みんさん、こんにちは、
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(3):リング・モジュレーター」について説明します。
いっぱい実験しちゃってます。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
- リング・モジュレーター
- 実験(OSC2:OSC MOD:RING)
- 実験1(OSC2:WAVE:SAW、OSC2:OSC MOD:RING、TUNE:10)
- 実験2-0(OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:OFF、OSC2:TUNE:32)
- 実験2(OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:+32)
- 実験3(OSC1:WAVE:SINE、OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:+2)
- 実験4(OSC1:WAVE:SINE、OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:0→+63)
- 実験5(取扱説明書の参考例1:BELL音)
- 実験6(取扱説明書の参考例2:OSC2:TUNEをLFOで変化させた音)
- まとめ
リング・モジュレーター
リング・モジュレーター(RING MODULATOR)は、OSC1とOSC2の波形の和と差を生み出してモジュレーション(変調:くすぐり)を行う機能です。
今度は、OSC2の波形をOSC1の波形の和と差を生み出して波形を作り出すといった、摩訶不思議な機能です。
単純に考えると、リング・モジュレーターに300Hzの周波数の信号と400Hzの信号を入力すると、700Hzと100Hzの信号が生まれるという仕組みです。
倍音の多い波形を選べばより複雑な音になります。
機能図
引用「microKORG XL+ 取扱説明書」より
OSC1の波形には影響がありません。
音作りの手順
- 「MIXER」セクションで「OSC2」のレベルを上げる
- 「OSC2」セクションの「OSC MOD」で「RING」に設定
- 「OSC1」、「OSC2」セクションの「WAVE」で波形に設定
- 「OSC2」セクションの「SEMITONE」と「TUNE」パラメーターで音の高さをずらす
- 「WAVE」の選択を含めて微調整をして音作りを完了する
では、実験をして音を聴いてみましょう。
実験(OSC2:OSC MOD:RING)
実験1(OSC2:WAVE:SAW、OSC2:OSC MOD:RING、TUNE:10)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- 「OSC2:TUNE」を+10に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
「OSC2:TUNE」を10に設定したことで、OSC1とOSC2の間で音の揺らぎが発生しています。
実際の波形は動いています。
周波数スペクトル
実験2-0(OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:OFF、OSC2:TUNE:32)
今度はOSC2の波形を「PULSE」に変更して実験してみましょう。
まず、リング・モジュレーターをOFFにして、パルス波を聞いてみます。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC2:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」をOFFに設定
- 「OSC2:TUNE」を+32に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
周波数スペクトル
実験2(OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:+32)
実験2-0でOSC2の波形を「PULSE」に変更しましたので、OSC1:WAVE:SAWでリング・モジュレーションさせてみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC2:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- 「OSC2:TUNE」を+32に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
よく聞けば、パルス波っぽいところはありますね。
でも名前が付けられる波形ではないですね。
波形
周波数スペクトル
実験3(OSC1:WAVE:SINE、OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:+2)
またちょっと違う波形で試してみましょう。
今度は「OSC1:WAVE」を[SINE]、「OSC2:TUNE」を[2]で値を小さくしました。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC2:WAVE」を[SINE]に設定
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- 「OSC2:TUNE」を+2に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
サイン波を使ったことで、うねりのある音が鳴りました。
波形1
波形も時間とともに変化します。
周波数スペクトル1
波形2
周波数スペクトル2
実験4(OSC1:WAVE:SINE、OSC2:WAVE:PULSE、OSC2:OSC MOD:RING、OSC2:TUNE:0→+63)
今度は実験3の設定で「OSC2:TUNE」を[0→63]へ手動で変化させてみました。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC2:WAVE」を[SINE]に設定
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- 「OSC2:TUNE」を0に設定
- A=220Hzを弾く
- 「OSC2:TUNE」を0→+63に変化させて、音を確認する
音データ
OSC2:TUNEの値を変えただけで、これだけ変化します。
実験5(取扱説明書の参考例1:BELL音)
例えば、OSC2に矩形波(OSC1では PULSE)を選び、“TRANSPOS” を 0、“SEMITONE” を +24 に設定します。“TUNE” を設定するとクリアなベルの音色を得ることができます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定(変更なし)
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- 「OSC2:SEMITONE」を+24に設定
- 「OSC2:TUNE」を+4に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
うん、ベル音っぽい。
もう少し試せば面白そうです。
実験6(取扱説明書の参考例2:OSC2:TUNEをLFOで変化させた音)
もう一つ、参考例がありましたので、実験してみましょう。
バーチャル・パッチで“OSC2.TUNE” に LFO や EG でモジュレーションをかけると、特殊な効果を得ることができます。
microKORG XL+ 取扱説明書より
測定方法
今回はLFOでモジュレーションをかけます。
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を127に設定(変更なし)
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]に設定
- LFO2のパラメーターは初期設定値のまま
「LFO2:WAVE」を[SINE]、「LFO2:KEY SYNC」を[OFF]、「LFO2:BPM SYNC」を[OFF]、「LFO2:FREQ」を6.00Hz(変更なし) - 「VIRTUAL PATCH1」の「SOURCE」を[LFO2]、「DESTINATION」を[OSC2 TUNE]、INT(INTENSITY)を+16に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
「OSC2:TUNE」にLFOの周期的変化を与えることで、波形が周期的に変化します。
ウルトラセブンあたりの円盤が登場しそうです。
OSC1の波形は影響がありません。
わかりやすくするために鳴らしています。
LFOで変化した音だけにするなら「MIXER:OSC1」を0に設定すれば消えます。
まとめ
今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(3):リング・モジュレーター」について説明しました。
「リング・モジュレーター」は、波形の足し算、引き算の効果。
よくわからなくても、変わった音が出てきます(笑)
一度チャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(4):オシレーター・シンク、リング・モジュレーションとオシレーター・シンクを同時に使う」について説明します。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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