こんにちは、「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は、「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(3)DRIVE/WAVE SHAPE」について説明します。
Sound Editorでは、「AMP」セクションにありますが、独立したセクションだと思ってください。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
- DRIVE/WAVE SHAPE
- WAVE SHAPE TYPE
- 実験:WAVE SHAPE TYPE
- WAVE SHAPE TYPE:DRIVE
- WAVE SHAPE TYPE:DECIMATOR
- WAVE SHAPE TYPE:HARD CLIP
- WAVE SHAPE TYPE:OCT SAW
- WAVE SHAPE TYPE:MULTI TRI
- WAVE SHAPE TYPE:MULTI SIN
- WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SAW
- WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SQU
- WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC TRI
- WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SIN
- WAVE SHAPE TYPE:LEVEL BOOST
- WAVE SHAPE POSITION
- まとめ
DRIVE/WAVE SHAPE
「DRIVE/WAVE SHAPE」の機能は、取扱説明書では
ドライブまたはウェーブ・シェープのパラメーターを設定します。音に歪みなどを加え、インパクトのある個性的な音作りが可能です。
引用「microKORG XL+ 取扱説明書」より
とあります。
この機能はKORG独特の機能です。
昔所有していたKORG 01/W(1991年 発売)で初めて搭載していました。
当時エディットを試みた時には、「レベルを上げるとノイズが出て使いないじゃないかぁ」と思っていましたが、、、
では、説明します。
パラメーターの概要
WAVE SHAPE TYPE
ウェーブ・シェープのタイプを選択します。
設定値:[DRIVE、DECIMATOR、HARD CLIP、OCT SAW、MULTI TRI、MULTI SIN、SUBOSC SAW、SUBOSC SQU、SUBOSC TRI、SUBOSC SIN、LEVEL BOOST]
[INITPROG]の設定値:DRIVE
※「DRIVE」は、WAVE SHAPEの効果と違います。(「DRIVE」は音を歪ませる機能)
POSITION
フィルターの前でかけるか、アンプの前でかけるかを選択します。
設定値:[PRE FILTER1, PRE AMP]
[INITPROG]の設定値:PRE FILTER1
WAVE SHAPE DEPTH
ドライブ、ウェーブ・シェープのかかり具合を設定します。
設定値:[000…127]
[INITPROG]の設定値:0
WAVE SHAPE TYPE
ウェーブ・シェープのオン / オフと、タイプを選択します。ウェーブ・シェープとは、入力した波形に対し、ここで設定したタイプとの波形成形演算を行い、双方の成分を含む波形を出力するものです。効果のかかり具合は “WS DEPTH” で設定します。
パラメーターの説明
設定値:[DRIVE、DECIMATOR、HARD CLIP、OCT SAW、MULTI TRI、MULTI SIN、SUBOSC SAW、SUBOSC SQU、SUBOSC TRI、SUBOSC SIN、LEVEL BOOST]
[INITPROG]の設定値:DRIVE
「DRIVE」は、WAVE SHAPEの効果と違います。(「DRIVE」は音を歪ませる機能)
実験:WAVE SHAPE TYPE
では、「WAVE SHAPE TYPE」ごとにどんな変化があらわれるか、実験します。
実験(WAVE SHAPE TYPEごとの音の変化を確認する)
「WAVE SHAPE TYPE」の波形ごとにmicroKORG XL+の取扱説明書の引用と波形の変化のイメージを載せています。
そして「WAVE SHAPE DEPTH」の値を上げていき、録音した音を添付しています。
どんな音の変化をするのか、音を聞いて確認します。
測定方法
WAVE SHAPEの効果を測定するにあたり、PROGRAM [INITPROG]を元に以下の測定方法にて録音しております。
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- WAVE SHAPE POSITION:PRE AMPに変更(FILTERの影響をなくすため)
- WAVE SHAPE TYPEを変更
- 「WAVE SHAPE DEPTH」を0
- アルペジエーターをON。「BPM(本体ではTEMPO)」を59
- A=220Hzを弾く
- 「WAVE SHAPE DEPTH」を手動で0→127に変更したときの音を録音しています。
[INITPROG]の音の説明(概要)
- OSC1のSAW(ノコギリ波)をMIXERでLEVEL:127に設定
- FILTER1は何も影響していない。
- AMPはLEVEL:100に設定
- 鍵盤を押したときに音が鳴り、鍵盤を離したときに音が止まる(AMP EGの設定)
- その他の機能の影響もなし(LFO、その他のパラメーターの影響なし)
といった、SAW(ノコギリ波)が鳴るシンプルな設定になっています。
WAVE SHAPE TYPE:DRIVE
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
ドライブがかかります。歪み具合は「MIXER」セクションの各オシレーターの出力レベルで設定します。
microKORG XL+ 取扱説明書より
※DRIVEのみウェーブ・シェープ効果とは異なります。
波形変化のイメージ
音データ(DEPTH:0→127)
音量が上がるけれど、これを上げるだけで迫力が増す。
麻薬っぽい(笑)
使いすぎに注意です。
WAVE SHAPE TYPE:DECIMATOR
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
サンプリング周波数を低下させます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(DEPTH:0→127)
波形が荒くなっていくのが感じられます。
自分なりのおいしいポイントを見つけてみましょう。
WAVE SHAPE TYPE:HARD CLIP
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
境界レベル以上の波形を一定にします。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(0→127)
音がつぶれた「飽和感」、感じられましたでしょうか。
WAVE SHAPE TYPE:OCT SAW
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
境界レベルを超えた波形を切り取り、プラスマイナス反対方向の境界レベル内へ移動させます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(0→127)
「OSC1:OSC MOD:WAVEFORMのC1:WAVEFORM」に変化が似ているかな?
