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KORG opsixのプリセット分析: 237 Cinematic FB Doom

237 Cinematic FB Doom
この記事は約8分で読めます。

みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 237 Cinematic FB Doom」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「237 Cinematic FB Doom」のパラメーターを分析します。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。

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音の特徴

エイリアンが出てきそうな音です。

MODE: EFFECT: DRIVEは中低域の荒れた音を演出しています。

KAMIN
KAMIN

MODE: EFFECT: DRIVEの機能については以下のページで説明しています。

ご覧ください。

KORG opsixの機能: MODE: EFFECT: DRIVE

実験

では、音で確認しましょう。

KAMIN
KAMIN

パラメーターの分析は下に書いています。

詳細はそちらをご覧ください。

実験1: 弾いてみる

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

音データ

KAMIN
KAMIN

不気味な効果音です。

実験2: モジュレーション・ホイールの効果

アルペジエーターをONにしてA3を弾きながらモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。

音データ

KAMIN
KAMIN

バーチャル・パッチでいろんな効果が設定されていて、

何が効いているのかはプログラマーにしかわかりません(笑)

実験3: OP5のMODE: EFFECT: DRIVEのOSC MIXを20に設定

MODE: EFFECT: DRIVEの効果を確認するため、OSC MIXを20に設定します。

アルペジエーターをONにしてA3を弾きながらモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。

音データ

KAMIN
KAMIN

モジュレーターとしてMODE: EFFECT: DRIVEを設定して、

波形に歪みを与える効果を確認しました。

パラメーター分析

INITプログラムからの変化を元に分析しています。

INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。

alg-04

アルゴリズムは04が使用されています。

2つのキャリアとモジュレーターの直列接続の組み合わせで、OP4~OP6の間でフィードバック可能な設定です。

OP3はMODE: BYPASSが設定されていますが、その上にモジュレーターはありませんので、LEVELが0と同じです。

MODE: EFFECTのDRIVEはOP5で使用され、中低域の荒れた音を演出しています。

キャリアのOP1側は、OP2のNOISE BLUEの波形をフィルターした後、OP1のMODE: FILTER FMで効果をかける設定です。

キャリアのOP4側はOP6のSAWの波形をフィルターた音に対して、MODE: EFFECTのDRIVEで加工した後、MODE: EFFECTのPHASERでEFFECTした音が出力されます。

OP4とOP5の波形はOSC MIXが0なので、出力されていません。

237 Cinematic FB Doom alg-04-param

MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE

237 Cinematic FB Doom mode13 opsix native
237 Cinematic FB Doom mode46 opsix native
237 Cinematic FB Doom mode1
237 Cinematic FB Doom mode2

OP-EG

237 Cinematic FB Doom op-eg

OP4側でアタック・タイムを500msと少し長くして、リリース・タイムを3.2sと長くしています。

どのオペレーターもサスティン・レベルが100なので、ディケイ・タイムの設定が違っても持続音の効果は同じです。

モジュレーターOP2のリリース・タイムが90.000sと長いのは鍵盤を離した後のモジュレーターのレベルを一定にするためです。

OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK

OP-PITCH

237 Cinematic FB Doom op-pitch

OP-PITCHでは、キャリアのOP4にDETUNEの設定がされています。

OP-P MOD

237 Cinematic FB Doom op-p-mod

OP-P MODではOP1にEG1によるピッチの変化が設定されていて、その変化量はLFO3でコントロールされています。

また、OP1にLFO1によるピッチの変化が設定されて、LFO2で変化量をコントロールするように設定されています。

OP-L MOD

237 Cinematic FB Doom op-l-mod

OP-L MODでは、OP2とOP4にLFO1により変化するように設定されています。

FILTER

237 Cinematic FB Doom filter
237 Cinematic FB Doom filter-mod

フィルターのタイプにHPF24が設定されています。

また、キー・トラックも設定されています。

MOD(EG、LFO)

EG

237 Cinematic FB Doom eg

EG1, EG2は立ち上がりがゆっくりに設定されています。

EG1は、OP-P MODでOP1のピッチを変化させるために設定されています。

EG2は、バーチャル・パッチでOP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値を変化させるために設定されています。

LFO

237 Cinematic FB Doom lfo

LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.56Hzに設定されています。

LFO1は、OP-P MODでOP1のピッチを変化させるために設定されています。

LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.40Hzに設定されています。

LFO2はバーチャル・パッチでOP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値を変化させるために設定されています。

LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.12Hzに設定されています。

LFO3はバーチャル・パッチでOP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQの値を変化させるために設定されています。

また、EG1でOP1のピッチを変化させるために設定された値に対してコントロールさせるために設定されています。

EFFECT

237 Cinematic FB Doom fx

以下の3つのエフェクトにより、ブーミーさと不気味さを演出しています。

  • FX1に設定された3-BAND EQで、周波数ポイントで音を調整しています。
  • FX2に設定されたMASTER LIMITERで、音圧をコントロールしています。
  • FX3に設定されたSHIMMER REVERBで、すっきりした残響をプラスしています。

VIRTUAL PATCH

237 Cinematic FB Doom v-patch

バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。

  1. V.PATCH1は、OP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値をLFO2で変化するように設定されています。
  2. V.PATCH2は、OP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQの値をLFO3で変化するように設定されています。
  3. V.PATCH3は、OP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値をEG2で変化するように設定されていて、ベロシティで変化量をコントロールします。
  4. V.PATCH4は、OP6のOCTAVEの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
  5. V.PATCH5は、OP4のLEVELの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
  6. V.PATCH6は、OP4のLEVELの値をジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
  7. V.PATCH7は、OP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
  8. V.PATCH8は、OP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
  9. V.PATCH9は、OP2のLEVELの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
  10. V.PATCH10は、OP5のMODE: EFFECTのDRIVEのOSC MIXの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されていて、LOF2でコントロールするように設定されています。
  11. V.PATCH11は、モジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されていて、LOF1でコントロールするように設定されています。
  12. V.PATCH12は、OP1のピッチの値をアフタータッチで変化するように設定されています。

MISC

237 Cinematic FB Doom prog-misc

OP4~OP6のフィードバックが100%に設定されています。

VOICE

237 Cinematic FB Doom voice

VOICE ASSIGNはモノフォニックが設定されています。

GLIDE MODEはLEGATOで、音を途切れないように演奏するとLEGATOの効果が出て、247msの時間をかけて音が移行するように設定されています。

UNISON VOICEは5が設定され、UNISON DETUNEも67centsと深めに設定されています。

まとめ

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 237 Cinematic FB Doom」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「237 Cinematic FB Doom」のパラメーターを分析しました。

モジュレーターとしてMODE: EFFECTをモジュレーターとして使った例です。

まだいろいろな可能性がありますね。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

次回は「KORG opsixのプリセット分析: 313 Cockpit Emergency」と題して、MODE: EFFECTにDECIMATORを使用したプリセット・プログラム「313 Cockpit Emergency」のパラメーターを分析します。

では。

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このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。

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