みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 007 Waveshape EP」と題して、MODE: EFFECTにWAVESHAPERを使用したプリセット・プログラム「007 Waveshape EP」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
真夜中の雑踏といったイメージの音。
フュージョン、聴き過ぎたかなぁ(笑)
MODE: EFFECT: WAVESHAPERは「ゴーッ」と後ろで鳴っている音です。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
気持ちの良い音です。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
3回コードを弱→強で弾いて、その後モジュレーション・ホイールを0→最大に動かす。
音データ
エンディングでちょっと使ってみたくなる効果ですね。
このプログラムはベロシティが効いていましたので、
強弱による効果も入れました。
実験3: MODE: EFFECT: WAVESHAPERのOSC MIXを0→1→5→10と変化させる。
- OP1とOP3のMODE: EFFECT: WAVESHAPERのOSC MIXを1(設定値)→0にします。
- シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
- OP1とOP3のMODE: EFFECT: WAVESHAPERのOSC MIXを交互に0→1→5→10と変更します。
音データ
FM音源とWAVESHAPERの相性が良い!
私がopsixを薦める理由の一つです。
60種類の波形の中から効果的な波形を選ぶ楽しさがあります。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムは05が使用されています。
3つのキャリアとモジュレーターの直列接続の組み合わせです。
MODE: WAVESHAPERはキャリアのOP1、OP3で使用されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP-EGは、ディケイ・タイムを10秒と長めに設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHで4つのオペレーターでDETUNEの設定がされています。
これにより音の厚みと揺れが演出されています。
OP-P MOD
OP-P MODでEG1、LFO1による効果が設定されています。
OP-L MOD
OP-L MODでベロシティが設定されています。
OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACKで高い音の鍵盤の位置による音の変化にマイナス設定がされています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
EG1とLFO1が使われていますが、あとは使われていないようです。
EG1のCURVEはINITの0→8に設定されていて、減衰時に急峻にレベルが低くなるカーブとなっています。
EG1はOP-P MODでOP1, OP3, OP6のピッチに対して時間的変化を与えるように設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがOFF(LFOの位相がリセットされない)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが5.80Hz、FADE(フェード・イン)が0.960sに設定されています。
LFO1はOP-P MODでOP4, OP5のピッチに対して周期的変化を与えるように設定されています。
LFO1はPROGRAM PITCHでピッチへの効果が設定され、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
EFFECT
エフェクトは3種類設定されていて、ちょうど良い塩梅といった言葉がふさわしい潤沢な演出です。
- FX1のUNISON ENSEMBLEは、かけるとより広がりが出てきます。
- FX2のTAPE ECHOは、高域を控えめにしたエコーです。
- FX3のREVERBはTYPEがSMOOTH HALLで残響効果を演出しています。
エコーをかけた分の残響音をうっすらかけた、という感じです。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP2のMODE: FMのFEEDBACKにベロシティで変化を与えるように設定されています。
- V.PATCH2は、OP4のMODE: FMのFEEDBACKにベロシティで変化を与えるように設定されています。
- V.PATCH3は、OP4のPITCHをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、OP6のLEVELをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、OP2のPITCHをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH6は、OP2のLEVELをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH7は、OP4のLEVELをモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
- V.PATCH8は、UNISON: DETUNEの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
MISC
MISCページ・グループのパラメーターでは、INITプログラムから以下の項目が変更されています。
- LFO1 INTを2.00semiに設定して、LFO1のピッチへの効果を設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでAftertouchが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
VOICE
UNISON: VOICEが2に設定されていて、ユニゾン効果を演出しています。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 007 Waveshape EP」と題して、MODE: EFFECTにWAVESHAPERを使用したプリセット・プログラム「007 Waveshape EP」のパラメーターを分析しました。
ねっ、良いでしょWAVESHAPER!
ピッチが正確なFM音源との相性ばっちりです。
PCM音源とかだともっとノイジーになってしまうと思います。
このプログラムはうっすらと効果を出していますが、色々な使い方がありそうです。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 086 FM Airy Bell」と題して、MODE: EFFECTにPUNCHを使用したプリセット・プログラム「086 FM Airy Bell」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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