みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 087 Snow Ball」と題して、MODE: EFFECTにPHASERを使用したプリセット・プログラム「087 Snow Ball」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
ピッチが感じられるノイジーな音です。
ノイズの部分では、MODE: EFFECT: PHASERでうねりを発生させ、アタック感はMODE: EFFECT: PUNCHで作っています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して1周します。
音データ
NOISEをPHASERをフルにかけた王道の音です。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して適当にモジュレーション・ホイールを上下します。
音データ
NOISE PINKのCOARSE RATIOを
モジュレーション・ホイールで動かしただけ。
面白いですね。
実験3: エフェクトをオフにして弾いてみる
エフェクトをすべてオフにして、シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して1周します。
音データ
エフェクトなしでも良い音に仕上がってます。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムは06が使用されています。
3つのキャリアとモジュレーターの直列接続の組み合わせで、OP5とOP6の間でフィードバック可能な設定です。
MODE: EFFECTのPHASERはモジュレーターのOP2で使用されています。
キャリアのOP3側、OP5側はすべてMODE: FM、WAVEはSINE 8BITが使用され、RATIOは1.0000です。
キャリアのOP1側はモジュレーターのOP2がNOISE PINKの波形をMODE: EFFECTのPHASERにより加工した音をキャリアのOP1のMODE: EFFECTのPUNCHでアタックを強調しています。
OP1のオシレーターのレベルは0です。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
キャリアのディケイ・タイムとリリース・タイムが3.000sと長く設定されています。
OP2のサスティン・レベルが100に設定されていて、鍵盤を押している間はレベルに変化がありません。
OP2のリリース・タイムが2.000sとキャリアのOP1より短い設定になっているので、音がなくなる前に音の変化があるように設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHでは、OP3~OP6にDETUNEが設定されています。
OP-P MOD
OP-P MODでは、OP3~OP6にLFO1によりピッチが変化するように設定されています。
OP-L MOD
OP-L MODでは、OP2以外でベロシティによりレベルが変化するように設定されています。
OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACKでは、すべてのオペレーターで基準キーC2より高いキーでマイナス側、低いキーでプラス側の設定がされています。
FILTER
FILTERのタイプはLPF12が設定されています。
EG2 INTの値が設定されて、CUTOFFの時間的変化の効果が設定されています。
キー・トラックもC4の基準キーより高いキーで+1.00、低いキーで-1.00が設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG
EG2はDECAY/RELEASE TIMEが長く設定され、ゆっくりと減衰する時間的変化となっています。
EG2はFILTERのカットオフ周波数に対して時間的変化を与えるように設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hz(LFO1)、2.00Hz(LFO2, LFO3)に設定されています。
LFO1はOP-P MODでOP3~OP6のピッチが変化するように設定されています。
LFO1はPROGRAM PITCHでピッチへの効果が設定され、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、幻想的な演出を作り出しています。
- FX1に設定されたUNISON ENSEMBLEは、音が相当揺れるぐらい深くかけてます。
でもディレイやリバーブをかけて演奏すると気にならなくなる。 - FX2に設定されたDELAY(BPM)は、テンポに同期させたディレイですっきり感を演出しています。
- FX3に設定されたSHIMMER REVERBで、TYPEをCLEARに設定してディレイと相まってすっきり感のある残響を増しています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP2のCOURSE RATIOの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
MISC
MISCページ・グループのパラメーターでは、INITプログラムから以下の項目が変更されています。
- LFO1 INTを1.00semiに設定して、LFO1のピッチへの効果が設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでAftertouchが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
VOICE
UNISON VOICEが2に設定され、UNISON DETUNEが20centsの設定です。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 087 Snow Ball」と題して、MODE: EFFECTにPHASERを使用したプリセット・プログラム「087 Snow Ball」のパラメーターを分析しました。
エフェクトなしでも仕上がってます(笑)
FM音源の王道の音です。
MODE: EFFECTのPHASERはフルで使われていたので、パラメーターの実験はしませんでした。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 022 Comb Piano」と題して、MODE: EFFECTにCOMB FILTERを使用したプリセット・プログラム「022 Comb Piano」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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