みんさん、こんにちは、
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(4):オシレーター・シンク、リング・モジュレーションとオシレーター・シンクを同時に使う」について説明します。
今回もいっぱい実験しちゃってます。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
オシレーター・シンク
オシレーター・シンクは、OSC2の波形をOSC1の波形の位相を強制的に同期させる機能です。
強制的に波形を同期させることで、より複雑な波形を生み出します。
機能図
引用「microKORG XL+ 取扱説明書」より
音作りの手順
- 「MIXER」セクションで「OSC2」のレベルを上げる
- 「OSC2」セクションの「OSC MOD」で「SYNC」を選択する
- 「OSC1」、「OSC2」セクションの「WAVE」で波形を選択
- 「OSC2」セクションの「SEMITONE」と「TUNE」パラメーターで音の高さをずらす
- 「WAVE」の選択を含めて微調整をして音作りを完了する
※「SYNC」の選択以外は「RING MODULATION」と操作は同じです。
では、実験してみましょう。
実験(OSCILLATOR SYNC)
実験1(OSC2:OSC MOD:SYNC、OSC2:TUNE:+32)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[SYNC]に設定
- 「OSC2:TUNE」を+32に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
パルス波の波形の比率(デューティー比)が変化しました。
オシレーター・シンクにより強制的に同期がとられている様子がみられます。
周波数スペクトル
パルス波より複雑な周波数スペクトルになっています。
実験2(OSC2:OSC MOD:SYNC、OSC2:TUNE:0→+63)
実験1の設定で「OSC2:TUNE」を[0→+63]へ手動で変化させてみました。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[SYNC]に設定
- 「OSC2:TUNE」を0に設定
- A=220Hzを弾く
- 「OSC2:TUNE」を0→127に変化させて、音を確認
音データ
パルス波のデューティー比が徐々に変化して最後は音がシュワシュワ鳴るだけになりました。
リング・モジュレーションとオシレーター・シンクを同時に使う
「OSC2:RING」と「OSC2:SYNC」は同時に使うことができます。
音作りの手順
- 「MIXER」セクションで「OSC2」のレベルを上げる
- 「OSC2」セクションの「OSC MOD」で「SYNC」と「RING」を同時に選択する
- 「OSC1」、「OSC2」セクションの「WAVE」で波形を選択
- 「OSC2」セクションの「SEMITONE」と「TUNE」パラメーターで音の高さをずらす
- 「WAVE」の選択を含めて微調整をして音作りを完了する
機能図
実験(リング・モジュレーションとオシレーター・シンクを同時に使う)
同時に使ったら、どうなるんだろう...って、やってみましょう。
実験1(OSC2:OSC MOD:RING-SYNC、OSC2:TUNE:+32)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]と[SYNC]を同時に設定
- 「OSC2:TUNE」を+32に設定
- A=220Hzを弾く
音データ
ちょっと鼻にかかったような音に変化しましたね。
波形
周波数スペクトル
実験2(OSC2:OSC MOD:RING-SYNC、OSC2:TUNE:0→+63)
では、実験1の設定で「OSC2:TUNE」を0→+63に変化させて音を聞いてみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
- 「OSC2:WAVE」を[PULSE]に設定
- 「MIXER:OSC1」を0に設定
- 「MIXER:OSC2」を127に設定
- 「OSC2:OSC MOD」を[RING]と[SYNC]を同時に設定
- 「OSC2:TUNE」を0に設定
- A=220Hzを弾く
- 「OSC2:TUNE」を0→+63に変化させて、音を確認する
音データ
まとめ
今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(4):オシレーター・シンク、リング・モジュレーションとオシレーター・シンクを同時に使う」について説明しました。
オシレーターのパラメーターを設定しているだけでも、いろんな音が鳴りました。
「リング・モジュレーター」は、波形の足し算、引き算の効果。
「オシレーター・シンク」は、強制的に波形を最初の位置に戻しちゃうことで、波形に変化を与えています。
どちらもシンセサイザーにしかできない音作りです。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回は従来のアナログ・シンセサイザーにあった、シンセサイザーの基本構成の最後、「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(5):ノイズ・ジェネレーター」について説明します。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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