みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 314 Delay Modulator」と題して、MODE: EFFECTにSHORT DELAYを使用したプリセット・プログラム「314 Delay Modulator」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
クイズ番組の「考え中」に流れそうなふわふわ感のある音です。
使用しているオペレーターは1つのみ。
MODE: EFFECT: SHORT DELAYを使って、TIMEパラメーターの値をLFO3で変化するように設定されていて、周期的変化を発生させています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して1周します。
音データ
浮遊感のある音です。
モジュレーション・ホイールの効果
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して適当にモジュレーション・ホイールを動かします。
音データ
LFOの周波数を変えるだけですが、こんな効果がでます。
うまく使ってほしいですね。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムは40が設定されていますが、OP2~OP6はミュートされているため、OP1のみで音作りされています。
OP1はMODE: EFFECTのSHORT DELAYが設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP-EGは鍵盤が押された後、変化がないようにサスティン・レベルが100に設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
INITプログラムから変更はありませんでした。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
EGを設定したパラメーターはありませんでした。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hzに設定されています。
LFO1はPROGRAM PITCHでピッチへの効果が設定され、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.40Hzに設定されています。
LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.25Hzに設定されています。
LFO3はバーチャル・パッチでOP2のMODE: EFFECTのSHORT DELAYのTIMEの値をLFO3で変化するように設定されていますがOP2はMUTEされていますので、効果はありません。
LFO3のSPEEDパラメーターはバーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、すっきり感を醸し出しています。
- FX1に設定されたCHORUSはDRY: WET MIXの値が0で、バーチャル・パッチの設定もないため効果はなしです。
- FX2に設定された3-BAND EQは、LEVELの設定値がすべて0.0dBなので効果はなしです。
- FX3に設定されたSHIMMER REVERBで、TYPEをCLEARに設定して浅くすっきり感を出しています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のMODE: EFFECTのSHORT DELAYのTIMEの値をLFO3で変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、LFO3のSPEEDパラメーターの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、UNISON DETUNEの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、OP1のMODE: EFFECTのSHORT DELAYのTIMEの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
MISC
ピッチ・ホイールの変化量が+/-24semi(2オクターブ)に設定されています。
LFO1 INTを12.00semiに設定して、LFO1のピッチへの効果が設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでAftertouchが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
VOICE
GLIDE MODEがONに設定され、100msで次の音に移行する設定になっています。
UNISON VOICEが2に設定され、UNISON DETUNEが20centsの設定です。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 314 Delay Modulator」と題して、MODE: EFFECTにSHORT DELAYを使用したプリセット・プログラム「314 Delay Modulator」のパラメーターを分析しました。
オペレーター1つでできちゃう(笑)
波形の変化にSHORT DELAYを使うなんて、面白いことをしてくれました。
KORGさんに感謝です。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 266 Purple Dist EG」と題して、MODE: EFFECTにDISTORTIONを使用したプリセット・プログラム「266 Purple Dist EG」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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