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KORG opsixのプリセット分析: 192 Breezy Pad

この記事は約9分で読めます。

みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 192 Breezy Pad」と題して、プリセット・プログラム「192 Breezy Pad」のパラメーターを分析します。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。

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音の特徴

木管楽器の音にゆっくりシンセ音が立ち上がってくるように仕上がっています。

MODE: EFFECT: SHORT DELAYを使用して、”じゅわーっ”っとした感じを演出しています。

KAMIN
KAMIN

MODE: EFFECT: SHORT DELAYの機能については以下のページで説明しています。

KORG opsixの機能: MODE: EFFECT: SHORT DELAY

実験

では、音で確認しましょう。

KAMIN
KAMIN

パラメーターの分析は下に書いています。

詳細はそちらをご覧ください。

実験1: 弾いてみる

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

音データ

実験2: モジュレーション・ホイールを動かす

バーチャル・パッチの設定で、モジュレーション・ホイールを動かすことによってOP3のLEVEL、MODE: FM: WIDTHが変化するように設定されています。

これにより音がどのように変化するのか確認します。

測定方法

シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。

モジュレーション・ホイールを0→最大→0にする。

音データ

KAMIN
KAMIN

モジュレーション・ホイールを動かすと木管楽器から金管寄りの音になりますね。

実験3: OP4のMODE: EFFECT: SHORT DELAYのTIMEを操作してみる

OP4~OP6のY字接続でキャリアのOP4のATTACK TIMEが1秒とゆっくり立ち上がる音の変化を担っています。

OP4のMODE: EFFECT: SHORT DELAYのTIMEを操作して印象がどのように変わるのか確認します。

設定方法

OP4のMODE: EFFECT: SHORT DELAYのTIMEを設定

測定方法

以下のデータ。

TIME
1回目10ms
2回目30ms
3回目(元)106ms
4回目300ms

コードを弾きます(G4, C5, F5)。

音データ

1回目
2回目
3回目(元データ)
4回目
KAMIN
KAMIN

私は2回目ぐらいのTIMEが心地よいです。

パラメーター分析

INITプログラムからの変化を元に分析しています。

INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。

alg-20

アルゴリズムには20番のアルゴリズムが設定されています。

OP1~OP3の逆Y字接続とOP4~OP6のY字接続といった構成です。

まず、OP1~OP3の逆Y字接続から。

OP1-OP2では、キャリアOP1をMODE: FILTER FMを使用して、モジュレーターOP3からの入力信号でFM変調をかけてフィルタリングしています。

波形はOP1がSQUARE、OP3がSINE 8BIT、RATIO比が1:0.5。

フィルターはMG LPF24でカットオフ周波数、レゾナンスを調整して音作りされています。

MODE: FILTER FMの凄いところはピッチにカットオフ周波数が同期してくれるところ。

これでキーの位置により音の質感が変化しずらくなるため、キー・トラックの設定がいらない等、楽になります。

OP2-OP3では、OP2にMODE: FMを使用して、波形はOP2がSQUARE HD、OP3がSINE 8BIT、RATIO比が0.5:0.5。

OP2の波形はFM: WAVE: WIDTHで矩形波の幅を変化させています。

これによりアタック時の雑味を加えています。

OP1~OP3はLFO1の周期的変化をモジュレーション・ホイールでコントロールするように設定されています。

OP4~OP6のY字接続では、キャリアのOP4にMODE: EFFECT: SHORT DELAYを使用してOP4~OP6の信号をエフェクトしています。

波形はOP4がSINE 12BIT、OP5がSQUARE、OP6がTRIANGLE。RATIO比がOP4-OP5が0.5:0.5、OP4-OP6が0.5:1。

OP5の波形はFM: WAVE: WIDTHで矩形波の幅を変化させています。

OP-EGによりATTACK TIMEが長く設定されて、ゆっくりと音が鳴ってくるように演出されています。

OP6はSUSTAIN LEVELが0なので、レベルが最大値になった後に音が消えます。

OP4~OP6はLFO1の周期的変化をするように設定されています。

OP2以外は鍵盤を弾く強さでコントロールするように設定されています。

LFO1のSPEEDをEG3で時間的変化をするようにバーチャル・パッチで設定されています。

FILTERはOFFとなっています。

エフェクターはDELAY(BPM)で長めのエコー感を加え、REVERBで深い海に潜ったような残響感を演出しています。

演奏表現の手段として、ピッチ・ホイールを動かすことで全体のピッチではなくOP1~OP3のPITCHをコントロールするようにPORG PITCHとバーチャル・パッチで設定されています。

