みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 262 Hard Synkronicity」と題して、プリセット・プログラム「262 Hard Synkronicity」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
ガリガリのゲーム音です。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
モーション・シーケンスのデータでオペレーターのLEVELパラメーターを操作しています。
実験2: バーチャル・パッチを操作する
バーチャル・パッチのSOURCEをすべてNOTE NUMBERにしてみます。
また、バーチャル・パッチでMOD CTRL SRCが設定されているパラメーターはOFFにします。
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
PITCHの変化が派手になったかな?
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには06番のアルゴリズムが設定されています。
3つのキャリア-モジュレーターの直列接続といった構成です。
3組の直列接続のパラメーターは似通っています。
少しずらしたり、EGで時間的変化を作ることで、音にアタック感や揺れ、厚みを持たせています。
OP1-OP2では、キャリアのOP1がMODE: FMで、波形はOP1がSQUARE HD、OP2がSAW HD、RATIO比が1:0.25。
OP2のFM: FEEDBACKを調整して雑味を加えています。
OP3-OP4では、キャリアのOP3がMODE: FMで、波形はOP1がSQUARE HD、OP2がSAW HD、RATIO比が0.25:1。
OP-EGでアタックのみの音の成分を作っています。
OP5-OP6では、キャリアのOP1がMODE: FMで、波形はOP1がSQUARE HD、OP2がSAW HD、RATIO比が1:0.25。
OP-EGでは、持続音でレベルが変わらない設定になっています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP2のDECAY TIME、OP3のFM: WAVE: WIDTHをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
また、アフター・タッチでOP1のPITCHをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています
FILTERのCUTOFFを鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)でコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
各オペレーターでは、ベロシティによるレベルのコントロール、LFO1の周期的変化をするように設定されています。
また、OP1, OP4, OP6はキー・トラックで基準キーをC4として高いキーになるほどマイナスになるように設定されています。
FILTERはLPF12を使用して、CUTOFFが設定されています。
カットオフ周波数に対して、EG2による時間的変化をベロシティによるコントロールが設定されています。
同じくカットオフ周波数に対して、キー・トラックで基準キーをC4として低いキーになるほどマイナス、高いキーになるほどプラスになるように設定されています。
エフェクターは、UNISON ENSEMBLEでVOICESを3に設定して音の厚みを増し、AUTOPAN DELAY(BPM)でTEMPOに同期した左右へ定位を移動するエコー感を加えています。
OP1のPITCHをLFO2による周期的変化をするようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP2のPITCHをLFO2による周期的変化をするようにバーチャル・パッチで設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
各勅れる接続ごとに調整されています。
OP1-OP2では、DECAY TIMEを長めにしてSUSTAIN LEVELで保持、モジュレーターOP2の減衰が速いので持続するレベルに到達する前に音の変化をするように設定されています。
OP3-OP4では、SUSTAIN LEVELが0なので、アタック時の音の成分を担っています。
OP5-OP6では、鍵盤を弾いている間はレベルが変わらない持続音となっています。
OP1~OP3ではCURVEが10で、急峻に減衰されるように設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-L MOD
各オペレーターは鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)によりレベルをコントロールするように設定されています。
また、OP4, OP5, OP6はLFO1により周期的変化をするように設定されています。
OP-KEY TRACK
OP1, OP4, OP6はキー・トラックで基準キーをC4として高いキーになるほどマイナスになるように設定されています。
FILTER
FILTERはLPF12を使用して、CUTOFFが調整されています。
カットオフ周波数に対してEG2による時間的変化をベロシティによりコントロールするように設定されています。
同じくカットオフ周波数に対して、キー・トラックで基準キーをC4として低いキーになるほどマイナス、高いキーになるほどプラスになるように設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG
EG2はDECAY TIMEを少し短めにしてSUSTAIN LEVELを上げて持続音時にレベルが保たれ、CURVEを10にして減衰カーブを急峻に減衰するように設定されています。
EG2はFILTERのカットオフ周波数に対して時間的変化をベロシティによりコントロールするように設定されています。
LFO
LFO1はWAVEがSAW DOWN、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがON(システム・テンポに同期)、TEMPO SPEEDは1/16Tに設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.35Hzに設定されています。
LFO2はバーチャル・パッチでOP1, OP2のPITCHを周期的変化をするように設定されています。
EFFECT
FX1はUNISON ENSEMBLE、FX2はAUTOPAN DLY(BPM)、FX3はOFFが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP2のDECAY TIMEをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、FILTERのCUTOFFを鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)でコントロールするように設定されています。
- V.PATCH3は、OP3のFM: WAVE: WIDTHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、OP1のPITCHをLFO2による周期的変化をするように設定されています。
- V.PATCH5は、OP2のPITCHをLFO2による周期的変化をするように設定されています。
- V.PATCH6は、OP1のPITCHをアフター・タッチで変化するように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 262 Hard Synkronicity」と題して、プリセット・プログラム「262 Hard Synkronicity」のパラメーターを分析しました。
実験で試したようにNOTE NUMBERをSOURSEとして変化させるパラメーターをコントロールすることができます。
これでDECAY/RELEASE TIMEに設定してあげればDX-7にあったキーボード・レイト・スケーリングもできますね。
ちょっとマニアックかな(笑)
皆さんも音作りにチャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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