みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析:337 [TMP] Delay Mod」と題して、MODE: EFFECTにSHORT DELAYを使用したプリセット・プログラム「337 [TMP] Delay Mod」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
共鳴音のきれいな金属音です。
MODE: EFFECT: SHORT DELAYの機能でエコーを演出しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A5=880Hzを弾きます。
音データ
FM音源はきれいですね。
エコーはエフェクトではなく、MODE: EFFECTのSHORT DELAYの効果です。
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
A5=880Hzを何度か弾きながらモジュレーション・ホイールを適当に動かして、MODE: EFFECTのSHORT DELAY: TIMEパラメーターを変化させます。
音データ
TIMEパラメーターでこんな感じに変化します。
面白いですね。
TIMEパラメーターの値をコントローラーやLFOなどの他のパラメーターで操作できるのはシンセサイザーならではっ!
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
INITプログラムから主に以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム03が選択されていて、オペレーターはOP1からOP3を使用しています。
- モジュレーターOP2にMODE: EFFECTのSHORT DELAYが設定されています。
- バーチャルパッチによりモジュレーション・ホイールを動かすとOP2のMODE: EFFECTのSHORT DELAY TIMEが変化するように設定されています。
では、各ページでのパラメーター設定を確認します。
アルゴリズム
アルゴリズム03を使用していますが、初期設定値ではOP4~OP6のLEVELが0で使われていません。
テンプレートのプログラムですので、OP1~OP3で作成された音を説明します。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP1~OP3までWAVEはSINEを使用しています。
キャリアのOP1がRATIOが0.5000、モジュレーターのOP2、OP3が1.0000の設定です。
モジュレーターOP2にMODE: EFFECTのSHORT DELAYが設定されています。
OP-EG
ディケイ・タイムを長めに設定されています。
OP3はサスティン・レベルが0でアタックの強調用として作られています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
INITプログラムから変更はありませんでした。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、LPF12のCUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
LFO3がバーチャル・パッチで使用されています。
LFO3のKEY SYNCパラメーターがVOICE、PHASEパラメーターが90degに設定されて鍵盤を弾くたびにLFOの位相が90度にリセットされます。
EFFECT
エフェクトは設定されていますが、レベルが0のため効果がありません。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP3のRATIOをLFO3で変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP2のMODE: EFFECTのSHORT DELAY TIMEをモジュレーション・ホイールを上げることで変化するように設定されています。
MISC
アフタータッチで2半音の幅でLFO1のピッチへの効果が設定されています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析:337 [TMP] Delay Mod」と題して、MODE: EFFECTにSHORT DELAYを使用したプリセット・プログラム「337 [TMP] Delay Mod」のパラメーターを分析しました。
いやぁ、気持ち良い音です。
クリアな音の中にOP3でアタックだけ歪ませている。
FM音源独特の音です。
MODE: EFFECTのSHORT DELAY: TIMEパラメーターを変化させると、モジュレーターとしての波形の変化が複雑になって、独特の音の変化が発生する。
しかもデジタル・ノイズになっていないところが面白い。
購入前に面白い機能だと思っていましたが、やはり面白かった(笑)
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: EFFECT: COMB FILTER」と題して、機能説明と実験をします。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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