みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 050 Ring Pipe Organ」と題して、プリセット・プログラム「050 Ring Pipe Organ」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
教会のオルガンの音ですね。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
測定方法
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
モーション・シーケンスによりモジュレーション・ホイールやFX3: REVERBとFX2: DELAYのLEVELのデータが設定されています。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズムには03番のアルゴリズムが設定されています。
OP1~OP3、OP4~OP6の2つの直列接続の構成です。
典型的な教会のパイプ・オルガンの音です。
OP1~OP3、OP4~OP6では、ほぼ同じパラメーター値で、RATIOを変化させています。
OP1~OP3ではRATIO比が1:0.5:0.25、OP4~OP6では2:1:0.25となっています。
構成としては、2段目のサイン波に対して、3段目のNOISE BLUEでFM変調して、その信号をキャリアのMODE: RING MOD.のオシレーターとリング・モジュレーションした音を出力しています。
DETUNE等でピッチのずれで音を厚くしていないので、すっきりした音を演出しています。
FILTERはLPF12が設定されていますが、INITプログラムのままで効果はありません。
エフェクターは、CHORUSで広がりを加え、DELAYで近いエコー感、REVERBはTYPEをCHAMBERでLEVELを深くすることで部屋の残響感を演出しています。
演奏表現の手段として、モジュレーション・ホイールを動かすことでOP1, OP4のMODE: RING MOD.のSHAPEが変化するようにバーチャル・パッチで設定されています。
アフター・タッチでFX3のREVERBのREVERB LEVELをコントロールするようにバーチャル・パッチで設定されています
アフター・タッチでキャリアのピッチに対してLFO1の周期的変化をコントロールするように設定されています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
2つの直列接続されたオペレーターはほぼ同じパラメーター設定となっています。
違いはRATIOの設定です。
OP3~OP6で、キャリアが1オクターブ高いことで音を厚くしています。
キャリアのOP1, OP4にRING MOD.を使うことでリング・モジュレーター独特のクセのある音が演出されています。
また、OP3, OP6のWAVEにNOISE BLUEを使用してアタック時のノイズを演出しています。
OP-EG
2つの直列接続の構成が同じエンベロープ・パラメーターの値となっています。
キャリアのアタックの立ち上がりを少し遅くして、SUSTAIN LEVELは100、RELEASE TIMEを少し長く設定されています。
再後段のOP3, OP6のDECAY TIMEを短くしてSUSTAIN LEVELを0にしていることから、アタック感を出すための音作りがされていることがわかります。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-P MOD
キャリアのOP1, OP4に対して、LFO1による周期的変化をアフター・タッチでコントロールするように設定されています。
OP-L MOD
OP3, OP5, OP6に対して、鍵盤を弾く強さ(VELOCITY)の効果が設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
INITプログラムから変更はありませんでした。
EGはパラメーターに影響を与えるように設定されていません。
LFO
LFO1は、INITプログラムの設定からSPEEDが3.55Hzとなっています。
LFO1はOP-P MODでキャリアのOP1, OP4に対して周期的変化を設定、アフター・タッチでコントロールするように設定されています。
EFFECT
FX1はCHORUS、FX2はDELAY、FX3はREVERBが設定されています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のMODE: RING MOD.のSHAPEをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、OP4のMODE: RING MOD.のSHAPEをモジュレーション・ホイールで変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、FX3のREVERBのREVERB LEVELをアフター・タッチでコントロールするように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 050 Ring Pipe Organ」と題して、プリセット・プログラム「050 Ring Pipe Organ」のパラメーターを分析しました。
もうこれで十分でしょ(笑)
このプログラムを元にエディットにチャレンジしてみましたが、FM音源ならではのシンプルさに雑味を加えてもあまり良いことがないような感じがして、あきらめました。
あとは自分の気持ちでDETUNEを味付けするぐらいですかね。
他のサンプリング音源では出せない部分です。
エフェクトをOFFにしてサンプリング音源に足してあげるというもの良いのではないでしょうか?
皆さんもチャレンジしてみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 099 Pluck Drip」と題して、プリセット・プログラム「099 Pluck Drip」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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