波形を選んで「MIXER」の後か「FILTER」の後にかけられるので面白そうです。
WAVE SHAPE TYPE:MULTI TRI
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
ノコギリ波を入力すると、三角波が生成されます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(0→127)
いろいろ音を作った後にこんな変化をさせちゃっていいんでしょうか(笑)
ノコギリ波だけでこの変化だもんね。
WAVE SHAPE TYPE:MULTI SIN
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
ノコギリ波を入力すると、サイン波が生成されます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(0→127)
キャラクターが3周変化しますね。
音によっておいしいポジションがあるみたい。
WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SAW
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
選択した波形(SAW[ノコギリ波])が1オクターブ下で発音します。「WAVE SHAPE DEPTH」でミックス量を設定します。
microKORG XL+ 取扱説明書より
音データ(0→127)
この「低音域の成分を加える」機能は貴重です。
音作りしていると高音域ばかり気にしちゃうので、ありがたい。
WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SQU
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
選択した波形(SQU[矩形波])が1オクターブ下で発音します。「WAVE SHAPE DEPTH」でミックス量を設定します。
microKORG XL+ 取扱説明書より
音データ(0→127)
「SUB ***」は足し算でイメージしやすい。
あとは原音とのバランス。
WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC TRI
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
選択した波形(TRI[三角波])が1オクターブ下で発音します。「WAVE SHAPE DEPTH」でミックス量を設定します。
microKORG XL+ 取扱説明書より
音データ(0→127)
「SUB OSC SAW」や「SUB OSC PULSE」より大人しい。
後半は出てきますよ。
WAVE SHAPE TYPE:SUB OSC SIN
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
選択した波形(SIN[サイン波])が1オクターブ下で発音します。「WAVE SHAPE DEPTH」でミックス量を設定します。」と書かれています。
microKORG XL+ 取扱説明書より
音データ(0→127)
よく聞くと後ろに「ほわん」といますね。
WAVE SHAPE TYPE:LEVEL BOOST
設定値の説明
取扱説明書では、以下の記述があります。
出力レベルを増幅します。「WAVE SHAPE DEPTH」でブースト量を変化させます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
波形変化のイメージ
音データ(0→127)
音量上げながら素直に力強くするにはこちらかな。
WAVE SHAPE POSITION
ドライブ、ウェーブ・シェープをかける位置を設定します。
WAVE SHAPE POSITION:PRE FILTER1
PRE FILTER1:フィルター1 の前でかけます。
WAVE SHAPE POSITION:PRE AMP
PRE AMP:アンプの前でかけます。
「PRE FILTER1」なら、「DRIVE/WAVE SHAPE」までの音を作った後でフィルターで音作り。
「PRE AMP」なら、作った音に足していくイメージです。
まとめ
今回は、「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(3)DRIVE/WAVE SHAPE」について説明しました。
オシレーターで波形を選択して、フィルターで味付けして、更にもう一度波形をいじるなんて、面白いじゃないですか。
今回は「DRIVE/WAVE SHAPE」の特徴をわかりやすくするために、「WAVE SHAPE POSITION:PRE AMP」で実施しましたが、フィルターの前で「DRIVE/WAVE SHAPE」をかけることもできます。
みなさん、チャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(4)LFO(BPM SYNC、SYNC NOTE)」について説明します。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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