みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「シンセサイザーの機能 音の強弱:VELOCITY」について説明します。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
ベロシティ(VELOCITY)
「ベロシティ」とは、英語では「速度」を意味します。
シンセサイザーでは、音に強弱をつける機能のことを指します。
あのYMOの1980年前後に使用していた機材はベロシティがなく、鍵盤の強弱のタッチで表現することはしていませんでした。
それでもメロディーやアレンジ等であれだけの表現ができたわけです。
シンセサイザーの進化が進み、鍵盤の打鍵の強弱(押す速さを強弱として検知している)を信号として得られる鍵盤が開発されて、音の表現が増しました。
今では圧力センサー等で、より繊細な表現ができるようになっているようです。
背景としてポリフォニック化により、ピアノ等の鍵盤楽器と同じような表現が求められてきたことが要因だと思います。
また、シンセサイザーと同じくPCM音源による電子ピアノの発展もあったと推測できます。
なので、デジタル化の進化に欠かせなかった技術といえます。
FILTER:VELO SENS(VELOCITY SENSITIVITY)
パラメーターの説明
FILTER:VELO SENS(VELOCITY SENSITIVITY)
設定値:[–63…+63]
[INITPROG]の設定値:0
ベロシティ(鍵盤を弾く強さ)によるカットオフ周波数の変化を設定します。
- +の値にすると、鍵盤を強く弾くほどカットオフ周波数が高くなります。
- -の値にすると、鍵盤を強く弾くほどカットオフ周波数が低くなります。
実験(FILTER1:VELO SENS)
実験(FILTER1:VELO SENSを設定して、音の強弱での変化を確認する)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「FILTER1:VELO SENS」を+32に設定
- 「FILTER1:CUTOFF」を0に設定
- 「FILTER1:RESONANCE」を64に設定
- A=220Hzを徐々に強く弾く
音データ
FILTER EG(EG1):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
今度は、FILTER EG(EG1)にあるパラメーター「FILTER EG:LV VELO(LEVEL VELOCITY)」について説明します。
パラメーターの説明
FILTER EG(EG1):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
設定値:[–63…+63]
[INITPROG]の設定値:0
鍵盤を弾いたときのベロシティによってEG1の振幅をコントロールします。値が大きいほど、ベロシティ強弱による振幅の差が大きくなります。
このパラメーターはあくまでもEGのパラメーターなので、FILTER:EG INTのレベルで変化の割合が設定されます。
実験(FILTER EG:LV VELO)
実験(FILTER EG:LV VELOを設定して、音の強弱での変化を確認する)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「FILTER EG:LV VELO」を+63に設定
- 「FILTER1:EG INT」を+32に設定
- 「FILTER1:CUTOFF」を0に設定
- 「FILTER1:RESONANCE」を64に設定
- A=220Hzを徐々に強く弾く
音データ
AMP EG(EG2):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
パラメーターの説明
AMP EG(EG2):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
設定値:[–63…+63]
[INITPROG]の設定値:0
鍵盤を弾いたときのベロシティによってEG2の振幅をコントロールします。値が大きいほど、ベロシティ強弱による振幅の差が大きくなります。
実験(AMP EG:LV VELO)
実験(AMP EG:LV VELOを設定して、音の強弱での変化を確認する)
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「AMP EG:LV VELO」を+63に設定
- A=220Hzを徐々に強く弾く
音データ
ASSIGNABLE EG(EG3):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
パラメーターの説明
ASSIGNABLE EG(EG3):LV VELO(LEVEL VELOCITY)
設定値:[–63…+63]
[INITPROG]の設定値:0
鍵盤を弾いたときのベロシティによってEG3の振幅をコントロールします。値が大きいほど、ベロシティ強弱による振幅の差が大きくなります。
※ASSIGNABLE EG(EG3)は「VIRTUAL PATCH」により設定したパラメーターに変化を与えます。
そのため、「VIRTUAL PATCH」に設定していない場合、影響はありません。
音は他の「EG:LV VELO」による実験でご確認ください。
まとめ
今回は「シンセサイザーの機能 音の強弱:VELOCITY」について説明しました。
ベロシティが付いたことにより、演奏者の表現力が格段にアップしました。
デジタル化でサンプリング音源が増えても、ベロシティがなければミュージシャン側はそれほど興味を持たなかったかもしれません。
1983年発売のDX-7あたりから普及機にもベロシティが付きました。
DX-7のエレクトリック・ピアノが重宝されましたが、ベロシティがなければミュージシャン側の気持ちよさは半減していたかもしれませんね。
ちなみにmicroKORG XL+はミニ鍵盤ですが、ベロシティ付きです。
演奏できる方はこのパラメーターにも是非こだわっていただきたいですね。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回はいよいよ「デジタル化」になってからの機能を説明します。
なので、「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(0)概要」からです。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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