みなさん、こんにちは。
「カムカム・シンセサイザー」のKAMINです。
今回は、「microKORGとmicroKORG XL+、どちらがいいの?」についてです。
■microKORG
■microKORG XL+
microKORGとmicroKORG XL+の違い
2002年に発売されたmicroKORG(以後、初代microKORGといいます)。
そして、後継機として2012年にmicroKORG XLとして発売され、その後バージョンアップ版として発売された、microKORG XL+。
どちらも、現在も発売されているロングセラー機です。
どちらにも特徴があって、甲乙つけがたい部分があります。
音作りの視点を重視しての結論をいうと、
- 本体だけでエディットする、デザインが気に入っている・・・初代microKORG
- PCと接続してPC画面上でエディットする、いろんな音作りの機能の可能性を試してみたい・・・microKORG XL+
であると思います。
スペック的にみると、
- 同時発音数は、初代microKORGは4音でmicroKORG XL+は8音
- エンジンが違う(初代microKORGがMS2000[2000年発売]、microKORG XL+がRadias/R3[2006年/2007年発売])
※引用「新しいビンテージを目指す──microKORG XL開発者に聞く」(ASCII.JP)より - デザインが違う(これは好みで、やはり大事!)
- 鍵盤のタッチが違う(でも、どちらもミニ鍵盤です)
- エフェクトの種類が違う(エフェクトを含めてシンセサイザーの音作りを楽しむ方にとっては違います)
同時発音数は音作りで音に厚みを加える機能を設定すると同時発音数が減ってしまったりしますので、「ソロ+ちょっとしたバッキングで使用」と考えれば、割り切れる要素ではあります。
で、さらっと書かれていたりしますが、「エンジンが違う」は音作りの機能としてmicroKORG XL+に多くの機能が追加されていることがわかりました。
操作面でも、ノブの操作でリアルタイムに変化できるパラメーターが初代microKORGだと固定ですが、microKORG XL+ではいろんなパラメーターの中から自由に割り当てることが可能になっています。
どちらを選ぶか、参考になればと思いますので、以下に詳細を記述します。
以下の表はKAMINが調べたものです。
なので、KORGのサイトでは掲載されていません。
大きな違いはエンジンの違いなので、詳細を比較する情報がほかにありませんでした。
初代microKORGとmicroKORG XL+の比較リスト
microKORG(初代) | microKORG XL+ | |
発売日 | 2002年10月 | 2012年10月 |
同時発音数 | 4音 | 8音 |
鍵盤 | ミニ鍵盤 | ミニ鍵盤 改良された ナチュラルタッチ鍵盤 |
本体での音作り | 操作しやすい | 操作しにくい |
Sound Editor | あり | あり |
音色の選択ボタン | 8つのボタン | ノブ |
MIDI端子 | IN、OUT、THRU | IN、OUT |
※以下、 エンジン部の違いです。 | ||
エンジン | MS2000 (2000年発売) | RADIAS/R3 (2006年/2007年発売) |
VOICE MODE | SINGLE、LAYER | SINGLE、LAYER、 SPLIT、MULTI |
VOICE UNISON | あり | あり 2~4VOICEの選択 |
ANALOG TUNE | なし | あり |
VPM (Variable Phase Modulation) | なし | あり |
OSC2の波形 | SINE波の選択不可 | SINE波の選択可 |
クロス・モジュレーションの 設定の違い | OSC1サイン波に対して OSC2の波形で機能あり | OSC1の波形はノコギリ、 三角、パルス、サイン等、 色々組み合わせ可能 |
PUNCH LEVEL | なし | あり |
FILTER | 1 | 2 |
FILTER ROUTING | なし(1つなので不要) | SINGLE、SIRIAL、 PARALLEL、INDIV |
FILTERのタイプの可変設定 | なし | あり |
BPF | BPF -12dB/oct | BPF -6dB/oct |
AMPの歪みパラメーター | DISTOTION(ON/OFF) | DRIVE(レベル設定あり) |
