みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 334: [TMP] Wavefolder」と題して、MODE: WAVE FOLDERを使用したプリセット・プログラム「334: [TMP] Wavefolder」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
MODE: WAVE FOLDERを使用したサンプル・プログラムです。
「コーッ」といった独特のクセのある音がMODE: WAVE FOLDERで作成された音です。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A3=220Hzを4回、弾きます。
音データ
4回とも音の初めの印象が違うのは、LFO2: KEY SYNCをOFFにして変化の始まりが同期していないからです。
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
音データ
モジュレーション・ホイールを動かすと、バーチャル・パッチ2で設定したLFO2のSPEEDが変化して、OP1のMODE: WAVE FOLDERのGAINのレベルを変化させるスピードが変わります。
実験2: LEVELスライダーを動かす
モジュレーション・ホイールを上げ気味にして、OP3~OP6のLEVELスライダーを動かしてみます。
- 1回目:OP3を0→30%付近まで上げる
- 2回目:1.のままOP4を0→30%付近まで上げる
- 3回目:2.のままOP5を0→30%付近まで上げる
- 4回目:3.のままOP6を0→30%付近まで上げる
音データ
OP3が一番近いので、波形の変化が激しく、OP6になると影響が少なくなります。
でもオペレーターによって波形の変化の仕方は違います。
いろいろとチャレンジしてみてくださいね。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
INITプログラムから以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム34を使っているが、キャリアであるOP1とモジュレーターのOP2のOP LEVELが100%で、あとは0%のため効果なし
- V.PATCH1は、OP1のWAVE FOLDER: GAINにLFO2からの効果を設定されています。
- V.PATCH2は、LFO2のSPEED(周期的変化のスピード)をモジュレーション・ホイールの操作で変化するように設定されています。
- アフタータッチでピッチへのLFO効果を設定
では、各ページでのパラメーター設定を確認します。
アルゴリズム
アルゴリズム34はオペレーターが直列多段接続のアルゴリズムです。
キャリアとモジュレーターの関係では、キャリアのOP1に一番近いモジュレーターOP2が一番効果が出やすく、一番遠いOP6が効果が出にくい構成です。
下のモジュレーターのOP LEVELが0%だと、その後ろのモジュレーターの効果はでません。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
波形の基本となるパラメーターは以下の通りです。
- 6つのオペレーターはサイン波が使われていて、RATIOはすべて周波数比が1.0000です。
- OP1のみMODE: WAVE FOLDERを設定し、あとはMODE: FMを設定
- 初期設定値ではOP1とOP2がOP LEVELが100%で、OP3以降は0%
- OP1のMODE: WAVE FOLDERのパラメーターはGAINが50%
GAINはWAVE FOLDERの効果である波形を折り曲げる効果の値です。
大きくすれば効果が大きくなります。
波形がどんどん反転していきます。
- バーチャル・パッチの設定により、OP1のMODE: WAVE FOLDERのパラメーターはGAINの値がLFO2で変化します。
OP-EG
INITプログラムから変更はありませんでした。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
INITプログラムから変更はありませんでした。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、LPF12のCUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
LFO2が使われていて、LFO2: KEY SYNCがOFF、SPEEDパラメーターが0.05Hzに設定されています。
EFFECT
エフェクトは設定されていません。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のWAVE FOLDER: GAINにLFO2からの効果を設定されています。
- V.PATCH2は、LFO2のSPEED(周期的変化のスピード)をモジュレーション・ホイールの操作で変化するように設定されています。
MISC
MISCページ・グループのパラメーターでは、INITプログラムから以下の項目が変更されています。
- プログラムの音を1オクターブ下に設定
- LFO1 INTを1.50semiに設定して、LFO1のピッチへの効果を設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでアフタータッチが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
opsix本体の鍵盤にはアフタータッチの機能はありません。
別途MIDIコントローラー等で使われるために設定されています。
VOICE
INITプログラムからの変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 334: [TMP] Wavefolder」と題して、MODE: WAVE FOLDERを使用したプリセット・プログラム「334: [TMP] Wavefolder」のパラメーターを分析しました。
モジュレーターであるOP2の音をキャリアのOP1のMODE: WAVE FOLDERの機能で音が作られています。
シンセサイザーを使ったことのある方なら、鍵盤を弾きながらモジュレーション・ホイールを動かして効果を確認することがあると思います。
パラメーターを確認すると、opsixならではの効果を確認できます。
ぜひLEVELスライダーを操作して音の変化を体感してください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: EFFECT」と題して、機能と実験方法について説明します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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