みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 311 KONG’s Footstep」と題して、プリセット・プログラム「311 KONG’s Footstep」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
抑圧的な重低音の音です。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
アルペジエーターをONにして、A3=220Hzを弾きながら、モジュレーション・ホイールを適当に動かします。
音データ
うーん、モジュレーション・ホイールの効果がわからない...
低音の上げられるところはすべて上げて、音圧も上げて...
実は音がはっきりしないけれど、凄い音圧で設定値よりレベルを下げてます。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムは01が設定されています。
2つの直列接続でキャリアのOP1側が2つ、OP3側が4つのオペレーターで構成されています。
キャリアのOP1側は、モジュレーターのOP2でNOISE PINKの波形をMODE: EFFECTのDISTORTIONで加工した音をOP1でFIXEDの30.00HzのSINE波を混ぜてMODE: FILTERで加工した音を出力します。
キャリアのOP4側は、モジュレーターのOP6のSINE 8BITの波形をOP5のオシレーターのNOISE PINKの音を混ぜてMODE: EFFECTのSHELV EQで加工し、OP4のMODE: EFFECTのPHASERで加工した音をMODE: EFFECTのCOMB FILTERで加工。その音を出力します。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
キャリアのOP1側はOP2のNOISE PINKの波形でアタックを強調した音としてサスティン・レベル50で持続させる設定です。
キャリアのOP3側は、モジュレーターのアタック・タイムが遅い立ち上がりになっていて、徐々に効果が発生してサスティン・レベルが100のため、最大レベルになると持続音ではレベルが保たれています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-P MOD
OP-P MODでは、OP1がEG1によりピッチを変化させるように設定されています。
また、OP3がLFO1によりピッチを変化させるように設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
EG1はOP-P MODでOP1のピッチが変化するように設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがRANDOM: LEVEL、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが5.00Hzに設定されています。
LFO1はOP-P MODでOP3のピッチが変化するように設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。
LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.10Hz、PHASE(始まりの位相角度)に設定されています。
LFO3はバーチャル・パッチでOP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQパラメーターの値が変化するように設定されています。
LFO3のSPEEDパラメーターはバーチャル・パッチでアフタータッチにより変化するように設定されています。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、低音と音圧を上げています。
- FX1に設定された3-BAND EQは、このプログラムの特徴的な低音を更に上げています。
- FX2に設定されたMASTER LIMITERは、音圧を上げています。
- FX3に設定されたSHIMMER REVERBで、TYPEをRISERに設定してます。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のPITCHの値をNOTE NUMBER(鍵盤のキー・ポジション)で変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP4のMODE: EFFECTのPHASERのFREQパラメーターの値にLFO3で変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、LFO3のSPEEDパラメーターの値をアフタータッチで変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、OP4のMODE: EFFECTのCOMB FILTERのFBの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、OP1のPITCHの値をピッチ・ホイールのプラス側の変化量で変化するように設定されています。
- V.PATCH6は、OP1のPITCHの値をピッチ・ホイールのマイナス側の変化量で変化するように設定されています。
MISC
ピッチ・ホイールの変化量がBEND UPに60semi(5オクターブ)、BEND DOWNに-48semi(4オクターブ)が設定されています。
LFO1 INTを20.00semiに設定して、LFO1のピッチへの効果が設定されています。
これは、LFO1 CTRL SRCでAftertouchが設定されているので、アフタータッチで効果の強弱を得られるようになっています。
VOICE
UNISON VOICEが2に設定され、UNISON DETUNEが10centsの設定です。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 311 KONG’s Footstep」と題して、プリセット・プログラム「311 KONG’s Footstep」のパラメーターを分析しました。
これでもかっていうぐらい、いろんなパラメーターで低音が上がっています。
うーん、どこまで低音が欲しいのかわからない(笑)
NOISE PINKを使いたかったのかな...
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 087 Snow Ball」と題して、MODE: EFFECTにPHASERを使用したプリセット・プログラム「087 Snow Ball」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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