Wave Shape | なし | あり |
EG | 2 | 3 |
FILTER EG RESET | あり | なし |
AMP EG RESET | あり | なし |
ベロシティの設定方法 | バーチャル・パッチで設定 | FILTER1,2、EG1,2,3に 個別パラメーターあり |
LFOのRANDOM波形 | なし | あり |
LFOのSYNC NOTE | 1/1 3/4 2/3 1/2 3/8 1/3 1/4 3/16 1/6 1/8 3/32 1/12 1/16 1/24 1/32 | 8/1 4/1 2/1 1/1 3/4 1/2 3/8 1/3 1/4 3/16 1/6 1/8 1/12 1/16 1/24 1/32 1/64 |
バーチャル・パッチ | 4 | 6 |
バーチャル・パッチの ソース | EG1, EG2, LFO1, LFO2, VELOCITY, P.BEND, MOD.WHEEL, KEY TRACK | EG1, EG2, EG3, LFO1, LFO2, VELOCITY, P.BEND, MOD.WHEEL, KEY TRACK, MIDI1, MIDI2, MIDI3 |
バーチャル・パッチの デスティネーション | 8パラメーター | 40パラメーター |
EQ | LOW EQ FREQ [40Hz~1.00kHz] LOW EQ GAIN [-12~12] HIGH EQ FREQ [1.00kHz~18.0kHz] HIGH EQ GAIN [-12~12] | LOW EQ FREQ [20Hz~1.00kHz] LOW EQ GAIN [-15~15] HIGH EQ FREQ [1.00kHz~20.0kHz] HIGH EQ GAIN [-15~15] |
ノブのリアルタイム・ コントロール | 5つのノブがあるが、 以下のパラメーターに固定 | 3つのノブに54のパラメーター から割り当て可能 TEMPOノブは別途あるので、 実質1つの違い |
ノブの割り当て1 | CUTOFF(固定) | 54のパラメーターから 割り当て可能 |
ノブの割り当て2 | RESONANCE(固定) | 54のパラメーターから 割り当て可能 |
ノブの割り当て3 | EG ATTACK(固定) FILTER EG + AMP EG ATTACK | 54のパラメーターから 割り当て可能 |
ノブの割り当て4 | EG RELEASE(固定) FILTER EG + AMP EG RELEASE | なし |
ノブの割り当て5 | TEMPO(固定) | TEMPO(固定) |
エフェクト | モジュレーター3種の中から1つ (パラメーター 2つ) ディレイ3種の中から1つ (パラメーター3つ) | 17種類のエフェクトの中から 2つのエフェクトを 同時に使用可能 (パラメーターが豊富) |
エフェクトの順番 | シンセ→モジュレーター →ディレイ →EQ | TIMBREごと(シンセ→EQ) →MasterFX1 →MasterFX2 |
アルペジエーターの RESOOLUTION | 1/24 1/16 1/12 1/8 1/6 1/4 | 1/32 1/24 1/16 1/12 1/8 1/6 1/4 1/2 1/1 |
ボコーダー | キャリア(ボコーダーの音源)に オシレーターを1個のみ | シンセ全体をそのまま 音源として使える |
まとめ
KAMINが調べて上記スペックでいろいろと違いがありますが、操作性は音作りをする上で重要なポイントです。
ですから、音作りをする目的であれば、2機種の中からの選択では、
- 本体だけで音作りをする・・・初代microKORG
- PCと接続してSound Editorで音作りをする・・・microKORG XL+、初代microKORG
※パラメーターの違いは上記の通り。
といったところでしょうか?
この記事を読んだ方がシンセサイザーに興味を持っていただけたら幸いです。
では。
このブログでは、KORG microKorg XL+のSound Editor画面を使って説明しています。
シンセサイザーの中でベストセラーであるmicroKORGシリーズ。
その最新版であるmicroKORG XL+。
発売から年数は経っていますが、Sound Editorを使ってシンセサイザーの機能を学ぶ上では非常に強力なハードウェア・シンセサイザーです。
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