みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 327 [TMP] 2OP FM」と題して、MODE: FMを使用したプリセット・プログラム「327 [TMP] 2OP FM」のパラメーターを分析します。
opsixのプリセット音を自分なりに分析してみました。
INITプログラムからの変更点をみています。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
オペレーターを2つ使ったFM変調の音です。
MODE: FMの機能については以下のページから10ページで説明しています。
ご覧ください。
KORG opsixの機能: FMのオペレーターとアルゴリズム
MODE: FMの波形(WAVE)とパラメーターによる音の変化は以下のページから各波形ごとに説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A3=220Hzを4回、弾きます。
音データ
4回とも音の変化があるのは、LFO2: KEY SYNCをOFFにしているからです。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
A3=220Hzを弾きながら、モジュレーション・ホイールを動かします。
音データ
弾いた後、モジュレーション・ホイールを奥へ動かして、最大にした後に手前に戻しています。
音が変化する周期が変わりました。
実験3: OP LEVELスライダーでの音の変化
A3=220Hzを弾きながら、6つあるOP LEVELスライダーを動かします。
音データ
OP1はキャリアなので音量が下がってしまうので操作していません。
最初はOP3からOP6を適当に上下させています。
後半はOP2もレベルを上げて、OP3からOP6を適当に上下させています。
理由はキャリアに近いモジュレーターの影響が強いからです。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
INITプログラムから以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム34のオペレーターの多段接続の組み合わせを選択
- OP1がキャリアでOP2以降がモジュレーター
- OP LEVELが、OP1が100%、OP2が40%。OP3以降は0%
- LFO1 OPのWAVEパラメーターに「EXP. TRIANGLE」を設定
- LFO2のSPEEDパラメーターに0.05Hzを設定
- LFO1、LFO2のKEY SYNCをOFFに設定
- バーチャル・パッチでOP2 LEVELをLFO2にて変調するように設定(40)
- バーチャル・パッチでLFO2のSPEEDパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定(80)
- MISC: PROG PITCHにて、LFO1で1.5semi(1.5半音)をアフタータッチでコントロール
よって、以下のことを想定してパラメーター設定されたプログラムとなっています。
- OP1とOP2の直列接続でOP2のモジュレーターにより変調している音
- LFO2にて、OP2のLEVELを変化させることでゆっくりと波形が変化する
- モジュレーション・ホイールで、LFO2の周期を変化させる
- アフタータッチでLFO1のピッチへの効果をコントロール
- アルゴリズム34を使っているので、OP LEVELを変更すると、RATIO=1.0000の多段直列接続での音の変化を味わうことができる
では、以下より、パラメーターの説明をします。
アルゴリズム
34番の新規追加されたアルゴリズムが設定されています。
初期設定値はOP3~OP6のオペレーターのレベルが0%ですので、2つのオペレーターで音が作られています。
ここからは2つのオペレーターのみの解析となります。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
- モードでは、すべてMODE: FMを設定
- WAVEはすべてSINE
- OP LEVELは、OP1(キャリア)=100%、OP2(モジュレーター)=40%、その他のオペレーターは0%
- FREQUENCY MODEは、すべてのオペレーターでRATIO: 1.0000
オペレーターのOP LEVELをopsix本体左側のスライダーを調整することで多段接続での音の変化が楽しめます。
OP-EG
すべてのオペレーターのエンベロープ・ジェネレーターはINITプログラムと同じ値です。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACKページのパラメーターもINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTER
FILTERページのパラメーターもINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
- LFO1 OPのWAVEパラメーターに「EXP. TRIANGLE」を設定
- LFO2のSPEEDパラメーターに0.05Hzを設定
- LFO1、LFO2のKEY SYNCをOFFに設定
LFO1、LFO2のKEY SYNCをOFFに設定しているので、鍵盤を押すたびに位相はリセットされないので、弾くタイミングによって音が変わるように設定されています。
EFFECT
3系統のEFFECTはすべてOFF設定です。
VIRTUAL PATCH
- バーチャル・パッチでOP2 LEVELをLFO2にて変調するように設定(40)
- バーチャル・パッチでLFO2のSPEEDパラメーターをモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定(80)
MISC
- MISC: PROG PITCHにて、LFO1で1.5semi(1.5半音)の揺れをアフタータッチでコントロール
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 327 [TMP] 2OP FM」と題して、MODE: FMを使用したプリセット・プログラム「327 [TMP] 2OP FM」のパラメーターを分析しました。
バーチャル・パッチを使うことでオペレーターのレベルも操作できますので、ソースをベロシティにすれば、鍵盤を弾く強さによって音色の変化もかけられますよね。
opsixはアフタータッチ対応の鍵盤ではないので実験しませんでしたが、MIDIキーボードを持っている方は是非やってみてください。
今回は、opsixのプリセット音の分析を自分なりにやってみました。
パラメーターの説明ではまだ説明していないパラメーターがあって、ちょっと先走った感がありますが、「数は多いけれど、整理すれば自分でもできそう」と感じていただきたかった。
「ノブやスライダーを動かして音が変化するけれど、なんでだろう?」がわかってくると、自分なりにエディットしたくなってきますよ。
私はそのためにopsixとopsix nativeを同時購入しましたから。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODEページ・グループ」について説明します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
コメント