みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
microKORG XL+では、デジタル化により追加された機能がたくさん搭載されています。
これで、「アナログ・モデリング・シンセサイザー」って言うんだねっていうぐらいたくさん(笑)
さて、まずは「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <1> 」と題して、「フォルマント波形、PCM/DWGS波形」について説明します。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
OSC1の波形(デジタル化で使われるようになった波形)
microKORG XL+では、他のパラメーターで周波数成分を変えることもできますが、これが基本の波形です。
- ノコギリ波(SAW)
- 矩形波(PULSE)
- 三角波(TRIANGLE:TRI)
- サイン波(SINE)
- ノイズ(NOISE)
- フォルマント波(FORMANT)
- PCM/DWGS
- AUDIO IN(外部入力された波形)
そのうち、「フォルマント波(FORMANT)」、「PCM/DWGS」はデジタル化されてから使われるようになった波形です。
この2つの波形を説明します。
測定や録音時の設定パラメーターについて
測定・録音の際、初期化されたプログラム [INITPROG]の設定値を基本として、変化させたパラメーターを記述して測定、録音しています。
また、単音で波形の測定を実施する場合、周波数スペクトルアナライザーで確認しやすいようにA=220Hzの音を出して測定しています。
[INITPROG]の音(概要)
- OSC1のSAW(ノコギリ波)をMIXERでLEVEL:127に設定
- FILTER1は何も影響していない。
- AMPはLEVEL:100に設定
- 鍵盤を押したときに音が鳴り、鍵盤を離したときに音が止まる(AMP EGの設定)
- その他の機能の影響もなし(LFO、その他のパラメーターの影響なし)
といった、SAW(ノコギリ波)が鳴るシンプルな設定になっています。
フォルマント波(FORMANT)
波形の説明
人間の声のような音の波形です。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」で[FORMANT]を選択
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
周波数スペクトル
ノコギリ波(SAW)や矩形波(PULSE)よりもいろんな周波数成分が含まれていますね。
PCM/DWGS
波形の説明
アコースティック楽器のPCM波形やKORGが開発したデジタル・シンセサイザー用の音源(DWGS)の PCM波形です。
今回は、PCM/DWGSの波形から「SYNSINE1」の波形を選択して音を鳴らしてみましょう。
測定方法
- PROGRAM [INITPROG]を選択
- 「OSC1:WAVE」で[PCM/DWGS]を選択
- 「OSC1:WAVE SELECT」で[SYNSINE1]を選択
- A=220Hzを弾く
音データ
波形
サイン波が三角波に近づいているような波形です。
周波数スペクトル
周波数成分もサイン波+αのような波形です。
PCM/DWGS波形の選択
「OSC1」セクションの「WAVE」で「PCM/DWGS」を選択すると、PCM波形およびDWGSのPCM波形が選択できます。
※DWGS波形:KORGが開発したデジタル波形
microKORG XL+ Sound EditorでのPCM/DWGSの波形の選択は以下の通り。
- 「OSC1」セクションの「WAVE」で「PCM/DWGS」を選択
- 「OSC1」セクションの「WAVE SELECT」で波形を選択
「WAVE SELECT」の横のボタンで1つずつ変化させるか、「WAVE SELECT」の波形の名前欄をクリックして、プルダウン・メニューから選択する方法があります。 - 「WAVE」で「PCM/DWGS」を選択すると、「OSC MOD」は「WAVEFORM」しか選択できなくなり、コントローラーC1、C2のノブは無効になります。
PCM/DWGSの波形 一覧
PCM/DWGSの波形の種類は以下の通りです。
microKORGとmicroKORG XL+では選択できる波形の種類が違います。
また、microKORG XLとmicroKORG XL+でも少し違います。
No. | PCM/DWGS Name | No. | PCM/DWGS Name |
1 | SG PIANO | 33 | SYNSINE5 |
2 | ROSE EP | 34 | SYNSINE6 |
3 | DYNO EP | 35 | SYNSINE7 |
4 | WURLY EP | 36 | SYNWAVE1 |
5 | E GRAND | 37 | SYNWAVE2 |
6 | CLAV1 | 38 | SYNWAVE3 |
7 | CLAV2 | 39 | SYNWAVE4 |
8 | CLAV3 | 40 | SYNWAVE5 |
9 | CXORGAN1 | 41 | SYNWAVE6 |
10 | CXORGAN2 | 42 | SYNWAVE7 |
11 | M1ORGAN1 | 43 | SYNWIRE1 |
12 | M1ORGAN2 | 44 | SYNWIRE2 |
13 | VOX ORG1 | 45 | SYNWIRE3 |
14 | VOX ORG2 | 46 | SYNWIRE4 |
15 | TAPE FLT | 47 | 5THSAW |
16 | TAPE STR | 48 | 5THSQU |
17 | BRASS | 49 | DIGI1 |
18 | GUITAR1 | 50 | DIGI2 |
19 | GUITAR2 | 51 | DIGI3 |
20 | BASS1 | 52 | DIGI4 |
21 | BASS2 | 53 | DIGI5 |
22 | BASS3 | 54 | DIGI6 |
23 | BELL1 | 55 | DIGI7 |
24 | BELL2 | 56 | DIGI8 |
25 | BELL3 | 57 | DIGI9 |
26 | CHOIR | 58 | SYNVOX1 |
27 | SYNPAD1 | 59 | SYNVOX2 |
28 | SYNPAD2 | 60 | ENDLESS |
29 | SYNSINE1 | 61 | NOISE1 |
30 | SYNSINE2 | 62 | NOISE2 |
31 | SYNSINE3 | 63 | NOISE3 |
32 | SYNSINE4 | 64 | NOISE4 |
まとめ
さて、まずは「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <1> 」と題して、「フォルマント波形、PCM/DWGS波形」について説明しました。
シンセサイザーとして加工しやすい波形にしたり、生音を再現させるために録音された波形もついかされました。
これにより、新たな可能性が広がったわけです。
「PCM/DWGS」波形はすべて録音して貼付しているわけではないので、microKORG XL+を所有している人は、もう一度聞いてみてください。
所有していない方は、楽器店に行って試奏させてもらってください。
また新たな発見があるかもしれません。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
さて、次回は続けて「シンセサイザー デジタル化で追加された機能(1)OSC <2>」と題して、「OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM)」について説明します。
では。
「OSC1の波形とモジュレーションとコントローラーの関係(WAVE:SAW、OSC1 MOD:WAVEFORMでのC1:WAVEFORM)」って長いサブ・タイトルになっちゃって...ねぇ。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
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