり効果はありませんでした。 - V.PATCH3は、OP1のPITCHの値をLFO1で変化するように設定されています。
その効果をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化量が変わる設定です。 - V.PATCH4は、OP1のPITCHの値をピッチ・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、OP1のPITCHの値をLFO1で変化するように設定されています。
その効果をアフター・タッチにより変化量が変わる設定です。 - V.PATCH6は、OP1のATTACK TIMEを鍵盤を弾く強弱(VELOCITY)で変化するように設定されています。
G#3より上の鍵盤で弾くとOP1の音が鳴るようにOP-KEY TRACKで設定されています。
強く弾くとATTACK TIMEが伸びる設定です。
効果を確認しましたが、あまり効果はありませんでした。 - V.PATCH7は、LFO1のSPEEDパラメーターをアフター・タッチで値を変化するように設定されています。
MISC
ピッチ・ホイールをバーチャル・パッチで割り当てた設定を制御するためのコントローラーとして利用するため、ピッチ・ベンドの値を0にしています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 242 Xover Bright Lead」と題して、プリセット・プログラム「242 Xover Bright Lead」のパラメーターを分析しました。
たまに設定はされているが聴感上の効果が感じられないパラメーターもあります。
これはよくある話で、プログラマーの試行錯誤の結果だと思っています。
このプログラムは2つのキャリアで作られています。
キーG#3を境に低いキーをOP6、高いキーをOP1が鳴るようにOP-KEY TRACKで設定しています。
だから実質鳴っているのはオペレーター1つ。
十分に楽しめる音です。
皆さんもチャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 230 Ven aqui ya」と題して、プリセット・プログラム「230 Ven aqui ya」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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