こんにちは、「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <14>」と題して、「OSC MOD:VPM」について説明します。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
- 「OSC1」セクションの「OSC MOD:VPM」
- 実験(WAVE:SAW、OSC MOD:VPM、C1:MODULATION DEPTH)
- 実験1(WAVE:SAW、OSC MOD:VPM、C1:MODULATION DEPTH:32、C2:MODULATION HARMONICS:1)
- 実験2(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:1)
- 実験4(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:16)
- 実験5(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:1→32)
- まとめ
「OSC1」セクションの「OSC MOD:VPM」
「VPM」とは、、、「VARIABLE PHASE MODULATION」。
取扱説明書では、
OSC1 の整数倍の倍音に相当するハーモニクス(周波数)で発振するサイン波を使用し、OSC1 の位相を変調することで、金属的な倍音を生み出します。波形にうねりのある音色を得ることができるクロス・モジュレーションに対し、VPM では波形を静止したまま倍音を追加できます。
変調用のサイン波はOSC1に組み込まれているので、OSC2の波形がOSC1 の音色に影響を与えることはありません。
引用「microKORG XL+ 取扱説明書」より
と書かれています。
「位相変調をOSC1単独で行うことができる。」ということで、確認してみましょう。
パラメーターの説明
WAVE:SAW/PULSE/TRIANGLE/SINE、OSC MOD:VPM、C1:MODULATION DEPTH
設定値:[0…127]
[INITPROG]の設定値:0
取扱説明書では、「VPM 効果の深さを設定します。」と書かれています。
WAVE:SAW/PULSE/TRIANGLE/SINE、OSC MOD:VPM、C2:MODULATION HARMONICS
設定値:[1…032]
[INITPROG]の設定値:1
取扱説明書では、「VPM のモジュレーターの周波数を、OSC1 の倍音の倍数(ハーモニクス)として設定します。」と書かれています。
では、実験して確かめましょう。
実験(WAVE:SAW、OSC MOD:VPM、C1:MODULATION DEPTH)
実験1(WAVE:SAW、OSC MOD:VPM、C1:MODULATION DEPTH:32、C2:MODULATION HARMONICS:1)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:OSC MOD」を[VPM]に設定
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を32に設定
- 「OSC1 CTROL2:MODULATION HARMONICS」を1に設定(変更なし)
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
波形を見ると、、、もはやノコギリ波ではないね(笑)
周波数スペクトル
実験2(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:1)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:OSC MOD」を[VPM]に設定
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を64に設定
- 「OSC1 CTROL2:MODULATION HARMONICS」を1に設定(変更なし)
- A=220Hzを弾く
音データ
音を聞くと「ノコギリ波がいっぱい」って感じ。
波形
周波数スペクトル
実験3(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:0→127、C2:MODULATION HARMONICS:1)
OSC1 CTRL1:MODULATION DEPTH:0→127に変化させてみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:OSC MOD」を[VPM]に設定
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を0に設定
- 「OSC1 CTROL2:MODULATION HARMONICS」を1に設定(変更なし)
- A=220Hzを弾く
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を手動で0→127に変化させる。
音データ
実験4(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:16)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:OSC MOD」を[VPM]に設定
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を64に設定
- 「OSC1 CTROL2:MODULATION HARMONICS」を16に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
ノコギリ波から「ビー」っていう音が飛び出してきた感じ。
波形
周波数スペクトル
実験5(WAVE:SAW、OSC MOD:VPMでのC1:MODULATION DEPTH:64、C2:MODULATION HARMONICS:1→32)
OSC1 CTRL1:MODULATION DEPTH:0→127に変化させてみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:OSC MOD」を[VPM]に設定
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION DEPTH」を64に設定
- 「OSC1 CTROL2:MODULATION HARMONICS」を1に設定
- A=220Hzを弾く
- 「OSC1 CTROL1:MODULATION HARMONICS」を手動で1→32に変化させる。
音データ
まとめ
今回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <14>」と題して、「OSC MOD:VPM」について説明しました。
ノコギリ波が...なくなっちゃう(笑)
パラメーターの値を1つ変えるだけで音が劇的に変化します。
今回ノコギリ波だけで実験しましたが、「OSC1:WAVE」で波形を変えるとまた違った音になります。
波形のイメージにこだわらず、いじって自分の好きな音を探してみる方がよさそうです(笑)
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <15>」と題して、「PUNCH LEVEL」について説明します。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
コメント