みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 082 MIDI Stack」と題して、モジュレーターに違った波形を使用したプリセット・プログラム「082 MIDI Stack」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
中低域の成分を含んだ金属音をシミュレーションした音です。
オペレーターの波形(WAVE)に違った波形を選択して音を作っています。
また、EFFECTは3系統にCHORUS、REVERB、UNISON ENSEMBLEをのVIOCEが4と、空間系で深いですね。
MODE: FM: WAVEの機能については波形ごとに以下のページから説明しています。
EFFECTの機能については以下のページから説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押します。
音データ
音と馴染ませるためにリバーブが深いね。
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
シーケンサーをONにしてA3を弾きながらモジュレーション・ホイールを0→最大→0に動かす。
音データ
バーチャル・パッチでいろんな効果を設定されているので、
聞き分けるのは難しいです。
実験3: OP4のLEVELを変化させる
モジュレーターOP4が音にどのような影響を与えているのか確認します。
WAVEはADDITIVE 12345です。
測定方法
OP1をMODE: MUTEに設定
OP5、OP6のLEVELを0%に設定
OP3のLEVELを100%に設定(キャリアなので)
OP4のLEVELを50%に設定
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押した後、OP4のLEVELを50→100%と変化させます。
音データ
結構芯のある音がしますね。
実験4: OP5のLEVELを変化させる
モジュレーターOP5が音にどのような影響を与えているのか確認します。
WAVEはSQUAREでWIDTHが61%です。
測定方法
OP1をMODE: MUTEに設定
OP4、OP6のLEVELを0%に設定
OP3のLEVELを100%に設定(キャリアなので)
OP5のLEVELを50%に設定
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押した後、OP5のLEVELを50→100%と変化させます。
音データ
パルス・ワイズ・モジュレーションの波形の音です。
実験5: OP6のLEVELを変化させる
モジュレーターOP6が音にどのような影響を与えているのか確認します。
WAVEはSAWです。
測定方法
OP1をMODE: MUTEに設定
OP4、OP5のLEVELを0%に設定
OP3のLEVELを100%に設定(キャリアなので)
OP6のLEVELを50%に設定
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押した後、OP6のLEVELを50→100%と変化させます。
音データ
実験6: OP5のWAVEを変化させる
モジュレーターOP5を使用してWAVEを切り替えていきます。
WIDTHパラメーター61%でWAVEによって音にどのような影響を与えているのか確認します。
測定方法
OP1をMODE: MUTEに設定
OP4、OP6のLEVELを0%に設定
OP3のLEVELを100%に設定(キャリアなので)
OP5のLEVELを100%に設定
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押した後、OP5のWAVEをSINE→NOISE BLUEまで1シーケンスごとに切り替えます。
音データ
ADDITIVEの波形あたりからシタールの音に似た音になったり、
フィルターの効果がかかりやすくなったり。
波形によって印象が変わってきます。
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズム13を使用しています。
OP1とOP2の直列接続とキャリアOP3に対してOP4~OP6がY字接続されている構成です。
モジュレーターのOP4~OP6はRATIOは1.0000と同じですが、波形がそれぞれ違った設定になっています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
OP-EGを確認するとサスティン・レベルを見て、キャリアOP1側ではアタック部分、OP2側で音の元となる部分を作っているようです。
キャリアのOP1のサスティン・レベルが0ですから、ディケイ・タイムの1.000sで減衰するか、短い音で2.067sで減衰するかです。
キャリアOP3側の構成はサスティン・レベルがすべて100ですので持続音をこちらで担当していることがわかります。
OP3側のエンベロープ・ジェネレーターの値はリリース・タイムのみキャリアとモジュレーターで値が違うのみです。
リリース・タイムがモジュレーターの方が長いですから、鍵盤を離した後のモジュレーターの変化は少なくしていますね。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHページでは、OP4とOP6にDETUNEが設定されています。
OP-P MOD
OP-P MODページでは、OP2とOP3にEG1による変化が設定されています。
OP-L MOD
OP-L MODページでは、ベロシティが各オペレーターに設定されています。
OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACKページでは、モジュレーターに基準キーより高いキーの位置によりレベルがマイナスになるように設定されています。
FILTER
FILTER TYPEにLPF POLY6が使用されています。
カットオフ周波数はEG2の時間的変化をするように設定されています。
基準キーC4に対して、キーが低くなるほどマイナスに、キーが高くなるほどプラスになるように設定されています。
MOD(EG、LFO)
EG1は、フィルターのカットオフ周波数を変化させるように設定されています。
また、OP2とOP3に時間的変化が設定されています。
DECAY/RELEASE TIMEが長めに設定され、CURVEは10と急峻に減衰する設定となっています。
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがON、TEMPO SPEEDが3/8に設定されています。
LFO1は、プログラムのオクターブの値を変化させるように設定されています。
LFO2は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが5.00Hzに設定されています。
LFO2は、プログラムのピッチを変化させるように設定されています。
LFO3は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがCOMMON(最初のキーのみ位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが2.00Hzに設定されています。
LFO3は、OP5のMODE: FMのWIDTHパラメーターの値を変化させるように設定されています。
EFFECT
3つのエフェクトにより、以下の効果を演出しています。
- FX1に設定されたCHORUSは深めにかけて厚みを増しています。
- FX2に設定されたREVERBは、TYPEにHALLを設定して広めの空間を演出しています。
- FX3に設定されたUNISON ENSEMBLEは、VOICEを4と多めに設定してリバーブ含めてエフェクトして一層の揺らぎを与えています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、プログラムのオクターブの値をLFO1で変化させるように設定されています。
- V.PATCH2は、OP5のMODE: FMのWIDTHパラメーターの値をLFO3で変化させるように設定されています。
- V.PATCH3は、プログラムのリリース・タイムをモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH4は、FX2に設定されたREVERBのLEVELの値をジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH5は、プログラムのレベルをモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH6は、プログラムのピッチをLFO2で変化させるように設定されています。
MISC
INITプログラムから変更はありませんでした。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 082 MIDI Stack」と題して、モジュレーターに違った波形を使用したプリセット・プログラム「082 MIDI Stack」のパラメーターを分析しました。
どうでしたでしょうか?
OP3~OP6はキャリア1つにモジュレーターが3つあって、Y字接続。
モジュレーターのOP4~OP6を入力信号としてキャリアのOP3にMODE: FILTERを使ってフィルターとして機能させる構成です。
通常のシンセサイザーで考えるとOP3~OP6で3つのオシレーターに1つのフィルターといったイメージです。
その後でOP1~OP6で作成された音に対してFILTERに通しています。
このプログラムを使っていろいろと試すことができますね。
是非やってみてください。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット分析: 222 Jazz Bass」と題して、MONOモードやレガートを使用したプリセット・プログラム「222 Jazz Bass」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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