みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 062 FMarimba」と題して、オペレーターの音作りをした後にフィルターを使用したプリセット・プログラム「062 FMarimba」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
FM音源特有のマリンバの音です(ちょっと懐かしい)。
オペレーターの音作りをした後にフィルターを使用して音の柔らかさを加味しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
レゲエ調のシーケンスにDELAY(BPM)で気持ちよくディレイ音が鳴るようにしていますね。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
シーケンサーをONにしてモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。
音データ
モジュレーション・ホイールを動かすと音の揺れが発生して、シーケンスのリズムに心地よい音となっています。
実験3: FILTERを変化させる(その1)
opsixはオペレーターで音作りをした後にフィルターがかけられます。
このプログラムではLPF 12を使用していますが、LPF MS-20に変更してみましょう。
測定方法
FILTER: TYPEをLPF 12をLPF MS-20に変更
シーケンサーのPLAYボタンを押した後、FILTER: RESOを0→100%に変化させる。
音データ
ここからはKAMINの遊びです(笑)
FILTERによってキャラクターを付けることができますね。
LPF MS-20を試してみたかったのです(笑)
実験4: FILTERを変化させる(その2)
今度はLPF POLY6に変更してみましょう。
測定方法
FILTER: TYPEをLPF 12をLPF MS-20に変更
シーケンサーのPLAYボタンを押した後、FILTER: RESOを0→100%に変化させる。
音データ
LPF MS-20とは違ったキャラクターです。
やさしくもあり、抜け感が面白いですね。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには03番のアルゴリズムが設定されています。
OP1~OP3、OP4~OP6の直列接続の構成となっています。
各オペレーターでMODE: FMのサイン波が設定されていて、モジュレーターのRATIOとレベルが違った設定になっています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
減衰音となっていますが、CURVEパラメーターを変更して減衰カーブで調整しているのがデータから推察できます。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHページでは、OP5でえDETUNEの設定がされています。
OP-L MOD
OP-L MODページでは、ベロシティが各オペレーターに対して設定されています。
OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACKページでは、基準期より高いキーの位置によりレベルが低くなるように設定されています。
FILTER
FILTER TYPEにLPF 12が使用されています。
カットオフ周波数はEG2の時間的変化をするように設定、音の強弱(VELOCITY)で効果をコントロールするように設定されています。
基準キーC4に対して、キーが低くなるほどマイナスに、キーが高くなるほどプラスになるように設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG
EG2は、フィルターのカットオフ周波数に対して設定されていて、ベロシティで効果をコントロールさせるように設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが4.89Hzに設定されています。
LFO1はバーチャル・パッチでプログラムのピッチを変化させるように設定されています。
また、PROG-PITCHページでは、アフタータッチでピッチへの効果が設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。
LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。
EFFECT
3つのエフェクトにより、以下の効果がありました。
- FX1に設定されたCHORUSは、音をなめらかにしています。
- FX2に設定されたEARLY REFLECTIONは、倍音のキャラクターを際立させるように設定されています。
- FX3に設定されたDELAY(BPM)は、シーケンサーで聴くとリズムに合わせてディレイが発生する心地よさがあります。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、プログラムのピッチをLFO1で変化させるように設定されています。
MISC
MISCページ・グループのパラメーターでは、INITプログラムから以下の項目が変更されています。
- LFO1 INTを1.20semiに設定して、LFO1のピッチへの効果が設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでAftertouchが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 062 FMarimba」と題して、オペレーターの音作りをした後にフィルターを使用したプリセット・プログラム「062 FMarimba」のパラメーターを分析します。
オペレーターで音作りをした後にこのFILTERでキャラクターを変更したり、補正することができるのがopsixです。
オペレーター側のMODE: FILTER、MODE: FILTER FMも面白いですが、アナログ・シンセサイザーの使い方と同じことができます。
FILTER: TYPEのLPF MS-20とLPF POLY6はかかり具合が面白いです。
このFILTERにはオペレーター側のMODE: FILTER、MODE: FILTER FMにあったMOOGのフィルターをシミュレートしたフィルター・タイプがないですが、LPF MS-20とLPF POLY6は独特のキャラクターがありますよ。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 082 MIDI Stack」と題して、モジュレーターに違った波形を使用したプリセット・プログラム「082 MIDI Stack」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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