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KORG opsixの機能: FMのキャリアとモジュレーターの関係(1)

シンセサイザー opsixの機能: FMのキャリアとモジュレーターの関係(1)
この記事は約7分で読めます。

みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。

今回は「KORG opsixの機能: FMのキャリアとモジュレーターの関係(1)」と題して、2つのオペレーターを使ってキャリアとモジュレーターによる音の変化について説明します。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。

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2つのオペレーターを使って実験

FMのオペレーターとアルゴリズムが理解できた今回は、キャリアとモジュレーターによる音の変化を実験するために、まず2つのオペレーターを使って実験してみましょう。

選んだアルゴリズムは1番です。

そのうちのオペレーター1(OP1)とオペレーター2(OP2)だけを使います。

その他はレベルを0%にして、音の変化に影響がないようにしています。

fm-op-c1-m1-algorithm-01

よって、以下の構成になります。

OP1がキャリア、OP2がモジュレーターです。

opsixでは、キャリアは赤、モジュレーターは青として表現され、本体左側のRATIOノブの色が変わります。

fm-op-c1-m1 algorithm

RATIO: OP1(C): 1.0000、OP2(M): 1.0000での実験

今回はOP1とOP2を同じ「1.0000」に設定して、モジュレーターOP2のレベルを変化させたときにどのように音が変化していくのか、実験します。

KAMIN
KAMIN

実験でのパラメーターの設定値は、初期化されたプログラム「INIT」からの変更点を記述します。

opsixのアルゴリズムは6つのオペレーターがあり、「Algorithm 1」は以下の構成です。

そのうち、OP1とOP2の2つのオペレーターを使うため、OP3~OP6のOP Levelを0%に設定します。

2optest-algorithm1-6op
KAMIN
KAMIN

opsix本体左側のLEVELスライダーでOP1を最大、OP3~OP6を0に下げてください。

そして、OP2のLEVELスライダーのレベルを変化させていく。

なお、実験ではDATA ENTRYノブ側で変化させています。

これにより、以下の構成で実験します。

OP1がキャリア、OP2がモジュレーターです。

OP2のモジュレーターがOP1のキャリアに変調をかける(くすぐっていく)実験です。

2optest-algorithm1-2op
opsix op1-r1
opsix op2-r1
opsix native 2op-c1m1-n1

なお、実験では時間的変化が発生しないように、オペレーターのエンベロープ・ジェネレーターをINITプログラムの初期値から以下に設定しています。

KAMIN
KAMIN

「FMのキャリアとモジュレーターの関係」の実験で特に説明がない場合、この設定です。

2optest-algorithm1-eg
opsix optest-algo1-eg

実験1: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 0%

まず、モジュレーターのOP2のOP LEVELを0%にして、影響がない時の音を確認しましょう。

KAMIN
KAMIN

OP1のみの純粋なサイン波となります。

OP1のOP LEVEL=100%なのは、キャリアはそのまま出力レベルとなるからです。

設定値

2op-c1m1-algorithm-0
opsix op1-r1
opsix op2-r1
KAMIN
KAMIN

OP1とOP2のOP LEVELは、本体左側のLEVELスライダーで設定できます。

測定方法

上記の設定値でA3=220Hzを弾く。

音データ

波形

2op r1r1 c100-m0-osc

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m0-spectrum

実験2: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 30%

では、モジュレーターのOP2のOP LEVELを30に上げてみます。

設定値

2op-c1m1-algorithm-30

音データ

KAMIN
KAMIN

「こぉー」と、音が変化しました。

これがモジュレーターOP2のレベルを上げた効果です。

波形

2op r1r1 c100-m30-oscilloscope
KAMIN
KAMIN

波形もサイン波から変わってきました。

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m30-spectrum
KAMIN
KAMIN

基音の220Hz以外に倍音が発生しました。

実験3: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 37%

では、もう少し上げてみましょう。

モジュレーターのOPのOP LEVELを37にします。

設定値

2op-c1m1-algorithm-37

音データ

KAMIN
KAMIN

少し音に濁りが出てきました。

波形

2op r1r1 c100-m37-oscilloscope
KAMIN
KAMIN

OP LEVEL=30より波形が湾曲してきました。

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m37-spectrum
KAMIN
KAMIN

基音の220Hzのレベルが下がり、倍音が増えました。

DX-7の時もそうですが、モジュレートすると基音のレベルが下がることがあるのが、

FM音源の特徴です。

悪いのではありませんよ。あくまで特徴ですから。

実験4: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 50%

では、OP2のOP LEVELを設定範囲の半分の50%にしてみましょう。

設定値

2op-c1m1-algorithm-50

音データ

KAMIN
KAMIN

ちょっとクリック音が付いたようなオルガンの音に似てきました。

クリック音が付いたように感じるのは、アタックが速いからです。

波形

2op r1r1 c100-m50-oscilloscope
KAMIN
KAMIN

波形も四角くなってきました。

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m50-spectrum
KAMIN
KAMIN

OP2のOP LEVEL=37よりも倍音が増えています。

そして、基音の220Hzのレベルが戻りましたね。

実験5: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 70%

初めてなので、こつこついきます。

OP2のOP LEVEL=70で。

設定値

2op-c1m1-algorithm-70

音データ

KAMIN
KAMIN

KAMINはこれで十分オルガンの音ですが(笑)

あとはEFFECTのロータリー・スピーカーだけでも十分です。

波形

2op r1r1 c100-m70-oscilloscope
KAMIN
KAMIN

波形も矩形波を保ちながら、くねってます。

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m70-spectrum
KAMIN
KAMIN

どんどん高域の倍音が増えています。

実験6: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 100%

では、OP2のOP LEVEL=100%の音を聞いてみましょう。

設定値

2op-c1m1-algorithm-100

音データ

KAMIN
KAMIN

きつーい音になりました。

波形

2op r1r1 c100-m100-oscilloscope
KAMIN
KAMIN

波形のくねくねの数がいくつもできました。

周波数スペクトル

2op r1r1 c100-m100-spectrum
KAMIN
KAMIN

この実験では5kHzぐらいまでの倍音が増えていくのがわかりました。

実験7: OP1(C): OP LEVEL: 100%、OP2(M): OP LEVEL: 0→100%

最後に音を鳴らしながら、OP2のOP LEVELを手動で0→100%にしてみました。

音データ

KAMIN
KAMIN

モジュレーター OP2の変調の深さ(くすぐり具合)で、

どのように音が変化するのか、感じていただけたと思います。

まとめ

今回は「KORG opsixの機能: FMのキャリアとモジュレーターの関係(1)」と題して、2つのオペレーターを使って同じRATIO: 1.0000でモジュレーターのレベルの変化で音の変化がどのようになるのか、実験をしてみました。

いかがだったでしょうか。

この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。

次回は「KORG opsixの機能: FMのキャリアとモジュレーターの関係(2)」と題して、モジュレーターのRATIOの値を「2.0000」に変化させて実験します。

では。

新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザーopsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。

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