みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 057 Strum Down」と題して、MODE: FMを使用したプリセット・プログラム「057 Strum Down」のパラメーターを分析します。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このブログでは、その魅力を細かく音と画像で詳しく説明していきます。
音の特徴
アコースティック・ギターの音です。
生音を知っていると、結構LIMITERがかかっている感じに聴こえちゃうね。
6つのオペレーターがすべてMODE: FMを使用して、DX-7にあったパラメーターとエフェクトぐらいで音作りが行われています。
MODE: FMの機能については以下のページから10ページで説明しています。
ご覧ください。
KORG opsixの機能: FMのオペレーターとアルゴリズム
MODE: FMの波形(WAVE)とパラメーターによる音の変化は以下のページから各波形ごとに説明しています。
実験
では、音で確認しましょう。
パラメーターの分析は下に書いています。
詳細はそちらをご覧ください。
実験1: 弾いてみる
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して2周します。
音データ
実験2: モジュレーション・ホイールの効果
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して4周します。
- 1周目はモジュレーション・ホイールが0の位置
- 2周目でモジュレーション・ホイールを徐々に奥に動かして最大レベルまで
- 3周目でモジュレーション・ホイールを徐々に手前に戻して0の位置まで
- 4周目はモジュレーション・ホイールが0の位置
音データ
2周目で徐々にアタック感がなくなりAUTOPAN DELAYが深くなる。
3周目の最初は深いところから戻ってくる感じ。
感じていただけましたでしょうか。
実験3: エフェクトの効果
シーケンサーをONにしてPLAYボタンを押して4周します。
- 1周目はエフェクトをすべてOFF
- 2周目はFX1のCHORUSをON
- 3周目はFX2のAUTOPAN DELAYをON
- 4周目はFX3のREVERBをON
音データ
2周目でCHORUSが弦の響きを増してます。
3周目でAUTOPAN DELAYのエコー感。
4周目でREVERBによる広がりが出る。
わかるかな?
パラメーター分析
INITプログラムからの変化を元に分析しています。
INITプログラムのパラメーターの設定については「シンセサイザー KORG opsixの機能: INIT(初期設定)プログラムの分析」をご確認ください。
アルゴリズム17を使用しています。
キャリアであるOP1にモジュレーターのOP2、OP3、OP5がY字接続されていて、モジュレーターOP3、OP4のモジュレーターの直列接続と、モジュレーターOP5、OP6の直列接続といった構成です。
すべてMODE: FMが設定されていて、WAVEはSINE 12BITが使用されています。
モジュレーター側の波形を細かく設定した音作りをしています。
MODE、WAVE、OP LEVEL、FREQUENCY MODE
OP-EG
モジュレーターの時間的変化に富んだ設定がされています。
サスティン・レベルが0であることと、ディケイ・タイムを短く設定したり長く設定したりしていることから、波形の時間的変化を細かく設定されていることがわかります。
OP3とOP4のモジュレーターで波形の基本的な音を作成して、OP4がノイズの部分ですね。
OP2でその上の音を作成して、OP5とOP6で高音のアタック音を作成しています。
OP-PITCH、OP-P MOD、OP-L MOD、OP-KEY TRACK
OP-PITCH
OP-PITCHでは、OP1とOP2、OP4にDETUNEが設定されています。
OP-P MOD
OP-P MODでは、EG1によりピッチが変化するように設定されています。
OP-L MOD
OP-L MODでは、ベロシティでコントロールするように設定されています。
OP-KEY TRACK
OP-KEY TRACKでは、OP4とOP6に基準キーC2より高いキーでマイナスのレベルとなるように設定されています。
FILTER
FILTERページのパラメーターはINITプログラムと同じ設定値でした。
FILTERはENABLE: ONですが、CUTOFF周波数が最大値であるため、フィルターの影響はないと考えます。
MOD(EG、LFO)
EG
EG1はオペレーターのピッチが変化するように設定されています。
LFO
LFO1は、WAVEがTRIANGLE、KEY SYNCがVOICE(キーを押すごとに位相がリセットされる)、TEMPO SYNCがOFF、SPEEDが6.00Hzに設定されています。
LFO1はバーチャル・パッチでプログラムのピッチに周期的変化を与えるように設定されています。
EFFECT
以下の3つのエフェクトにより、弦の響きや広がりを演出しています。
- FX1に設定されたCHORUSで、弦の響きを増しています。
OFFにすると、響きのない弦の音に感じられます。 - FX2に設定されたAUTOPAN DELAYで、広がりをもったエコー感を演出しています。
- FX3に設定されたREVERBで、TYPEにPLATEを選択して、すっきりした残響感が得られています。
VIRTUAL PATCH
バーチャル・パッチの設定は以下の通りです。
- V.PATCH1は、OP1のアタック・タイムの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH2は、FX2に設定されたAUTOPAN DELAYのPARAMETER1のDELAY LEVELの値をモジュレーション・ホイールを動かすことで変化するように設定されています。
- V.PATCH3は、プログラムのPITCHの値をLFO1で周期的に変化するように設定され、アフタータッチでコントロールするように設定されています。
MISC
ALGORITHM FBが設定されています。
LOFIがONにされていて、少しノイズ混じりな音になるように設定されています。
VOICE
INITプログラムから変更はありませんでした。
まとめ
今回は「KORG opsixのプリセット分析: 057 Strum Down」と題して、MODE: FMを使用したプリセット・プログラム「057 Strum Down」のパラメーターを分析しました。
MODE: FMは結構実験しましたので、モジュレーション・ホイールの効果とエフェクトの効果を実験しました。
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
次回は「KORG opsixのプリセット音のパラメーター分析: 134 Ring It On」と題して、MODE: RING MOD.を使用したプリセット・プログラム「134 Ring It On」のパラメーターを分析します。
では。
新たな進化を遂げたKORGのFMシンセサイザー、opsixとopsix native。
このシンセサイザーでしか味わえない魅力が満載です。
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