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シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(2):クロス・モジュレーション

この記事は約5分で読めます。

みんさん、こんにちは、
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(2):クロス・モジュレーション」について説明します。

このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。

クロス・モジュレーション

クロス・モジュレーション

クロス・モジュレーション(CROSS MODULATION)とは、OSC2(モジュレーター)の出力波形でOSC1(キャリア)の周波数を高速に変調し(モジュレーション)、うねりのある音色を得ることができる機能のことです。

「microKORG XL+ 取扱説明書」より

Sound EDITOR上では「OSC1:OSC MOD:CROSS」を選択することにより、機能します。

「OSC1:MOD DEPTH」でOSC2の波形からの変調の深さを調整します。

「波形で波形を高速に変調する?」って、よくわからないですよね(笑)

「変調」は、「くすぐる」って考えるとイメージしやすいです。

  • OSC1の波形に対して、OSC2の波形で変調する(くすぐる)。
  • 変調の深さは「OSC1:MOD DEPTH」で調節する(くすぐる度合いを調節する)。
  • くすぐった波形をOSC1の波形として出力する。
  • OSC2の波形には影響しません。

図で表すと、以下のようになります。

機能図

クロス・モジュレーション:概念図
引用:「microKORG XL+ 取扱説明書」より

変調を与える側がOSC2の「波形」なんです。

どうしてこのような機能を搭載しているのか?

それは、「より複雑な波形が欲しいから」です。

従来のアナログ・シンセサイザーでは、数種類の基本波形しかないため、より複雑な波形を作るには基本波形を変調することで違った波形を作り出そうとしたわけです。

クロス・モジュレーションすることにより、非整数倍の周波数も含めて高い周波数の成分が得られるため、音作りの幅が広がります。

ちなみに、周波数変調(FM)ということで、往年の名機DX-7の音作りの仕組みはこの変調の仕組みを6基の発振器(OSC)のサイン波でおこなうことで様々な音を作っています。
それが、違った波形に対して行うのですから、いろんな波形が生み出されることは想像できます。

音作りの手順

  • 「MIXER」セクションで「OSC1」のレベルを上げる
  • 「OSC1」セクションの「OSC MOD」で「CROSS」を選択する
  • 「OSC1」、「OSC2」セクションの「WAVE」で波形を選択
  • 「OSC1」セクションの[MOD DEPTH]により調節して、波形を変化させる

さて、どんな風に波形が変化するのか、実験してみましょう。

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS)

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:32)

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:32)

測定方法

  1. PROGRAM [INITPROG]を選択
  2. 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
  3. 「OSC2:WAVE」を[SINE]に設定
  4. 「MIXER:OSC1」を[127]に設定(変更なし)
  5. 「OSC1:OSC MOD」を[CROSS]に設定
  6. 「OSC1:MOD DEPTH」を32に設定
  7. A=220Hzを弾く

音データ

KAMIN
KAMIN

ノコギリ波をサイン波でくすぐっていますが、随分音が変わりましたね。

「ガー」感が強くなった(笑)

波形

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:32):波形
KAMIN
KAMIN

ノコギリ波からこんなに違った波形が生まれました!

周波数スペクトル

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:32):周波数スペクトル
KAMIN
KAMIN

基音の220Hzもちょっとレベルが下がってしまいましたね。

他の倍音もより複雑になりました。

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:0→127)

実験(OSC1:OSC MOD:CROSS、OSC1:MOD DEPTH:0→127)

測定方法

  1. PROGRAM [INITPROG]を選択
  2. 「OSC1:WAVE」を[SAW]に設定(変更なし)
  3. 「OSC2:WAVE」を[SINE]に設定
  4. 「MIXER:OSC1」を127に設定(変更なし)
  5. 「OSC1:OSC MOD」を[CROSS]に設定
  6. 「OSC1:MOD DEPTH」を0に設定
  7. A=220Hzを弾く
  8. 「OSC1:MOD DEPTH」を手動で0→127に変化させる。

音データ

KAMIN
KAMIN

元波形とは全然違った音(波形)が得られましたね。

きれいな音となる値で使ってもよいですし、雑音のような音をうまく使うのもよいと思います。

まとめ

今回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(2):クロス・モジュレーション」について説明しました。

2つのオシレーターを使うことによって、片方のオシレーターがもうひとつのオシレーターをくすぐることで波形を変化させる「クロス・モジュレーション」の効果について説明しました。

オシレーターだけでも複雑な音が出せることが感じられましたでしょうか。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

さて、次回は「シンセサイザーの機能 複数のオシレーターによる効果(3):リング・モジュレーター」について説明します。

では。

このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。

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