みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 208 Punchy SynBass」と題して、プリセット・プログラム「208 Punchy SynBass」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
opsixのMODE: EFFECT: PUNCHを使用したベースの音です。
KORGの独特な機能の一つです。
MODE: EFFECT: PUNCHの機能については以下のページで説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
モーション・シーケンスでFX2: UNISON ENSEMBLEのMIX、OP3, OP6のLEVELを変化させています。
アタックに独特のゴリゴリ感が生まれています。
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールを動かすことによってMODE: EFFECT: PUNCHのLEVELを100%→0%にコントロールするように設定されています。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。
音データ
モジュレーション・ホイールを動かすとゴリゴリ感がなくなっていきます。
実験3: キャリアOP4をPUNCH→COMBに変更する
設定方法
OP4のMODE: EFFECTのTYPEをPUNCH→COMBに変更
パラメーターは初期値のまま(OSC MIX: 100、FREQ: 0.0semi、FEEDBACK: +50%)
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
PUNCHとは違った独特のクセが加わりました。
2つのPUNCHを使ったオペレーターのうちの片方だけの変更なので、PUNCHもありながらクセをつけたように仕上がりました。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには03番のアルゴリズムが設定されています。
OP1~OP3、OP4~OP6の直列接続の構成です。
2組の間でOP-PITCHのDETUNEでピッチのずれを設定して音を厚くしています。
2段目のOP2, OP5のモジュレーターにはキー・トラックで基準キーをC5として高いキーになるほどLEVELがプラスになるように設定されています。
RATIO比がOP1~OP3で0.5:0.5:1、OP4~OP6で0.5:1:1と違いがあります。
EGはアタック成分を作る再後段のモジュレーターOP3, OP6がSUSTAIN LEVELが0で、DECAY TIMEが1.267sとなっています。
他はATTACK TIMEが0ms、SUSTAIN LEVELが100の持続音となっています。
キャリアであるOP1, OP4はMODE: EFFECT: PUNCHを使用して、波形がTRIANGLE、OSC MIXを100%で自身のオシレーターも使用しています。
FILTERはOFFです。
エフェクターは、3-BAND EQでHI、LO、MIDの3つの周波数帯域でGAINを上げて強調、UNISON ENSEMBLEはVOICESを2に設定しDRY:WET MIXが1で普段は効果がないのですが、モジュレーション・ホイールを動かすことでDRY:WET MIXの値が上がります。最後にENHANCERを使用してくっきりした音を演出しています。
OCTAVEが-1oct(1オクターブ下)に設定されています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP1, OP4のMODE: EFFECT: PUNCHのPUNCHパラメーターをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています。
動かすとPUNCH LEVELを下げて、音を少し厚くしています。
アフター・タッチでFX2のUNISON ENSEMBLEのDRY:WET MIXをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
キャリアがMODE: EFFECT: PUNCHが設定されて、OSC MIXが100%でキャリアのオシレーターを含めてエフェクトする設定です。
OP1~OP3、OP4~OP6の違いはRATIOの設定です。
OP-EG
OP1, OP2, OP4, OP5はSUSTAIN LEVELが100となっています。
最後段のモジュレーターのOP3, OP6はSUSTAIN LEVELが0でDECAY TIMEで減衰するように設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
各オペレーターにDETUNE(ピッチの小さなずれ)が設定されています。
OP-KEY TRACK
OP2, OP5のレベルに対して、基準キーをC5とし、高いキーになるほどマイナスのレベルとなるように設定されています。
FILTER
FILTERはOFFです。
MOD(EG、LFO)
EG
EG2は、DECAY TIMEが少し短く設定されています。
EGはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
LFO
INITプログラムから変更はありませんでした。
LFOはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
EFFECT
FX1は3-BAND EQ、FX2はUNISON ENSEMBLE、FX3はENHANCERが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のMODE: EFFECT: PUNCHのPUNCHパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定されています。
- V.PATCH2は、OP4のMODE: EFFECT: PUNCHのPUNCHパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定されています。
- V.PATCH3は、FX2のUNISON ENSEMBLEのDRY:WET MIXをアフター・タッチで変化するように設定されています。
MISC
OCTAVEに-1oct(1オクターブ下)が設定されています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 208 Punchy SynBass」と題して、プリセット・プログラム「208 Punchy SynBass」のパラメーターを分析しました。
MODE: EFFECT: PUNCHでアタック感を変えています。
microKORG XL+でもあった機能です。
一つのオペレーターの機能として使われるので、オペレーターに空きがあって「アタックをピリッとさせたい」時にとても便利な機能です。
是非試してみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 211 Funk Bass」と題して、プリセット・プログラム「211 Funk Bass」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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