モジュレーション・ホイールを動かすことでOP3のLEVEL、OP3のFM: WAVE: WIDTHをコントロールするようにPORG PITCHとバーチャル・パッチで設定されています。

192 Breezy Pad alg-20 param1
192 Breezy Pad alg-20 param2
192 Breezy Pad alg-20 param etc

MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE

192 Breezy Pad mode1-fm
192 Breezy Pad mode2-effect

OP4のMODE: EFFECT: SHORT DELAYはフランジャーのような遅延した信号を重ねることで得られるうねりを演出しています。

OP-EG

192 Breezy Pad op-eg alg-20-1
192 Breezy Pad op-eg alg-20-2
192 Breezy Pad op-eg

各オペレーターはゆっくりと時間的変化をするように、そして違ったレベル、カーブが設定されています。

OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK

OP-PITCH

192 Breezy Pad op-pitch

OP4は、DETUNEでピッチの小さなずれを与えるように設定されています。

OP-P MOD

192 Breezy Pad op-p-mod

各オペレーターはピッチに対してLFO1の効果がでるように設定され、OP1~OP3はモジュレーション・ホイールで変化量をコントロールするように設定されています。

OP-L MOD

192 Breezy Pad op-l-mod

各オペレーターはOP2を除いて、鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)による効果が設定されています。

FILTER

192 Breezy Pad filter

FILTERはENABLE: OFFです。

MOD(EG、LFO)

EG

192 Breezy Pad eg

EG3はATTACK/DECAY/RELEASE TIMEが少し長く、SUSTAIN LEVELも22と少し上がっています。

LFO

192 Breezy Pad lfo

LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.60Hz、FADEが0.733sに設定されています。

LFO1はOP-P MODで各オペレーターはピッチに対して周期的変化をするように設定され、OP1~OP3はモジュレーション・ホイールで変化量をコントロールするように設定されています。

LFO1はバーチャル・パッチでOP1~OP3のPITCHを周期的変化をするように設定され、変化量をアフター・タッチでコントロールするように設定されています。

LFO1のSPEEDはバーチャル・パッチにより時間的変化をするように設定されています。

LFO2は、WAVEがSINE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが4.10Hz、FADEが2.827sに設定されています。

LFO3は、WAVEがRANDOM: LVL&TIME、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが0.52Hz、FADEが1.027sに設定されています。

EFFECT

192 Breezy Pad fx

FX1はOFF、FX2はDELAY(BPM)、FX3はREVERBが設定されています。

VIRTUAL PATCH

192 Breezy Pad v-patch

バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。

  1. V.PATCH1~3は、OP1~OP3のPITCHをピッチ・ホイールで変化するように設定されています。
  2. V.PATCH4~6は、OP1~OP3のPITCHをLFO1で周期的変化をするように設定され、変化量をアフター・タッチでコントロールするように設定されています。
  3. V.PATCH7は、OP3のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
  4. V.PATCH8は、OP3のLEVELをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
  5. V.PATCH9は、LFO1のSPEEDをEG3で時間的変化をするように設定されています。
  6. V.PATCH10は、OP3のFM: WAVE: WIDTHをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。

MISC

192 Breezy Pad prog-pitch

ピッチ・ベンドの可動範囲が0semiに設定されています。

VOICE

192 Breezy Pad voice

GLIDE MODEがOFFのため、GLIDE TIMEが設定されていますが、効果はありません。

UNISON VOICESが2、UNISON DETUNEが1cents、UNISON SPREADが70%に設定されています。

まとめ

今回は「KORG opsixのプリセット分析: 192 Breezy Pad」と題して、プリセット・プログラム「192 Breezy Pad」のパラメーターを分析しました。

実験ではOP4のMODE: EFFECT: SHORT DELAYのTIMEパラメータによって音の変化の違いを確認しました。

TIMEが短いとFLANGERと同じ効果になります。

パラメーターの機能を知ると、いろいろな音のイメージが頭に浮かんできます。

皆さんも音作りにチャレンジしてみてください。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

次回は「KORG opsixのプリセット分析: 202 Engagement Pad」と題して、プリセット・プログラム「202 Engagement Pad」のパラメーターを分析します。

では。

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このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。

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