みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 250 Theremax」と題して、プリセット・プログラム「250 Theremax」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
GLIDE(ポルタメント)がかかったシンセサイザーの典型的な音です。
2つのオペレーターで作成され、FM変調での音作りとなっていて、ユーザーが他の要素を加えて楽しめる音です。
GLIDE(ポルタメント)の機能については以下のページで説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
実験2: モジュレーション・ホイールを動かしてみる
では、モジュレーション・ホイールを動かして、PROGRAM PITCH: LFO1でピッチに周期的変化をモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定された効果を確認します。
測定方法
実験1と同様にシーケンサーをONにしてPLAYボタンを押し、2分音符の部分でモジュレーション・ホイールを動かす。
音データ
モジュレーション・ホイールを動かすと、ピッチが揺れ始めます。
実験3: GLIDE MODEでの音の違いを確認する(GLIDE MODE: ON)
測定方法
その1. GLIDE MODEをONにして、C5→C6と音が途切れるように4回弾き、続けてC5→C6とLEGATO(なめらかに音がつながるように)で4回弾く。
どちらもピッチがなめらかに移行します。
音データ
弾き方を変えてもピッチがなめらかに移行していますね。
実験4: GLIDE MODEでの音の違いを確認する(GLIDE MODE: LEGATO)
測定方法
その1. GLIDE MODEをLEGATOにして、C5→C6と音が途切れるように4回弾き、続けてC5→C6とLEGATO(なめらかに音がつながるように)で4回弾く。
後半だけピッチがなめらかに移行します。
音データ
LEGATOで弾いた後半だけピッチがなめらかに移行しています。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには1番のアルゴリズムが設定されています。
OP3~OP6はレベルが0。
キャリアがOP1、モジュレーターがOP2の直列接続での音作りがされています。
その他のオペレーターはLEVELが0。
典型的なFM変調の音です。
演奏表現としては、VOICE ASSIGNにMONO(単音しか鳴らない)でGLIDE MODEがONなので、鍵盤を弾くとピッチに移行に少し時間がかかるように設定されています。
そしてMISC: PROGRAM PITCHでLFO1の周期的変化をモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定されています。
アナログ・シンセサイザー的使い方です。
UNISON VOICESが2と少し厚みを加えています。
音がきれいなのはFM音源だから。
エフェクトはCHORUSにDELAYにREVERB。
ごく普通のエフェクトがかかっている。
コーラスは設定されているけれど、MIXが0で効果なし。
バーチャル・パッチもアフター・タッチでピッチにLFOをかける設定だけ。
ベーシックな音作りですね。
ユーザーが勉強のためにシンセサイザーのソロ用の音作りにチャレンジするにはもってこいのプリセット音です。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP1, OP2のみのFM変調の音です。
OP-EG
OP1のATTACK TIME、RELEASE TIMEが少し長く設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
INITプログラムから変更はありませんでした。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
INITプログラムから変更はありませんでした。
LFO
INITプログラムから変更はありませんでした。
LFOは、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hz(LFO1)、2.00Hz(LFO2, LFO3)に設定されています。
LFO1はプログラム全体のPITCHを周期的変化するように設定され、アフター・タッチでコントロールするように設定されています。
EFFECT
FX1はCHORUS、FX2はDELAY、FX3はREVERBが設定されています。
CHORUSはDRY:WET MIXが0なので効果なしです。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は2、プログラム全体のPITCHをLFO1で周期的変化するように設定され、アフター・タッチでコントロールするように設定されています。
MISC
LFO1によるピッチへの周期的変化が設定されていて、モジュレーション・ホイールで変化量を変えるように設定されています。
VOICE
VOICE ASSIGNにMONO(単音しか鳴らない)、GLIDE MODEがONで、GLIDE TIMEに0.172sです。
UNISON VOICESが2に設定され、UNISON DETUNEが10cents、UNISON SPREADが100%です。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 250 Theremax」と題して、プリセット・プログラム「250 Theremax」のパラメーターを分析しました。
従来のアナログ・シンセサイザーの音を2つのオペレーターで作成していて、データもシンプル。
残りの4つのオペレータから音を膨らませたり、他のプリセットデータから割り当てたりすることもできます。
是非音作りにチャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 001 Dat Electric Piano」と題して、プリセット・プログラム「001 Dat Electric Piano」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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