みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 237 Cinematic FB Doom」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「237 Cinematic FB Doom」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
エイリアンが出てきそうな音です。
MODE: EFFECT: DRIVEは中低域の荒れた音を演出しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
不気味な効果音です。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
アルペジエーターをONにしてA3を弾きながらモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。
音データ
バーチャル・パッチでいろんな効果が設定されていて、
何が効いているのかはプログラマーにしかわかりません(笑)
実験3: OP5のMODE: EFFECT: DRIVEのOSC MIXを20に設定
MODE: EFFECT: DRIVEの効果を確認するため、OSC MIXを20に設定します。
アルペジエーターをONにしてA3を弾きながらモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。
音データ
モジュレーターとしてMODE: EFFECT: DRIVEを設定して、
波形に歪みを与える効果を確認しました。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムは04が使用されています。
2つのキャリアとモジュレーターの直列接続の組み合わせで、OP4~OP6の間でフィードバック可能な設定です。
OP3はMODE: BYPASSが設定されていますが、その上にモジュレーターはありませんので、LEVELが0と同じです。
MODE: EFFECTのDRIVEはOP5で使用され、中低域の荒れた音を演出しています。
キャリアのOP1側は、OP2のNOISE BLUEの波形をフィルターした後、OP1のMODE: FILTER FMで効果をかける設定です。
キャリアのOP4側はOP6のSAWの波形をフィルターた音に対して、MODE: EFFECTのDRIVEで加工した後、MODE: EFFECTのPHASERでEFFECTした音が出力されます。
OP4とOP5の波形はOSC MIXが0なので、出力されていません。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP4側でアタック・タイムを500msと少し長くして、リリース・タイムを3.2sと長くしています。
どのオペレーターもサスティン・レベルが100なので、ディケイ・タイムの設定が違っても持続音の効果は同じです。
モジュレーターOP2のリリース・タイムが90.000sと長いのは鍵盤を離した後のモジュレーターのレベルを一定にするためです。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHでは、キャリアのOP4にDETUNEの設定がされています。
OP-P MOD
OP-P MODではOP1にEG1によるピッチの変化が設定されていて、その変化量はLFO3でコントロールされています。
また、OP1にLFO1によるピッチの変化が設定されて、LFO2で変化量をコントロールするように設定されています。
OP-L MOD
OP-L MODでは、OP2とOP4にLFO1により変化するように設定されています。
FILTER
フィルターのタイプにHPF24が設定されています。
また、キー・トラックも設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG
EG1, EG2は立ち上がりがゆっくりに設定されています。
EG1は、OP-P MODでOP1のピッチを変化させるために設定されています。
EG2は、バーチャル・パッチでOP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値を変化させるために設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.56Hzに設定されています。
LFO1は、OP-P MODでOP1のピッチを変化させるために設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.40Hzに設定されています。
LFO2はバーチャル・パッチでOP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値を変化させるために設定されています。
LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.12Hzに設定されています。
LFO3はバーチャル・パッチでOP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQの値を変化させるために設定されています。
また、EG1でOP1のピッチを変化させるために設定された値に対してコントロールさせるために設定されています。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、ブーミーさと不気味さを演出しています。
- FX1に設定された3-BAND EQで、周波数ポイントで音を調整しています。
- FX2に設定されたMASTER LIMITERで、音圧をコントロールしています。
- FX3に設定されたSHIMMER REVERBで、すっきりした残響をプラスしています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値をLFO2で変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQの値をLFO3で変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、OP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値をEG2で変化するように設定されていて、ベロシティで変化量をコントロールします。
- V.PATCH4は、OP6のOCTAVEの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、OP4のLEVELの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
- V.PATCH6は、OP4のLEVELの値をジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH7は、OP6のMODE: FILTERのCUTOFFの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
- V.PATCH8は、OP1のMODE: FILTER FMのCUTOFFの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH9は、OP2のLEVELの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH10は、OP5のMODE: EFFECTのDRIVEのOSC MIXの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されていて、LOF2でコントロールするように設定されています。
- V.PATCH11は、モジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されていて、LOF1でコントロールするように設定されています。
- V.PATCH12は、OP1のピッチの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
MISC
OP4~OP6のフィードバックが100%に設定されています。
VOICE
VOICE ASSIGNはモノフォニックが設定されています。
GLIDE MODEはLEGATOで、音を途切れないように演奏するとLEGATOの効果が出て、247msの時間をかけて音が移行するように設定されています。
UNISON VOICEは5が設定され、UNISON DETUNEも67centsと深めに設定されています。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 237 Cinematic FB Doom」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「237 Cinematic FB Doom」のパラメーターを分析しました。
モジュレーターとしてMODE: EFFECTをモジュレーターとして使った例です。
まだいろいろな可能性がありますね。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 313 Cockpit Emergency」と題して、MODE: EFFECTにDECIMATORを使用したプリセット・プログラム「313 Cockpit Emergency」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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