みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 339 [TMP] Comb LFO」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「339 [TMP] Comb LFO」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
もう少しでヒーローが出てきそうな音です(笑)
MODE: EFFECT: COMB FILTERで中域にクセのある音、MODE: EFFECT: DRIVEで煌びやかさが増すように設定されています。
MODE: EFFECT: COMB FILTER、MODE: EFFECT: DRIVEの機能については以下のページで説明しています。
ご覧ください。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
A3=220Hzを弾きます。
音データ
クセのある音はMODE: EFFECT: COMBによるものですね。
実験2: モジュレーション・ホイールを動かす
A3=220Hzを弾きながらモジュレーション・ホイールを適当に動かします。
音データ
OP2のPITCHが移動していくのがわかります。
実験3: OP2: DRIVEのパラメーターを変化させる
では、OP6のMODE: EFFECTのDRIVEのDRIVEパラメーターを動かして音の変化を確認します。
A3=220Hzを弾きながら、DRIVEパラメーターを0%→100%に変えて弾きます。
音データ
DRIVEの値で煌びやかさが変化しました。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
確認したところ、テンプレートのプログラムなので複雑な設定はされていませんでした。
LFOによってピッチが変化する設定になっていて、COMB FILTERのFEEDBACLにより独特の煌びやかな音がします。
INITプログラムから以下のような設定がされていました。
- アルゴリズム35を使っているが、キャリアであるOP1とモジュレーターのOP2のOP LEVELが100%で、あとはMUTEされています。
- OP2のフェイズのかかったNOISE WHITEの音と、OP1のNOISE PINKの音をPUNCH機能によりアタックが強調されています。
- V.PATCH1は、OP2のCOARSE RATIOの値をモジュレーション・ホイールの操作で変化するように設定されています。
- LFO1 INTを2.00semi(2半音ですから1音)を設定して、アフタータッチで効果が出るように設定されています。
アルゴリズム
アルゴリズム35は2つのキャリアでY字接続されているアルゴリズムです。
初期設定値はOP3~OP6のオペレーターはミュートされていて使っていません。
なので2つのオペレーターで音が作られています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP1、OP2のどちらもWAVEはSINEが使用されています。
キャリアのOP1にMODE: EFFECTのCOMB FILTERが設定されています。
バーチャル・パッチでLFO2によってPITCHに変化するように設定されています。
モジュレーターのOP2には、MODE: EFFECTのDRIVEが設定されています。
FREQUENCY MODEにFIXEDの1000.00Hzが設定されていて、同じ周波数でキャリアOP1に出力されます。
DRIVEパラメーターが0%のため、DRIVEの効果がありません。
バーチャル・パッチでPITCHがLFO1とモジュレーション・ホイールにより変化するように設定されています。
OP-EG
エンベロープはキャリアのOP1のアタック・タイムを100msとしています。
また、ディケイ・タイムとリリース・タイムが長く設定されています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-KEY TRACK
OP-P MODではモジュレーターのOP2には、ベロシティとLFOでPITCHを変化するように設定されています。
OP2はFREQUENCY MODEがFIXEDで1000.00Hzが設定されているため、40.00semi(半音)でLFO1の90度の位相からPITCHが変化するように設定されています。
OP-L MODでは、キャリアのOP1にベロシティによりレベルが変化するように設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、LPF12のCUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
LFO1はKEY SYNCがVOICE、PHASEが90degになっており、鍵盤を押す度にLFOの位相が90度から始まる設定です。
EFFECT
FX2に3-BAND EQが設定されていますが、GAINが0.0dBのため効果はありません。
FX3のREVERBはTYPEがSMOOTH HALLを選択していて、すっきりした残響効果を演出しています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP2のPITCHの値をLFO1で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、プログラム全体のPITCHをLFO2で周期的変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、OP2のPITCHの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで値を変化するように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
UNISON: VOICEが2に設定されていて、ユニゾン効果を演出しています。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 339 [TMP] Comb LFO」と題して、MODE: EFFECTにDRIVEを使用したプリセット・プログラム「339 [TMP] Comb LFO」のパラメーターを分析しました。
MODE: EFFECTのCOMB FILTERとDRIVEで音が作られています。
DRIVEの値で煌びやかさが変化しました。
いろいろと試してみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixの機能: MODE: EFFECT: DECIMATOR」と題して、機能説明と実験をします。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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