みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <2>」と題して、「OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM)」について説明します。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
- OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係
- WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM
- 実験(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM)
- 実験1(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:0)
- 実験2(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:32)
- 実験3(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:64)
- 実験4(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:96)
- 実験5(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:127)
- 実験6(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:0→127)
- まとめ
OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係
従来のアナログ・シンセサイザーではこんなことで頭使わなくてよいのに...(笑)
オシレーター・セクションの中だけでどれだけ波形を変化させるんだっって思うぐらい、いろんな機能が盛りだくさんです。
既にいくつか機能を説明しておりますが、改めて説明しますと、波形(WAVE)とモジュレーション(OSC MOD)を選択することにより、2つのコントロールするパラメーターの機能が変わるんです。
Sound Editorでは、「OSC1」セクションの下の左側のつまみが、「OSC1:CONTROL1(OSC1:C1)」、右側のつまみが、「OSC1:CONTROL2(OSC1:C2)」になります。
OSC1の波形とモジュレーションとコントローラー 対応表
WAVE | OSC MOD | C1 (OSC1 CONTROL1) | C2 (OSC1 CONTROL2) |
SAW | WAVEFORM | WAVEFORM | LFO1 MOD |
CROSS | MOD DEPTH | LFO1 MOD | |
UNISON | DETUNE | PHASE | |
VPM | MOD DEPTH | HARMONICS | |
PULSE | WAVEFORM | PULSE WIDTH | LFO1 MOD |
CROSS | MOD DEPTH | LFO1 MOD | |
UNISON | DETUNE | PHASE | |
VPM | MOD DEPTH | HARMONICS | |
TRIANGLE | WAVEFORM | WAVEFORM | LFO1 MOD |
CROSS | MOD DEPTH | LFO1 MOD | |
UNISON | DETUNE | PHASE | |
VPM | MOD DEPTH | HARMONICS | |
SINE | WAVEFORM | WAVE SHAPE | WAVE SHAPE MOD |
CROSS | MOD DEPTH | LFO1 MOD | |
UNISON | DETUNE | PHASE | |
VPM | MOD DEPTH | HARMONICS | |
FORMANT | WAVEFORM | FORMANT WIDTH | FORMANT SHIFT |
NOISE | WAVEFORM | RESONANCE | LPF/HPF |
PCM/DWGS | WAVEFORM | — | WAVE SELECT |
AUDIO IN | WAVEFORM | GAIN | — |
さて、1つずつ説明します。
WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM
取扱説明書には、「波形を変化させます」と書いてあって、SAWの場合、
ノコギリ波は、ベースやパッドなど、幅広いアナログ・シンセサイザー独特の音色を作るのに適した波形です。0で純粋なノコギリ波になり、127 で1 オクターブ高いノコギリ波になります。
引用「microKORG XL+ 取扱説明書」より
実験して確かめましょう。
パラメーターの説明
OSC1 CTRL1:WAVEFORM
設定値:[000…127]
[INITPROG]の設定値:0
実験(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM)
OSC1 CTRL1:WAVEFORMの値による波形の変化を確認します。
実験1(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:0)
まずは「OSC1 CTRL1:WAVEFORM」を0として、何も波形を変更していないノコギリ波を鳴らしてみます。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を0に設定(変更なし)
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
周波数スペクトル
実験2(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:32)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を32に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
ノコギリの山が2つになった。
周波数スペクトル
1kHz~2kHzあたりはあまり変わっていないですが、600Hzあたりから周波数成分に変化がありますね。
実験3(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:64)
もう少し値を大きくして確認してみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を64に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
えぐみが増えてきた感じ。
波形
周波数スペクトル
実験4(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:96)
もっと値を大きくして確認してみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を96に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
波形が2つに分かれてきました。
周波数スペクトル
また違った周波数成分になりました。
実験5(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:127)
値を最大にして確認してみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を127に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
1オクターブ高くなっちゃった。
取扱説明書の説明通りです。
波形
波形を見ても「127 で1 オクターブ高いノコギリ波になります。」ということで、波形が倍になりました。
周波数スペクトル
A=220Hzを弾いたのですが、基音が440Hzになりました。
実験6(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORM、OSC1 CTRL1:WAVEFORM:0→127)
では、「OSC1 CTRL1:WAVEFORM」の値を手動で0→127に変化させて音を鳴らしてみます。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC1 MOD」を[WAVEFORM]に設定(変更なし)
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を0に設定
- A=220Hzを弾く
- 「OSC1:CONTROL1:WAVEFORM」を手動で0→127に変化させる
音データ
まとめ
今回は「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <2>」と題して、「OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM)」について説明しました。
SAW(ノコギリ波)から波形を変化させて、新たな波形を生み出す機能。
このパラメーターは音のイメージがしやすいですね。
ご理解いただけましたでしょうか。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回もWAVEFORMの続きです。
「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <3>」と題して、「OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係(WAVE:PULSE、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:PULSE WIDTH)」について説明します。
「PULSE WIDTH」です。
従来のアナログ・シンセサイザーにあった機能の中でも説明しましたが、改めて説明します。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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