みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 331 [TMP] Ring Mod」と題して、MODE: RING MOD.を使用したプリセット・プログラム「331 [TMP] Ring Mod」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
MODE: RING MOD.で構成されたサンプル音です。
モジュレーター側のピッチをLFOで周期的変化をするように設定されています。
実験
では、音で確認しましょう。
実験1: 弾いてみる
A3=220Hzを4回、弾きます。
4回とも音の変化があるのは、LFO2: KEY SYNCをOFFにしているからです。
音データ
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
A3=220Hzを弾きながら、モジュレーション・ホイールを動かす
音データ
KORGのバーチャル・パッチ機能でモジュレーション・ホイールを動かすことでLFOのスピードが変化するように設定されています。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
INITプログラムから以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム34のオペレーターの多段接続の組み合わせを選択
- OP1がキャリアでOP2以降がモジュレーター
- モードでは、OP1がMODE: RING MOD.、他はMODE: FMを設定
- WAVEはOP1がSAW HD、OP2がSQUARE HD、他はSINEを設定
- OP LEVELは、OP1(キャリア)=100%、OP2(モジュレーター)=100%、その他のオペレーターは0%を設定
- FREQUENCY MODEは、OP1がRATIO: 0.2500、OP2がRATIO: 2.0000、その他はRATIO: 1.0000を設定
- MODE: RING MODのパラメーターは、SHAPEが0%、RING DEPTHが100%(リングモジュレーターの信号のみ出力)
- OP-P MODで、OP2(モジュレーター)にLFO1の変調を設定(36.00semi)
- LFO1のKEY SYNCをOFF、SPEEDを0.50Hzに設定しされています。
- バーチャル・パッチでLFO1のSPEEDパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定(70)
- バーチャル・パッチでOP2のPITCHをアフタータッチでコントロール(-48)
よって、以下のことを想定してパラメーター設定されたプログラムとなっています。
- OP1とOP2の直列接続でOP2のモジュレーターにより変調している音
RING DEPTHが100%(リングモジュレーターの信号のみ出力) - LFO1にて、OP2のPITCHを変化させることでゆっくりと波形が変化する
- モジュレーション・ホイールで、LFO1の周期を変化させる
- アフタータッチでOP2のピッチへの効果をコントロール
- アルゴリズム34を使っているので、OP LEVELを変更すると、多段直列接続での音の変化を味わうことができる
では、以下より、パラメーターの説明をします。
初期化プログラムから変化のあった点を説明します。
アルゴリズム
アルゴリズム34のオペレーターの多段接続の組み合わせを選択されています。
初期設定値はOP3~OP6のオペレーターのレベルが0%ですので、2つのオペレーターで音が作られています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
- モードでは、OP1がMODE: RING MOD.、他はMODE: FMを設定
- WAVEはOP1がSAW HD、OP2がSQUARE HD、他はSINEを設定
- OP LEVELは、OP1(キャリア)=100%、OP2(モジュレーター)=100%、その他のオペレーターは0%を設定
- FREQUENCY MODEは、OP1がRATIO: 0.2500、OP2がRATIO: 2.0000、その他はRATIO: 1.0000を設定
- MODE: RING MODのパラメーターは、SHAPEが0%、RING DEPTHが100%(リングモジュレーターの信号のみ出力)
OP-EG
OP-ENVはすべてINITプログラムから変更はありません。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
- OP-P MODで、OP2(モジュレーター)にLFO1の変調を設定(36.00semi)
36.00semiは3オクターブです。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
- LFO1のKEY SYNCをOFF、SPEEDを0.50Hzに設定されています。
EFFECT
3系統のEFFECTはすべてOFF設定です。
VIRTUAL PATCH
- バーチャル・パッチでLFO1のSPEEDパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定(70)
- バーチャル・パッチでOP2のPITCHをアフタータッチでコントロール(-48)
MISC
MISCページ・グループのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
VOICE
INITプログラムと同じ設定値でした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 331 [TMP] Ring Mod」と題して、MODE: RING MOD.を使用したプリセット・プログラム「331 [TMP] Ring Mod」のパラメーターを分析しました。
特徴のあるピッチの動きをOP2(モジュレーター)にLFO1の変調を設定(36.00semi)することで、リング・モジュレーターの独特の変化を加えています。
単に音だけ聞いていると、「何を目的に作った音なんだろう」と思ってしまうこともあります。
どんなパラメーターを変更しているのかがわかると楽しくなってきますよ。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: FILTER」と題して、MODE: FILTERの機能と実験方法について説明します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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