みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 293 Quadratic Chord Pulse」と題して、プリセット・プログラム「293 Quadratic Chord Pulse」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
夢の中で目覚ましチャイムを鳴らしたような音を演出されています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
アルペジエーターが設定されていて、ピッチもLFOにより周期的変化をするように設定されているのがわかります。
実験2: MODE: WAVE FOLDERをエディットしてみる
MODE: WAVE FOLDERのGAIN, BIASパラメーターを操作して音を変化させてみます。
設定方法
OP1, OP2のMODE: WAVE FOLDERのGAINを+3に設定
MODE: WAVE FOLDERのBIASをOP1は+30、OP2は-30、OP4は+100、OP5は-100に設定
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
このぐらいの音でないと起きられないや(笑)
MODE: WAVE FOLDERは音の力強さを残しながら変化を与えるのに便利な機能です。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには21番のアルゴリズムが設定されています。
OP1~OP3、OP4~OP6の2つの逆Y字接続といった構成です。
OP1~OP3では、2つのキャリアOP1, OP2に対して、モジュレーターOP3が両方のキャリアに接続されています。
OP1, OP2ではMODE: WAVE FOLDERを使用され、波形がSINEのオシレーターもWAVE FOLDERへの信号として入力されます。
ただし、WAVE FOLDER: GAINが0%なので、効果はありません。
RATIOがOP1で1.0000, OP2で3.0000とピッチに違いがあります。
OP1, OP2にOP-L MODでLFO1の周期的変化を±が逆でレベルに与えるように設定されています。
OP1, OP2ではキー・トラックで基準キーC2としてキーが高くなるほどレベルがマイナスになるように設定されています。
OP4~OP6では、2つのキャリアOP4, OP5に対して、モジュレーターOP6が両方のキャリアに接続されています。
OP4~OP6でもキャリアであるOP4, OP5にはMODE: WAVE FOLDERが使用され、波形がSINEのオシレーターもWAVE FOLDERへの信号として入力されます。
モジュレーターのOP6には波形にADDITIVE 1+3が使用されています。
RATIOがOP4で2.0000、OP5で4.0000とピッチに違いがあります。
OP4, OP5ではキー・トラックで基準キーC2としてキーが高くなるほどレベルがマイナスになるように設定されています。
OP4, OP5のLEVELをLFO2で変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP3, OP6のEG: RELEASE TIME、OP3, OP6のPITCHをLFO3で変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
PANに対してLFO3で周期的変化するように設定し、その効果をLFO1で周期的変化するように設定されています。
FILTERはHPF12が使用され、CUTOFF、RESONANCEが設定されています。
カットオフ周波数に対してキー・トラックで基準キーをC4として、低いキーになるほどプラス、高いキーになるほどプラスに設定されています。
エフェクターは、DELAY(BPM)でFEEDBACKが長く設定され、SHIMMER REVERBでTYPEにCLEARを設定してすっきりした残響音を加えています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP3, OP6のLEVELをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
OP3, OP6のLEVELをLFO3で変化するように設定し、その効果をモジュレーション・ホイールで変化量を変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
また、アフター・タッチでアルペジエーターのRESOLUTION(発音の間隔)をコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
キャリアにはMODE: WAVE FOLDERが使用されています。
2つのY字接続のパラメーターはキャリアのRATIOとLEVELの違い、WAVE FOLDERのGAINの違いとモジュレーターのWAVEの違いです。
WAVE FOLDERのGAINは10%でも波形が大きく違ってきます。
モジュレーターのOP3, OP6はLEVELが0となっていますが、後述のバーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールで値が上がるように設定されています。
OP-EG
モジュレーターのOP3, OP6のSUSTAIN LEVELが100となっています。
CURVEが10とINITプログラムより減衰カーブが急となっています。
DECAY TIMEとRELEASE TIMEは微調整といったところでしょうか。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-L MOD
OP1, OP2のキャリアに対して、LFO1の効果が設定されていて、値が100%、-100%と逆の値が設定されています。
OP-KEY TRACK
OP1, OP2, OP4, OP5のキャリアに対して、基準キー(CENTER KEY)をC2にして高いキーとなるほどマイナスの効果となるように設定されています。
FILTER
FILTERはHPF12が使用されています。
基準キー(CENTER KEY)をC4としてキーが離れるほどCUTOFF周波数がプラスになる設定がされています。
MOD(EG、LFO)
EG
EGはINITプログラムから変更はありませんでした。
EGを設定したパラメーターはありませんでした。
LFO
LFO1はWAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがON(システム・テンポに同期)、TEMPO SPEEDは1/1に設定されています。
LFO2はWAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがON(システム・テンポに同期)、TEMPO SPEEDは1/1。そしてPHASE(位相)を90deg(90度のところから始まる)に設定されています。
LFO2はOP4, OP5のLEVELを周期的変化するように設定されています。
LFO3はWAVEにSAMPLE&HOLDが使用され、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCはON、TEMPO SPEEDは1/4に設定されています。
LFO3はOP3, OP6のLEVELを周期的変化するように設定されています。
その効果をモジュレーション・ホイールで変化量を変化するように設定されています。
LFO3はOP6のEG: RELEASE TIMEを周期的変化するように設定されています。
LFO3はOP3, OP6のPITCHを周期的変化するように設定されています。
LFO3はPANに対して周期的変化するように設定されています。
その効果をLFO1でコントロールするように設定されています。
LFO3はOP3のEG: RELEASE TIMEを変化するように設定されています。
EFFECT
FX1はOFF、FX2はDELAY(BPM)、FX3はSHIMMER REVERBが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP4のLEVELをLFO2で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP5のLEVELをLFO2で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、OP6のLEVELをLFO3で周期的変化するように設定されています。
その効果をモジュレーション・ホイールで変化量を変化するように設定されています。 - V.PATCH4は、OP6のEG: RELEASE TIMEをLFO3で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、OP6のPITCHをLFO3で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH6は、OP3のPITCHをLFO3で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH7は、OP3のLEVELをLFO3で周期的変化するように設定されています。
その効果をモジュレーション・ホイールで変化量を変化するように設定されています。 - V.PATCH8は、OP3のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH9は、OP6のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH10は、PANに対してLFO3で周期的変化するように設定されています。
その効果をLFO1でコントロールするように設定されています。 - V.PATCH11は、OP3のEG: RELEASE TIMEをLFO3で変化するように設定されています。
- V.PATCH12は、アルペジエーターのRESOLUTION(発音の間隔)をアフター・タッチで変化するように設定されています。
MISC
OCTAVEが-1oct(1オクターブ下)に設定されています。
LOFIがONに設定されています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 293 Quadratic Chord Pulse」と題して、プリセット・プログラム「293 Quadratic Chord Pulse」のパラメーターを分析しました。
プリセット分析するとOP1, OP2にMODE: WAVE FOLDERを使っているのにGAINが0。
効果がないのはもったいないので実験しました。
MODE: WAVE FOLDERは音の力強さを残しながら変化を与えるのに便利な機能です。
皆さんもチャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 228 FLDR Bass」と題して、プリセット・プログラム「228 FLDR Bass」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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