みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 009 Punchy Wire Piano」と題して、MODE: EFFECTにPUNCHを使用したプリセット・プログラム「009 Punchy Wire Piano」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
アタックが強いエレピの音です。
このアタック感はMODE: EFFECT: PUNCHで作られています。
実験
では、音で確認しましょう。
- PUNCHを変更
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A3=220Hzを弱、中、強と弾く強さを変えて弾いて、最後は長く弾く
音データ
長く弾いてみないと効果がわからなかった。
やってみて正解。
実験2: OP3: PUNCHのパラメーターを変化させる
では、OP3のMODE: EFFECTのPUNCHのPUNCHパラメーターを動かして音の変化を確認します。
以下のアルペジエーターの設定で、A3=220Hzを弾きながら、PUNCHパラメーターを0%→100%に変えます。
音データ
PUNCHはいいですね。
効果がはっきりしてる。
microKORG XL+でも経験していますが、この効果が欲しい時にPUNCH機能がないと苦労しますよ。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
主な内容は以下の通りです。
- アルゴリズムは01で、2つのキャリアで直接接続の組み合わせです。
- キャリアOP1側は、芯となる音を作っています。
- キャリアOP3側で弦をはじく音を作っていて、「ポーンッ」といったオルゴールのような音も含んでいますね。これはMODE: EFFECTのPUNCHの機能が効いていて、アタックが強調されています。
- キー・トラックが各オペレーターに設定されていて、モジュレーターでは鍵盤の位置によって音の変化が演出されています。
- フィルターにはLPF POLY-6が使用されていて、レゾナンス効果で弦の音を演出した設定になっています。
- エフェクトにより、すっきりした空間を演出しています。
- バーチャル・パッチで鍵盤の位置による音の変化が設定されています。
- バーチャル・パッチでモジュレーション・ホイールにエフェクトのAUTO PANのDEPTHの値をコントロールするように設定されています。
- エフェクトを含めたユニゾン効果で弦の鳴りを演出しています。
では、各ページでのパラメーター設定を確認します。
アルゴリズム
アルゴリズムは01で、2つのキャリアで直接接続の組み合わせです。
すべてWAVEはSINEが使用されています。
2つのキャリアのうち、OP1にはMODE: WAVE FOLDERを、OP3にはMODE: EFFECTのPUNCH、その他はMODE: FMを設定されています。
キャリアOP1側は、モジュレーターOP2にRATIOの周波数比を2.0000を設定して、キャリアと1:2となっています。
キャリアOP3側は、モジュレーターが3つあり、1:1:4:FIXEDと最後が1043HzのFIXEDとなっています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
2つのキャリアのうち、OP1にはMODE: WAVE FOLDERを、OP3にはMODE: EFFECTのPUNCH、その他はMODE: FMを設定されています。
キャリアOP1側は、芯となる音を作っています。
キャリアOP3側で弦をはじく音を作っていて、「ポーンッ」といったオルゴールのような音も含んでいますね。
PUNCHの機能が効いていて、アタックが強調されています。
microKORG XL+にもありましたが、PUNCHはわかりやすくて使い勝手の良いパラメーターです。
キャリアOP1側のMODE: WAVE FOLDERで作った音は、落ち着いた波形ですが、芯のある音がしています。
OP-EG
数値で見るとディケイ・タイムとリリース・タイムが長い(笑)
CURVEが6でINITと同じです。
減衰は早めなのでこのぐらいの時間になっていますが、聴感上はそれほど長く感じません。
opsixはエンベロープ・ジェネレーターのTIMEの設定は時間単位ですから感覚的にならずにすみます。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
各オペレーターにレベル・ベロシティが設定されています。
キー・トラックも各オペレーターに設定されていて、モジュレーターでは鍵盤の位置によって音の変化が演出されています。
FILTER
フィルターにはLPF POLY-6が使用されていて、レゾナンス効果で弦の音を演出した設定になっています。
EG2によりレゾナンスの効果に時間的変化を付けています。
また、LFO2による効果をアフタータッチでコントロールするように設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG2がフィルターで使われています。
オペレーターのエンベロープ・ジェネレーターと同様に、ディケイ・タイム、リリース・タイムが長く設定されています。
EG3はバーチャル・パッチでLFO1のSPEEDパラメーターを変化させています。
LFO1はKEY SYNCパラメーターがOFF、SPEEDパラメーターが1.05Hz、FADEパラメーターが0.173に設定されて、KEY SYNCがOFFなので鍵盤を弾くたびにLFOの位相の始まりが変化します。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、すっきりした空間を演出していますね。
- FX1のAUTO PANで広がりを演出
- FX2のUNISON ENSEMBLEはうっすらとユニゾン効果をかけて弦の響きを演出
- FX3のREVERBはSmooth Hallが選択されていて、すっきりした残響です。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、プログラムの全体のDECAY TIMEを鍵盤を弾く強弱(ベロシティ)によってコントロールするように設定されています。
- V.PATCH2は、プログラムの全体のDECAY TIMEを鍵盤の位置(NOTE NUMBER)によって変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、LFO1のSPEEDパラメーターの値をEG3でコントロールするように設定されています。
- V.PATCH4は、FX3のREVERBのLEVELの値を鍵盤の位置(NOTE NUMBER)によって変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、FX1のAUTO PANのDEPTHの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
MISC
- ピッチに関しては、ピッチ・ホイールを動かしてもピッチの変化をなくした設定です。
- LFO1の効果を1.5半音としてモジュレーション・ホイールを動かすことで変化量をコントロールする設定です。
- OSC PHASEをRANDOMに設定して、弾くタイミングによって波形の位相(波形のどこから始まるか)をランダムに変化させています。
VOICE
- GLIDEが設定されていますが、GLIDE TIMEは0なので、GLIDE MODEのLEGATOの効果のみです。
- UNISON VOICEが設定されています。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 009 Punchy Wire Piano」と題して、MODE: EFFECTにPUNCHを使用したプリセット・プログラム「009 Punchy Wire Piano」のパラメーターを分析しました。
これだけいろいろなパラメーターを見ていると、目的のMODE: EFFECTのPUNCH機能の説明が少なくなってしまいました。
PUNCHは良いですよ。
わかりやすくて効果的に使える機能です。
「ぷすっ」といった音のアタックを追加したいときはこの機能を使えば間違いないです。
他のパラメーターで工夫するより楽です。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: BYPASS、MODE: MUTEの説明」と題して、機能の説明をします。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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