みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 041 MW Phasing Clav」と題して、プリセット・プログラム「041 MW Phasing Clav」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
クセのある共鳴感が特徴のクラビネットの音です。
クラビネットとして仕上げた音にMODE: EFFECT: PUNCHにてアタックを強調して、MODE: EFFECT: COMBでくせのある音に仕上げています。
opsixならではの音作りです。
MODE: EFFECT: PUNCHについては以下のページで説明しています。
MODE: EFFECT: COMB FILTERについては以下のページで説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
結構ガリガリしてます。
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
バーチャル・パッチの設定で、モジュレーション・ホイールを動かすことによってOP3, OP6のPITCHが変化するように設定されています。
また、バーチャル・パッチの設定によりアルペジエーターのGATE TIMEにLFO3の周期的変化を与えていますので、アルペジエーターを使って音を鳴らしながらモジュレーション・ホイールを操作します。
これにより音がどのように変化するのか確認します。
測定方法
アルペジエーターをLATCH ONにする。
キーE3を弾きます。
モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。
音データ
これも使えますね。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには33番のアルゴリズムが設定されています。
キャリアはOP1の1つ。
OP2を直列接続し、その上段にモジュレーターでY字接続している構成です。
OP1, OP2でMODE: EFFECTを使用し、OSC MIXが0%であることから、OP3~OP6からの入力信号をエフェクトする機能として設定されています。
ですから、OP3-OP4、OP5、OP6で音作りをして、その音声信号をOP2→OP1といった流れでエフェクトする構成です。
OP3-OP4はMODE: FMでの変調で音作りがされています。
弦と革を叩いた時のような音が演出されています。
OP5はMODE: EFFECTのPUNCHが設定されて、WAVEにNOISE BLUE、自身のオシレーターをPUNCHでエフェクトした音です。
これにより、弦をはじいた時の擦った音がします。
OP6はRATIOが1.0000のサイン波で幹となる音です。
これをOP2のMODE: EFFECT: PUNCHにてアタックを強調して、OP1のMODE: EFFECT: COMBでくせのある音に仕上げています。
この独特の音はOP1のMODE: EFFECT: COMBのFEEDBACKを100%にしたことによるものとわかりました。
FEEDBACKが少ないと、瞬時に消えてしまう短い音ですが、FEEDBACKを100%にしたことで独特の減衰音となっています。
どちらもOSC MIXが0のためY字接続されたモジュレーターOP3, OP5, OP6からの入力信号に対してエフェクトしています。
面白いですね。
OP2以外のオペレーターは、キー・トラックでのレベルの変化は基準キーから低いキーになるほどマイナス、高いキーになるほどプラスに設定されています。
各オペレーターはベロシティによりレベルに変化を与えるように設定されています。
LFO1によるピッチへの周期的変化が設定されていて、アフタータッチで変化量を変えるように設定されています。
FILTERは、LPF12が設定されていますが、INITプログラムのままで効果はありません。
エフェクターは、PHASERで、COMPRESSORで、SPRING REVERBで
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP3とOP6のPITCHが変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-L MOD
OP2を除くオペレーターで鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)によりレベルが変化するように設定されています。
OP-KEY TRACK
各オペレーターは基準キーに対して、低いキーになるほどプラス、高いキーになるほどマイナスとなるよう設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
EG3はDECAY TIMEが短く設定されています。
EGはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hzに設定されています。
LFO1はPROGRAM PITCHでピッチへの周期的変化が設定されていて、アフタータッチで変化量を変えるように設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。
LFO3はWAVEにSTEP4 TRIANGLEが使用され、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがON(システム・テンポに同期)、TEMPO SPEEDは1/2に設定されています。
LFO3は、バーチャル・パッチでアルペジエーターのGATE TIMEを周期的変化が設定されています。
しかしアルペジエーターは使用されていません。
EFFECT
FX1はPHASER、FX2はCOMPRESSOR、FX3はSPRING REVERBが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP3のPITCHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP6のPITCHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、アルペジエーターのGATE TIMEをLFO3の周期的変化が設定されています。
しかしアルペジエーターは使用されていません。
MISC
LFO1によるピッチへの周期的変化が設定されていて、アフタータッチで変化量を変えるように設定されています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 041 MW Phasing Clav」と題して、プリセット・プログラム「041 MW Phasing Clav」のパラメーターを分析しました。
実験では、使っていないアルペジエーターに対してバーチャル・パッチで設定されていたので、アルペジエーターをONにしてみました。
バーチャル・パッチを使えばアルペジエーターのGATE TIMEをコントロールできます。
皆さんもいろいろ試してみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 051 Glide Sine」と題して、プリセット・プログラム「051 Glide Sine」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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