みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 324 [TMP] Reso Noise」と題して、MODE: FILTERを使用したプリセット・プログラム「324 [TMP] Reso Noise」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
![サウンドハウスからのKORG opsix mk IIのご購入はこちらから!](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/k/korg_opsixmk2_la.jpg)
音の特徴
雪が積もった夜の道でフード越しに聞こえる風の音のようです。
オペレーターのMODE: FILTERのレゾナンスを使って効果を演出しています。
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
実験
では、音で確認しましょう。
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A4=440Hzを4回、弾く強さを「弱、強、弱、強」と弾きます。
音データ
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
ベロシティで音量の変化がありましたね。
実験2: 弾きながら、モジュレーション・ホイールを操作
A4=440Hzを数回弾きながら、モジュレーション・ホイールを動かします。
音データ
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
モジュレーション・ホイールを最大にするとサイン波のみのフィルターを介した音が出て、戻すとホワイト・ノイズになるのがわかりました。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
INITプログラムから以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム1が選択されていて、オペレーターはOP1とOP2のみ使用して、後のオペレーターはMUTE
- MODE:フィルターによりレゾナンスの効いた音に設定されている
- バーチャルパッチによりモジュレーション・ホイールを動かすとOP2のサイン波のレベルが上がり、OP1のホワイトノイズのレベルが下がるように設定されている
- キャリアであるOP1にベロシティが設定されて弾く強弱によって音量がかわる
- アフタータッチでピッチへのLFO効果を設定
では、各ページでのパラメーター設定を確認します。
アルゴリズム
アルゴリズム1が2つのキャリアで直列接続されているアルゴリズムです。
初期設定値はOP3~OP6のオペレーターはミュートされていて使っていません。
なので2つのオペレーターで音が作られています。
![alg-01](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/01/fm-op-c1-m1-alg-01.png)
OP2はOP LEVELが0%ですが、バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールを操作することでレベルを上げるように設定されています。
![324 reso noise op algo-01](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-op-algo-01.png)
![324 reso noise alg01-param-etc](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-alg01-param-etc.png)
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
キャリアであるOP1はMODE: FILTERが設定されていて、そののWAVEには「NOISE WHITE」(ホワイトノイズ)が選択されています。
モジュレーターであるOP2はMODE: FMが設定されていてます。
OP LEVELが0ですが、バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールを操作することでレベルを上げるように設定されていますので、モジュレーション・ホイールを操作すると、キャリアであるOP1に変調を加えます。
![324 reso noise mode13](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-mode13.png)
![324 reso noise mode46](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-mode46.png)
名前の通り、MODE: FILTERにてレゾナンスを90%に設定して、ノイズにフィルターをかけています。
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![324 reso noise mode](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-mode.png)
OP-EG
キャリアであるOP1のエンベロープ・ジェネレーターでDECAY TIMEが5秒。
ゆっくりと音が小さくなります。
鍵盤から指を離しても1秒間かけて音がなくなります。
モジュレーターであるOP2はSUSTAIN LEVELが100なので、レベル最大で音が出て、鍵盤から指を離すと、2秒間かけて音がなくなります。
CURVEは初期設定値の6ですから標準的な減衰の仕方と考えて良いと思います。
![324 reso noise op-eg-algo-01-2](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-op-eg-algo-01-2.png)
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
OP1がMODE: FILTERなので、モジュレーターOP2はFILTERに入力信号であるサイン波をOP1に送ります。
OP1側ではOP2からの入力信号をFILTERを介して出力します。
MODE: FMではないので、OP2によるFM変調の効果は得られません。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
キャリアであるOP1に音の強弱であるVELOCITYが設定されています。
強弱により音量が変わります。
![324 reso noise l-mod](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-l-mod.png)
キー・トラックはOP1のレベル(音量)が低い鍵盤側で大きくなる設定
![324 reso noise ktrk-n](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-ktrk-n.png)
![324 reso noise key-track](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-ktrk.png)
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
鍵盤の位置による音量の補正だと思います。
FILTER
![324 reso noise filter](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-filter.png)
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
以下の設定がされていますが、LFO1のみアフタータッチの効果で使われています。
![324 reso noise eg](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-eg.png)
![324 reso noise lfo](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-lfo.png)
EFFECT
エフェクトは設定されていません。
VIRTUAL PATCH
![324 reso noise v-patch](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-v-patch.png)
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、モジュレーション・ホイールを上げることで、OP2のサイン波のOP LEVELを上げます。
- V.PATCH2は、モジュレーション・ホイールを上げることで、OP1のオシレーターの入力信号のレベルを下げます。
なので、モジュレーション・ホイールにより、OP1のホワイトノイズとOP2のサイン波の音量バランスを変化させている設定です。
なので、モジュレーション・ホイールを最大にするとサイン波のみのフィルターを介した音が出ます。
MISC
![324 reso noise prog-pitch](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-prog-pitch.png)
アフタータッチで1.5半音の幅でLFO1のピッチへの効果が設定されています。
VOICE
ユニゾンのボイス数が2に設定されています。
![324 reso noise voice](https://kamin-blog.com/wp-content/uploads/2023/03/324-reso-noise-voice.png)
モジュレーション・ホイールを最大にすると、グラスハープのような音が聞こえてきます。
![KAMIN](https://kamin-blog.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
ホワイトノイズでは聴感上ではわからないですね。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 324 [TMP] Reso Noise」と題して、MODE: FILTERを使用したプリセット・プログラム「324 [TMP] Reso Noise」のパラメーターを分析しました。
何も知らずにこのプログラムを弾くと、ホワイトノイズしか聞こえない(笑)
モジュレーション・ホイールを操作すると音の変化が起きてくる。
シンセサイザーを店頭で試奏する場合、モジュレーション・ホイールを操作してみてください。
新たな発見がありますよ。
プリセット音を分析する時はバーチャル・パッチの設定を確認してください。
パラメーターに変化はなくてもバーチャル・パッチの設定で他のパラメーターを使って変化させていることがわかってきますよ。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: FILTER FM」と題して、機能と実験方法について説明します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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